ドラえもん のび太の大魔境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 13:38 UTC 版)
声の出演
ゲストキャラクター
- ペコ(クンタック王子)
- 声 - 清水マリ
- のび太がいつもの空き地で拾った野良犬。見た目は普通の白い小型犬だがその正体はバウワンコ王国の王子で前国王であるバウワンコ108世の息子。文武に長け、優しさと勇敢さを兼ね備えていて責任感も強く、民衆からの人望も厚い。悪大臣ダブランダーのクーデターにより前国王の父が暗殺され、自身も生き埋めにされかけるもトラブル[注 4]によって国外へ流れ着き、日本の貨物船に乗って日本にたどり着いた。人間以上の知能の持ち主であり、ほんやくコンニャクを使用せずに日本語で会話しているのは、日本に向かう船の中で覚えたためであるという[注 5]。のび太のママが落とした大事なバッグを発見したことで動物嫌いのママから唯一受け入れられた。人間界の中で普通の犬として振る舞いながらドラえもんたちを国へと導き、無事に帰国。首にぶら下げているペンダントは巨神像のホログラムを映し出す。正体を明かした後はのび太やドラえもんだけでなくジャイアンとも厚い友情で結ばれ、彼らの助けを借りてダブランダーの野望を阻止するべく活動を始める。正体を明かしてからは基本的に真面目で凛々しい王子であり剣の名手でもあるが、正体を明かすときには足を組んで拍手していたり、ドラえもんに「なんかいい道具あるでしょ」と当てにするちゃっかりした面や、何もないところで転んだりと所々抜けていたりする。「ペコ」という名前は正体を知らないのび太が「ずっとハラペコだったから」と付けたもの。事件解決後は、民衆からの歓迎と祝福の下、新国王「バウワンコ109世」として正式に即位した。
- チッポ
- 声 - 杉山佳寿子
- バウワンコ王国の幼い犬。両親を含めた村人全員が兵器製造に駆り出されたために孤独となり、空腹に耐え切れずにダブランダーの兵士の弁当を盗み食いし、追われているところをペコに助けられた。その後はのび太たち一行を荷車の中に隠して彼らを巨神像へ案内するなど、兵士たちの目を盗んで手助けをした。事件解決後は両親や村人たちと共に元の村へ帰った。
- ブルスス
- 声 - 村瀬正彦
- バウワンコ108世の親衛隊長だった戦士。王国一の怪力を誇ると言われ、バウワンコ108世とペコ(クンタック王子)に絶対の忠誠を誓っている信頼厚い重臣であった。ダブランダーたちに捕まり投獄されていたが、ドラえもん達の手によって救出される。巨神像へ向かうペコとドラえもん達をダブランダーの追っ手から逃がすため、身を挺して追っ手の兵士たちと戦った。事件解決後はバウワンコ109世となったペコの親衛隊長として復帰した模様。
- スピアナ姫
- 声 - 栗葉子
- バウワンコ王国の王女でペコの婚約者。ダブランダーの手で王宮の奥に軟禁され、ダブランダーの妻になるよう執拗に迫られながらも消息を絶ったペコ(クンタック王子)の生存を信じ、彼の帰還を待ち続けている。事件解決後はバウワンコ109世となったペコの王妃になった模様。
- ダブランダー大臣
- 声 - 滝口順平
- バウワンコ王国の大臣で、王国支配の野心に燃える策謀家。王国代々の掟に背いて外の世界(人間界)への侵略を企んでおり、そのために邪魔な存在であった前国王のバウワンコ108世を暗殺し、自ら新国王を名乗って全ての実権を握った。5千年にわたって封印されていた古代兵器の開発を再開し、「火をはく車」「空飛ぶ船」の大量生産に乗り出している。前王を謀殺したことは隠し通しているものの、国民に重税や強制労働を課すなど悪政を敷いているため、人望は皆無。ペコやドラえもん達を捕らえるため賞金までかけて協力を募るも、応じる者は1人もなく、現場の兵士もひとり言で「今の王様は人気がないからな」とぼやく始末であった。自軍が巨神像に撃破されると逃走、スピアナ姫を無理に連れ去ろうとするが、漫画では巨神像の攻撃によって崩れ落ちた石材の下敷きになり気絶、映画では巨神像に追い回された末にペコ(クンタック王子)の怒りを込めた剣によって王冠を頭の毛もろとも切られ敗北した。
- コス博士
- 声 - 永井一郎
- ダブランダーに仕える科学者。外の世界(人間界)への侵略を企んでいるダブランダーの命令により、5千年前の古代兵器「火をはく車」「空飛ぶ船」(どちらも機体は木造。「空飛ぶ船」はプロペラで飛行する)を再現した。王国に伝わる伝説や歴史にも詳しく、ドラえもんたちが目指す最終目的地を見抜くなど、ダブランダーの参謀的役割も果たしている。戦闘の場では空飛ぶ船の船団を率いてドラえもん達を襲ったが巨神像の攻撃を受け、映画では船の墜落爆発に巻き込まれて爆死した。連載漫画およびカラーコミックス版の漫画では、クライマックスの戦闘シーンには登場しない。単行本版の漫画では空飛ぶ船から転落して投降した。
- サベール隊長
- 声 - 柴田秀勝
- ダブランダーの親衛隊長を務める隻眼の戦士。悪役ではあるが丸腰で一騎打ちを挑んできたペコに剣を渡す等、騎士道精神を持つ。ダブランダーの命令により兵士たちを総動員して、ペコやドラえもん達を捕らえるために執拗な追跡を行っていた。その剣の腕は凄まじく、連載漫画およびカラーコミックス版の漫画では、持った者を剣の達人にするひみつ道具「秘剣電光丸」を持ったのび太とも互角の戦いをした末に階段から転落した(単行本版の漫画ではのび太は「ウワオー」と叫び、一か八かで攻めに転じ渾身の打ち込みを行っている)。映画ではのび太ではなくペコと巨神像の歯車の上で戦い(のび太はサベールの部下と戦っていた)、剣の対決には勝利するも歯車が動き始めたことにより歯車から転落していった。その後の消息は描かれていない。
- 侍女
- 声 - 麻生美代子
- スピアナ姫の世話係をしている年配の女性。民衆の噂でペコ(クンタック王子)の帰還を知り、そのことをスピアナ姫に伝えた。ダブランダー敗北後、姫を連れ去ろうとするダブランダーに対し、身を挺して姫を守ろうとした。
- 村長
- 声 - 田中康郎
- アフリカのコンゴ盆地奥地のジャングルにある村の長。村人達と共に川でワニに襲われそうになったドラえもん達を助けた。
- ドラえもん達にバウワンコの神について教えるが、ジャイアンが神を恐れない言動を口にしたため、ドラえもん達を災いを招く者として村から追い出した。
- 兵士
- 声 - 二又一成、島田敏、長堀芳夫(後の郷里大輔)、佐藤正治、松岡文雄
スタッフ
- 原作・脚本 - 藤子不二雄
- レイアウト - 椛島義夫
- 作画監督 - 富永貞義
- 美術監督 - 川本征平
- 撮影監督 - 小池彰、鈴木明子
- 録音監督 - 浦上靖夫
- 音楽 - 菊池俊輔
- 監修 - 楠部大吉郎
- プロデューサー - 別紙壮一、菅野哲夫
- 監督・絵コンテ - 西牧秀夫
- 演出助手 - 高須賀勝巳
- 動画チェック - 中山晴夫
- 色設計 - 若尾博司
- 仕上監査 - 益子かおる、三橋曜子
- 特殊効果 - 土井通明
- 美術補 - 沼井信朗
- 編集 - 井上和夫、坂本雅紀
- 効果 - 柏原満
- 文芸 - 水出弘一
- 制作担当 - 佐久間晴夫
- 制作デスク - 田村正司
- 制作進行 - 加藤勝、藤沢一夫、田中敦、井上修、生嶋真人、吉岡大、川口亘
- 制作協力 - 藤子スタジオ、旭通信社
- 制作 - シンエイ動画、小学館、テレビ朝日
注釈
- ^ その代わりに、ジャイアンとペコの結びつきが強くなっている。
- ^ 扉1頁+本編186頁。
- ^ なお、アフリカ大陸の地図が作中に登場し、ザイールを含めて2021年現在では存在しない北イエメンや、オートボルタ(現・ブルキナファソ)などが映り込むシーンがある。
- ^ 漫画及び映画版(第1期)では、棺に閉じ込められ生き埋めにされかけたが、川に転落して外の世界へ流れ出た。映画版(第2期)では、川に転落する描写は同じだが転落に至る経緯を変更(棺が落下→サベール隊長と対決中に川に転落)している。
- ^ しかし、劇中ではドラえもんやのび太たちもほんやくコンニャクを使用することなくバウワンコ王国の言葉を理解し、王国の住民たちとも普通に会話をしている。もっとも、ドラえもんやのび太たちがほんやくコンニャクを使用することなく異種族の人々と会話ができるのは、本編に限らず大長編ドラえもんシリーズの中では当たり前のことになっている。なお、映画版(第2期)では、ペコが日本語を覚えた経緯については触れられていない。
出典
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)410頁
- ^ 楠部三吉郎『「ドラえもん」への感謝状』小学館、2014年、pp.107 - 108
- ^ 大山のぶ代『ぼく、ドラえもんでした。 -涙と笑いの26年うちあけ話-』小学館、2006年、pp.92 - 94
- ^ Amazon_co_jp 映画ドラえもん のび太の魔界大冒険
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