ディクシー・チックス ディクシー・チックスの概要

ディクシー・チックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 22:55 UTC 版)

ザ・チックス
基本情報
出身地 アメリカ合衆国 テキサス州
ジャンル カントリー・ミュージック
ポップス
フォーク
ブルーグラス
活動期間 1989年 -
レーベル コロムビア・レコード
公式サイト 日本語公式サイト
メンバー エミリー・ロビソン(1989年 -)
マーティ・マグワイア(1989年 -)
ナタリー・メインズ(1995年 -)
旧メンバー ローラ・リンチ(1989年 - 1995年)
ロビン・リン・メイシー(1989年 - 1992年)

ディクシー・チックスは1989年にテキサス州ダラスで結成され、数年の下積み時代とメンバー変更を経て、1990年代末にカントリーとポップスの両ジャンルで成功を収めた。

また、2003年12月24日のブッシュ大統領が行ったイラク戦争を批判したリード・ヴォーカルのナタリー・メインズの公共の場での批判は、グループを巻き込む大きな論争となった。[2]

2020年6月26日、ディクシーという南部奴隷制にリンクする言葉をバンド名から排除し、「チックス」に改名した。[3]

初期

ディクシー・チックスは、ダラス郊外にあるテキサス州アディソンのグリーンヒル・スクール卒業生であったマーティ&エミリイ・エルウィン姉妹、ローラ・リンチ(Laura Lynch)、ロビン・リン・メイシー(Robin Lynn Macy)の4名によって結成された。エルウィン姉妹は結婚し、マーティ・マグワイアとエミリー・ロビソンとなった。エルウィン姉妹は主に楽器を、リンチとメイシーはヴォーカルを担当。

彼女たちはブルーグラスサウンドを主にして活動を開始、1990年にインディーズ・レーベル「クリスタル・クリア・サウンド(Crystal Clear Sound)」からファーストアルバム(女性演奏者デール・エバン(Dale Evans)にちなんで)『Thank Heavens for Dale Evans』を発表。前年にはマーティが全米バイオリンチャンピオンシップで3位を獲得、またディクシー・チックスとしてもテルライドブルーグラス祭(Telluride Bluegrass Festival)で最優秀バンド賞を獲得したり、リーバ・マッキンタイアジョージ・ストレイトガース・ブルックスの前座を務めた。しかし、彼女たちの曲は公共放送以外で放送されることはなかった。

チックスは1991年末にクリスマス・シングル「Home on the Radar Range」を発表。そして1992年にはセカンド・アルバム『Little Ol' Cowgirl』を発表。スティール・ギター奏者として有名だったロイド・メインズ(Lloyd Maines)との競演を果たし、そしてセカンド・アルバムの一部では現代的なカントリーサウンドにも挑戦した。ディクシー・チックスはテキサスとナッシュビル周辺の様々なイベントに出演し続けた。しかしダラス以外でのラジオ放送はなく、商業的な成功を収めるられずに終わった。

しかるのち、ロビン・リン・メイシーは音楽の方向性の不一致のために1992年末に脱退した。だがグループは引き続きダラスにて活動を続けた。

チックスはトリオとなり、1993年に3枚目のアルバムをリリースした。『Shouldn't a Told You That』はリンチのリード・ヴォーカルを全面的に押し出し、ブルーグラスの要素を少なくした。継続的にツアーを行い、クリントン大統領の就任式やCBS This Morningのような注目度の高いイベントにも出演したが、ヒットには恵まれなかった。[2]

新しいシンガーと商業的成功

1995年末に、以前に共演したロイド・メインズをプロデューサーとして迎えた。また、ローラ・リンチはプロデューサーの娘であるナタリー・メインズにチェンジした。同時期にソニーはチックスをスカウトし、新しいレーベルであるモニュメント・レコード(Monument Records)の所属となった。

ナタリー・メインズ

この新しいラインアップは以下の通り。

『Wide Open Space』

1997年10月にシングル「I Can Love You Better」でメジャー・デビュー。この曲はカントリーチャートのトップ10入りした。1998年1月にこの曲を含む『Wide Open Spaces』を発表。シングルカットされた「There's Your Trouble」「Wide Open Spaces」「You Were Mine」は全てカントリーチャートでNo.1に輝いた。結果的に『Wide Open Spaces(広大にひらけた場所)』は1200万枚以上のセールスとなり、アメリカ歴代のトップ50ベストセラーアルバムに名を連ねることとなった。 1999年の夏、彼女たちは人気のティム・マクグラウ(Tim McGraw)のツアーの前座を務めた。

