トヨタ・ハイラックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 16:44 UTC 版)
自動車番組『トップ・ギア』における扱いと本車の耐久性
2003年にBBCの自動車番組トップ・ギアで、ハイラックスの耐久実験が行われたことがある。この企画では、放送時点から13年前に生産され30万km走行した4代目ハイラックスを中古で購入し、初めに階段を下らせ木に衝突させた後、海中に車体を5時間沈め、解体用の鉄球で衝撃を与え、小屋に体当たりさせ、高層建築物の屋上にハイラックスを置き爆破解体工事を行うなど、かなり手荒な手法での破壊が試みられたが、車は基本的な工具のみで修理を施しただけで、自走してスタジオに到着した[25][26]。そのハイラックスは2017年からイングランドハンプシャー州ビューリー国立自動車博物館のWorld of Top Gearエリアで展示されている[27]。
このハイラックスは、司会のジェレミー・クラークソンの提案で、以後収録スタジオに展示されることとなった。またSeries08 Episode3の別の企画では水陸両用車「Toybota」のベースに使用。また、7代目ハイラックスをベースにした改造車で北磁極に到達した。
さらに、このチャレンジで使用された撮影クルー用の車両が、ジェームズ・メイがエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山に接近するチャレンジにも使用された。構造は基本仕様だが、飛んでくる高熱の噴石から車体を守るためルーフ上にトタン板を載せ、タイヤが熱で溶けないように冷却水をタイヤに落とす装置を追加している。これは、エイヤフィヤトラヨークトルの噴火を起こす前のロケで、番組中でも噴火によりヨーロッパの航空網に多大な影響を及ぼしたことがSeries15 Episode1で触れられた。また、この時の写真はトヨタ自動車のプレゼンテーション資料にも使われている[28]。
以上のように耐久力や汎用性について評価は高いが、ジェレミーは自身の自動車コラム記事「Jeremy's Review」において、近年のハイラックスやランドクルーザーが開発および製造費用の削減や軽量化(燃料価格高騰への対策)および過剰な電子装備によって、耐久力に疑問符が付いていることを指摘している。他にも、北極撮影のため車体改造を担当した現地業者の話として、かつてはほぼ無改造で極地の走行ができたが、現行モデルでは多数の補強が必要になっているという[29]。
注釈
- ^ 国外メーカーも含めるとジープ・グラディエーターが正規販売されている。また、国内で正規販売されていないピックアップトラック車両(例:トヨタ・タコマ、トヨタ・タンドラ、ダッジ・ラムなど)も並行輸入車として一部の店で販売していることがある。
- ^ 日本国内と、東南アジアやアフリカなどの途上国では、大型のFA/DA型が「トヨタ・トラック」の車名を使っている。
- ^ 英国人ラリードライバーおよびエンジニアのグリン・ホールが1990年に設立し、フォルクスワーゲンの南アフリカディーラーチームとしてラリーに参戦。その後1996〜2009年まで日産南アフリカ法人の活動を請負い、国内のラリーやオフロードレースで合計29のチャンピオンシップを獲得し、2003〜2005年にはダカールにも日産ワークスとして参戦。2010年からトヨタへ看板を架け替えている。
- ^ WRCで活躍したグレゴワール・ド・メビウスとそのナビであるジャン=マルク・フォーティンが2006年に設立したラリーレイドチーム。設立当初はホールスピードの日産を用いてダカールに参戦していた。
- ^ 当時は規則上ディーゼルターボが断然有利とされていたが、ピックアップトラック市場としてダカールと同じくらい重要と目されていた南アフリカのオフロード選手権が当時はディーゼルエンジンを禁止していたことや、ディーゼルターボは高コストであったこと、そして信頼性が非常に高かったことなどを理由にこのエンジンが選ばれていた。
- ^ 2007年の三菱・パジェロエボリューション(MPR13)以来となるガソリンエンジンそして自然吸気エンジン車によるダカール制覇でもあった。この年のダカールはペルー1国開催で標高差が小さく、自然吸気の不利が少なくなっていたのが勝因の一つであった。
出典
- ^ 日本では絶版車もランクイン!! トヨタ 世界で売れてる車 ベスト10
- ^ ハイラックスは命、ハイラックスは生活 第430回 トヨタ ハイラックス【開発者編・その2】フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える 2018年4月9日
- ^ Toyota South Pacific公式サイト
- ^ “Toyota previews Melbourne Motor Show vehicles”. CarAdvice (2011年6月27日). 2011年7月18日閲覧。
- ^ “Toyota lifting capacity by 40%”. バンコック・ポスト (2011年7月14日). 2011年7月18日閲覧。
- ^ “Toyota previews Melbourne Motor Show vehicles”. CarAdvice (2011年7月15日). 2011年7月18日閲覧。
- ^ 日本仕様車の車両型式
- ^ “TOYOTA、ピックアップトラック ハイラックスをフルモデルチェンジ”. トヨタ自動車 (2015年5月21日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ “Next-Generation Hilux redefines toughness”. トヨタ自動車オーストラリア (2015年5月22日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ トヨタ自動車、2017年9月ハイラックス主要諸元表
- ^ 池田直渡「週刊モータージャーナル」:顧客優先か労務管理優先か? ハイラックス復活の背景 - ITmedia on line(2017年11月20日 06時30分 公開)2018年3月1日閲覧
- ^ 『TOYOTA、ハイラックスを13年ぶりに日本市場へ導入』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2017年9月12日 。
- ^ 『TOYOTA、ハイラックスにZ"Black Rally Edition"を設定』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2018年11月12日 。
- ^ 『TOYOTA、ハイラックスを一部改良』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2019年6月4日 。
- ^ 『TOYOTA、ハイラックスをマイナーチェンジ』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年8月19日 。
- ^ 『ハイラックスにZ“GR SPORT”を追加』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2021年10月8日 。
- ^ 株式会社インプレス (2023年1月31日). “豊田通商、ガーナでスズキ「スイフト」のSKD生産開始 トヨタ「ハイラックス」と混流生産”. Car Watch. 2023年2月1日閲覧。
- ^ “トヨタの小型ピックアップトラック「ハイラックス」生産の新工場が稼働開始(ニュースイッチ(日刊工業新聞))”. LINE NEWS. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “トヨタが新型「ハイラックス」を発売! 最強オフ仕様「GRスポーツ」設定し、尼市場で640万円から”. くるまのニュース. 2022年12月12日閲覧。
- ^ “トヨタが『ハイラックス』EVを提案、タイで発表”. レスポンス(Response.jp). 2022年12月22日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年12月19日). “ド・ディオンアクスル採用の新型バッテリEVピックアップ、トヨタ「ハイラックスRevo BEVコンセプト」 フレーム車ならではの巧妙設計”. Car Watch. 2022年12月22日閲覧。
- ^ DIGITAL, AUTOCAR (2022年12月3日). “トヨタ・ハイラックスに燃料電池システム搭載 英国で試験運用 2023年”. AUTOCAR JAPAN. 2022年12月5日閲覧。
- ^ 『ハイラックスにパノラミックビューモニターを標準装備』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2023年9月28日 。
- ^ “トヨタ、「ハイラックス」にオーバーフェンダーなど専用装備採用の特別仕様車 Z“Revo ROCCO Edition””. Car Watch(インプレス) (2023年12月22日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ トヨタ・ハイラックスの頑丈さがこれでもかというくらい理解できる動画
- ^ Top Gear: Killing a Toyota Part 1 - YouTube
- ^ National Motor Museum, Beaulieu (2017-08-07), New-look World of Top Gear opens at Beaulieu 2019年2月23日閲覧。
- ^ 「IMVの使われ方」の写真を参照。谷川 潔 (2012年4月6日). “トヨタ、地産地消を目指すIMVの生産累計500万台を達成”. Car Watch 2017年5月14日閲覧。
- ^ トヨタ・ランドクルーザーV8 試乗レポート By Jeremy Clarkson
- ^ a b ラビ・ソマイヤ (2010年10月19日). “世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由 - 恐怖支配の理想的な装置” (日本語). ニューズウィーク 2016年3月25日閲覧。
- ^ 命の巨大倉庫 ドバイ・世界最大の人道支援基地、人道支援危機 - NHKドキュメンタリー - BS1スペシャル
- ^ ラビ・ソマイヤ (2010年10月19日). “世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由 - 恐怖支配の理想的な装置” (日本語). ニューズウィーク 2016年3月25日閲覧。
- ^ Victor Reklaitis (2015年10月9日). “ISはなぜトヨタ車を愛用するのか-米が説明要求” (日本語). ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年3月25日閲覧。
- ^ ISのトヨタ入手経路(最新情報)
- ^ TOYOTA GAZOO Racing、 3台体制でダカール2023に挑む TOYOTA GAZOO Racing公式サイト 2023年9月16日閲覧
- ^ ハイラックスで頂点を目指した3人のドライバー ダカールラリー2017同行取材で観た!(その4)
- ^ Behind The Doors Of Hallspeed: Winners Of The 2019 Dakar Rally
- ^ OVERDRIVE AND HALLSPEED JOIN FORCES TO RUN 10 TOYOTA HILUXES IN GRUELLING DAKAR RALLY
- ^ DIESEL DO NOT COME CHEAP!
- ^ [1]
- ^ https://f1-gate.com/other/dakar2019_46879.html
- ^ AL-ATTIYAH WINS POLAND BAJA
- ^ Al-Attiyah powers to fourth world cross-country title
- ^ Privateer-friendly WCT/TreasuryONE Toyota Hilux T1+ to run 2024 Dakar Rally
- ^ [2]
- ^ HILUX REVO ONE MAKE RACE
- ^ ハイラックスの車名の由来は何ですか?
固有名詞の分類
- トヨタ・ハイラックスのページへのリンク