アルバム『Fly』と初の単独コンサート・ツアー

ディクシー・チックスは2000年にも『Fly』を発表。同作は1000万枚の売り上げに達した。(『Fly』からはカントリーでNo.1となった「Cowboy Take Me Away」と「Without You」を含む9曲がシングルカットされた) ディクシー・チックスは連続で「ダイアモンドアルバム」(アメリカでは1,000万枚以上のセールスを記録したアルバムのこと)を達成したのである。また、チックスは「Fly」のツアーを開始した。このツアーは初のメインアクトであったのであるが、アリーナを満員とするほどの人気であった。

ディクシー・チックスの人気は、以下の理由が考えられる。第1に彼女たちは外部の作詞家を使っているが、2曲に1曲はで作詞に関わっていること。つぎに、グループのブルーグラスとカントリーとの融合が購入層から好感を得られたこと。さいごに、ビジュアルのイメージが「かわいい」「クール」「強烈」と幅広かったことである。

リード・シンガーとしてのメインズの特徴を引き出すことが1枚目〜2枚目のアルバムにおいて主なテーマであったと思われる。それは「Cowboy Take Me Away」を聞けばそれとわかるし、ほかの曲にもそれを感じられる曲が数曲存在する。だが、チックスは「Goodbye Earl」(虐待した夫を殺す妻とその女友達の話)のように“楽しい”復讐の詩や、「Sin Wagon」(パートナーの元を飛び出して“罪”を犯そうとする女の話)のような乱暴で下品極まる曲もだいぶ発表している。こういった曲は、ラジオ局のプレイリストから外されるような強烈な曲と言えるが、それでもメンバーは決してダークに染まることはなかったのである。


  1. ^ アーカイブされたコピー”. 2011年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月10日閲覧。
  2. ^ Dixie Chicks ‘Shut Up and Sing’ in Toronto”. MSNBC. 2006年10月8日閲覧。
  3. ^ a b 米「ディクシー・チックス」が「ザ・チックス」に改名 人種差別抗議の中で」『BBCニュース』、2020年6月26日。2020年7月2日閲覧。
  4. ^ Campbell, Duncan (2003). "'Dixie sluts' fight on with naked defiance" Guardian Unlimited (アクセス日:2006年4月13日)
  5. ^ http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/music/2867221.stm "Dixies dropped over Bush remark" BBC ニュース (アクセス日:2006年10月30日)
  6. ^ ToTaLLyCoOL.net: エンターテインメント・ウィークリー 2003年5月2日号の表紙 "The Dixie Chicks Come Clean" [1]
  7. ^ (2003). http://www.nytimes.com/2003/04/25/international/worldspecial/25BUSH-TEXT.html?pagewanted=all (accessed 2006年4月13日)
  8. ^ CMT, Dixie Chicks biography (accessed 2006年12月3日)
  9. ^ Barger, Al (2006). "Single Review: Dixie Chicks - 'Not Ready to Make Nice'" Blogcritics.com (accessed 2006年4月13日)
  10. ^ (2006). "Dixie Chicks: 'Taking the Long Way'" MSN.com (accessed 2006年4月13日)
  11. ^ Tryangiel, Josh (2006年5月29日). “In the Line of Fire”. TIME誌. http://www.time.com/time/archive/preview/0,10987,1196419,00.html 
  12. ^ “Dixie Chicks New Album, Taking The Long Way, Debuts At #1 On Billboard Top 200”. Open Wide/コロムビアレコード (プレスリリース). (2006-05-64). http://biz.yahoo.com/prnews/060531/nyw075.html?.v=52 
  13. ^ “Radio, promoter each blames other for cut in Chicks tour”. Houston Chronicle. (2006年8月15日). http://www.chron.com/disp/story.mpl/ent/4116099.html 
  14. ^ “Chicks Magnet”. ワシントンポスト. (2006年6月19日). http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/06/18/AR2006061800986.html 
  15. ^ a b Court Yard Hounds | Biography | AllMusic - Artist Biography by Stephen Thomas Erlewine - 2014年10月25日閲覧
  16. ^ 'Mother,' a Solo Album From Natalie Maines of Dixie Chicks - NYTimes.com - 2014年10月25日閲覧






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ディクシー・チックス」の関連用語

ディクシー・チックスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ディクシー・チックスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのディクシー・チックス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS