タイヤ メーカー

タイヤ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 06:25 UTC 版)

メーカー

自動車用タイヤは、ブリヂストン(日)、ミシュラン(仏)、グッドイヤー(米)、コンチネンタル(独)によって寡占化が進行している。ここでは主に日本国内で購入可能なメーカーを中心に記述する。

欧米

アジア

日本

福岡県久留米市の九州旅客鉄道(JR九州)久留米駅まちなか口(東口)にある、ブリヂストン製タイヤのモニュメント。建設・鉱山車両用で直径は約4m、重さは約5t。
  • ブリヂストン - 福岡県久留米市の石橋家(アサヒシューズの石橋家の分家に当たる)によって設立した世界最大手。スチールコードの国内最大手でもあり、ドイツの同業大手・ベカルト社との合弁により設立したかつての関連会社(ブリヂストン・ベカルト・スチールコード)が発祥。戦前より活動する3社(戦前3社)の一つ[20]
    • ファイアストン - 主にアメリカやヨーロッパで展開されるブランド。同社が社名・商標名の由来となった日本のブリヂストンに1988年に買収され、ブリヂストン・ファイアストン・タイヤへ社名変更している。
    • デイトン - 主にアメリカで使用されているブランドで、ファイアストンより低価格ブランドとして使用されている。
    • バンダグ - トラック向け再生品の製造販売を行うブランド
  • 住友ゴム工業 - 旧日本ダンロップゴムで、本流である英ダンロップの日本法人として設立。のちに住友電工をはじめ住友グループの資本・技術介入により現社名へ変更。その後ダンロップ本体の経営悪化に伴い世界の大半のダンロップグループを傘下に持つこととなる。米国グッドイヤー社とアライアンス締結。海外では独自にスミトモブランドを展開。
    • ダンロップ - 明治時代1909年にダンロップ極東護謨工場として発足、事実上日本のタイヤ産業の原点ともなったブランドであり、ブリヂストン・横浜護謨と共に戦前3社の一つとして称された[20]。戦後は米社・英社の買収により日米英の3か国を中心に住友ゴムグループで展開していたが、グッドイヤーとの資本提携により現在はアジア地域を担当。国内部門(旧日本ダンロップ時代含む)についてはダンロップファルケンタイヤも参照。
    • ファルケン(旧オーツタイヤ)- 戦中の1944年、大日本紡績株式会社(現・ユニチカ)の多角事業の一環で、大日本航空機タイヤとして設立[20]、戦後は東洋・日東・岡本理研と共に戦前3社に続く国産7社体勢[注 13]の一角を構成した。のちに住友ゴムが買収、合併して住友ゴムの一部門となり、住友ゴムのセカンドブランドとして定着。
    • 日本グッドイヤー(旧・ダンロップグッドイヤータイヤ)- 住友ゴムが米大手のグッドイヤー社と提携、合弁で設立した外資系メーカー。
  • 横浜ゴム - 古河系、ブリヂストンと並ぶ戦前3社の一つ[20]。ヨコハマタイヤが主力ブランド。レースカー・スポーツカー向けに展開しているADVANのブランド名を持つ。これが成功したため他社 (ポテンザ(ブリヂストン)、トランピオ(東洋)) なども追随しレース、スポーツ用別ブランドを展開することになる。
  • TOYO TIRE(旧・東洋ゴム工業)- 元東洋紡系、日中戦争支那事変)期の1938年の発足であるが、太平洋戦争大東亜戦争)期に幾度かの合併を経て現在の組織に至っているためか、いわゆる戦前3社には含まれていない[20]。戦後の国産7社体制の内、戦中戦後に発足した新興4社で唯一独立ブランドとして存続しているが、現在はトヨタ色濃厚で協力会社組織・協豊会に参加。
    • 日東化工 (旧・日東タイヤ)- 戦後の1949年設立[20]三菱ケミカル系(元三菱化学系→現三菱樹脂系)。NITTOブランドでトーヨータイヤが製造を担当(かつて菱東タイヤという合弁会社を設立した関係)。
    • 愛知タイヤ工業 - 主に産業車両用を製造。やはり日東化工と合弁で「愛東」という再生事業を専門とする会社を設立している。
  • 井上ゴム工業 (IRC) - 主に自動二輪車、自転車向けを製造。兄弟会社にゴムホース・ゴムパイプメーカーのイノアックがある。
  • パナレーサー - 旧社名はパナソニック ポリテクノロジーで、パナソニックグループ離脱により社名変更。自転車用国内最大手。
  • 共和 - 輪ゴムの製造で著名であるが、ミリオンタイヤブランドで自転車用も手掛ける。
  • ダイワボウプログレス - ソーヨータイヤブランドで競技用自転車(トラックレーサーロードレーサー)向けを製造。
撤退・消滅したメーカー
  • 会社自体が消滅したもの
    • 日本護謨 - ダンロップ極東護謨参入以前の1900年設立、日本でも最初期のメーカーといわれる[21]ウラルタイヤブランドを展開[22]したが、戦中に消滅。
    • 日本イングラム護謨 - 1908年、イギリス系資本にて設立された日本初の外資系メーカー。1911年、ダンロップ極東と合併し消滅。技術者の一部は後述の内外ゴムへ移籍する[22]
    • ピープルラバー - 1920年設立、ピープルタイヤブランドで自転車用を手掛けたが、1970年倒産[22]
  • 会社自体は存続しているもの
    • 角一ゴム(現・クラレプラスチックス) - 1906年設立。カクイチタイヤブランドで二輪車向けを製造[22]
    • 内外ゴム - 1913年設立、旧イングラムの技術者が合流しゴムタイヤを製造。ナイガイ・プリンスブランドは旧日本軍の軍用車両用にも供給され、現在でも当時のものが旧父島要塞軍事遺構などに現存する。
    • 日輪ゴム工業(現・ニチリン)- 1914年設立[22]ニチリンタイヤサクラタイヤ[注 14]ブランドで自転車用タイヤを手掛けた。
    • 東京護謨(現・昭和ゴム) - 1917年設立、マルテータイヤ (○T) ブランドを展開[22]、後の日東タイヤの母体の一つ。
    • ユニオンゴム工業 - 1927年設立、ユニオンタイヤブランドを手掛ける[22]。現在はリムバンドなどの自動車・二輪車部品で著名。
    • 大成ポリマー(現・東洋平成ポリマー) - 1929年設立、大成タイヤブランドで二輪車向けを製造。1979年事業撤退[22]
    • バンドー化学 - 昭和30年代に自転車向けを製造[22]
    • ナショナル護謨 - 昭和30年代までノーブルタイヤブランドで自転車向けを製造[22]。現在はウエットスーツ素材で著名である。「ナショナル」で「自転車タイヤ」なのでパナソニックグループ及びパナレーサー(こちらの旧称は「ナショナルタイヤ」)と混同しやすいが、これらとは無関係。
    • オカモト(旧・岡本理研ゴム) - 戦後の1964年に自動車用事業に参入[20]。かつてRIKEN(=理研、ただし発音はライケン)ブランドで乗用車用を手掛けたが、ミシュランと合弁しその後合弁解消時に、タイヤ事業は日本ミシュランに譲渡。群馬県太田市の工場は日本ミシュランが運営するが、2010年に研究開発部門を残し量産は停止し日本での生産はなくなる。
    • 三ツ星ベルト - 自転車用を生産していたが、2005年に事業撤退。
  • 現状不明
    • 日本自動車飛行機タイヤ製造 - 軍用車両・軍用機用向けを生産、旧日本軍へも供給された。

韓国

台湾

  • ナンカンタイヤ - 1959年設立。「ナンカン」(Nankang)ブランドで販売されている。
    • ソナー - ナンカンのセカンドブランド。
  • マキシスタイヤ - 正新(チェンシン)ゴム工業のブランド。総合タイヤメーカーであるが、日本では80年代中番より2輪用で新車装着が始まり、現在ではタイで生産されているK13系日産マーチに新車装着されている。
  • フェデラルタイヤ - 一般市販用からの輸入だったが現在では低価格のハイグリップ系のスポーツ用の販売が増え、スポーツタイヤブランドとして認知されつつある。
  • ケンダ - 台湾ブランドの自転車に多く使われている。

中国

  • グッドライド (GOODRIDE) - 世界ランク13位、中国最大のメーカーである。
  • トライアングル - 中国第2位、世界ランク14位。トライアングルの由来は三角タイヤから来ている。
  • ワンリ (Wanli Tires) - ファイアストンから技術供与を受け製造される高品質なタイヤが売り。並行輸入品が安価に販売されている。
  • ティムソン (TIMSUN) - 日本では、カスタムジャパンがティムソンジャパンという屋号で日本総代理店として販売している。英語読みでは、ティムサンと発音し、中華圏では、タンセンという名前で知られている。オートバイタイヤメーカーとして2006年に設立。現在アジアを中心に世界40カ国で流通しており、その数は1億本にも及ぶ。アジア各国で生産されるオートバイのOEMタイヤとして採用されている。2015年よりスリランカ警察で使用されているオートバイの全車両に装着されている。高性能シリーズのストリートハイグリップをはじめ、スタンダードシリーズ、ビジネスシリーズ、オフロードシリーズなど多種多様なラインナップを揃えている。
  • キンフォレスト(KINFOREST)-広州橡森胎有限公司。
  • LINGLONG(リンロン)-日本では主にカーポートマルゼンで取り扱われる。

その他アジア諸国

  • アキレスタイヤ - インドネシア。ATR Sportなどの複数ブランドを保有する形で販売を行うため、社名そのものは余り知られていない。日本のアキレス社との関連は無い。2019年よりミシュラングループ。
  • ディーストーン (Deestone) - タイ王国。日本では主にゴルフカート用や全地形対応車用のバイアスが並行輸入されている。
  • MRFタイヤ - インド。インド国内ではタイヤ業界最大手。
  • ピンソ(PINSO)-タイのタイヤメーカー。インドネシアで製造。
  • BKT - インド。日本では阿部商会が正規輸入代理店として建機、トラクター用を販売している。
  • ダンロップ・ラバー (Dunlop) - オーストラリアのゴム製品メーカー。かつては住友ゴムも米英ダンロップもインドのダンロップなども同社の実質傘下にあった。現在はダンロップ・ラバーをイギリスのコングロマリット・BTR社が、タイヤ部門を継承したダンロップ・タイヤを米グッドイヤーと住友ゴムが、それぞれ株主として継承している。

注釈

  1. ^ 空気圧と負荷能力を通常規格より高く設定した規格で、レインフォースド規格(RF)とも呼ばれる。
  2. ^ 「Y」制定後に出来たスピードレンジなので、「新Y」と呼ばれることがある。
  3. ^ 稀にナイロン製のものも存在する(表記はNYLON)。
  4. ^ 稀にチューブレスであってもチューブを利用することでチューブ専用ホイールにも使用出来る旨但し書きがされている場合もある[10]
  5. ^ 省燃費タイヤでは指定空気圧が240 - 280 kPa程度のものがあり、テンパータイヤでは420 kPaとなっている。
  6. ^ 例として「295/80R22.5 153/150J」サイズの場合、900 kPaを最高圧力として指定している[14]
  7. ^ 砂・泥・雪などでの沈み込みが抑えられる。
  8. ^ スタッドレスタイヤ等のスノータイヤではないタイヤで出先で積雪してしまった場合に応急的に空気圧を下げて走行するという手段があるが、低い速度での運転に制限されるうえ、積雪地より脱出あるいは雪解け後には速やかに本来の空気圧に加圧する必要がある。
  9. ^ ホイールバランスが狂い、チューブタイプではチューブがずれてバルブ付近に無理な力が加わる。
  10. ^ ポルシェフェラーリ、あるいはアメリカ車などの輸入車旧車によく見られる、インチが小さめで高偏平率ながらも非常に横幅が広いサイズなど。国産量販車種の例では175/60R16が該当し、トヨタ・ラクティス/スバル・トレジアトヨタ・iQの実質2車種にしか(少なくとも純正では)設定がない。
  11. ^ 極端なインチアップの際に使用される18-22インチクラスの35/30偏平タイヤ、235/35R18など。
  12. ^ 例えば「155/55R14」はHA22SアルトワークスやMC22SワゴンR RR、H81W eKスポーツなどと台数としては決して少なくない車種に採用されたサイズでありブリヂストンが夏2/冬2/計4種、横浜が夏3/冬2/計5種、ダンロップが夏3/冬2/計5種を用意している。その一方でトーヨーは夏2/冬1/計3種、クムホは夏1種のみと減少気味のブランドもあり、ファルケンやハンコック(2017年版カタログでは夏1種のみ存在)のように、ラインアップが完全消滅したブランドも存在する(特記無き限り2018年3月2日現在、各社日本向け公式サイトより)。
  13. ^ 世界大百科事典によるタイヤ・メーカーの分類。
  14. ^ 現在、台湾に同名ブランドが存在するが、関連は不明。

出典

  1. ^ 空気なしタイヤ、東洋ゴム開発 パンクしないクルマ実現へ”. itmedia (2017年9月8日). 2019年6月10日閲覧。
  2. ^ ミシュランとGM、「パンクしないタイヤ」を共同開発”. CNN (2019年6月6日). 2019年6月10日閲覧。
  3. ^ JAMAGAZINE 2007年2月号-日本自動車工業会
  4. ^ [1][2]
  5. ^ OUTEX オリジナル クリアーチューブレスキット
  6. ^ a b c タイヤの材料”. ブリヂストン. 2020年6月17日閲覧。
  7. ^ 国土交通省 - 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2010.03.22】別添4(トラック、バス及びトレーラ用空気入タイヤの技術基準) (PDF)
  8. ^ Tire Size Helper
  9. ^ 乗用車用のサイドウォールの一例
  10. ^ [3]
  11. ^ Uniformity(ユニフォミティ)|タイヤ関連用語集|【DUNLOP】ダンロップタイヤ 公式
  12. ^ “新品タイヤの黄 赤マーク 何を意味する? 黄は「軽点」 赤は「ユニフォミティマーク」”. 乗りものニュース (メディア・ヴァーグ). (2020年3月20日). https://trafficnews.jp/post/94675 
  13. ^ タイヤにゴムが使われている理由”. ブリヂストン. 2020年6月17日閲覧。
  14. ^ 広田民郎「バスのすべて」 グランプリ出版 p161参照
  15. ^ タイヤ空気圧管理 - ブリヂストン(2016年版/2016年12月24日閲覧)
  16. ^ 陸上自衛隊の高機動車、96式装甲車など
  17. ^ 急増する欧米の廃タイヤ輸出、インドの村が処理場に”. ロイター (2019年10月26日). 2019年10月25日閲覧。
  18. ^ JATMAニュース No.1132 (PDF)
  19. ^ MOTUL GT-Rのストップ、“犯人”はなんとタイヤカス - AUTOSPORT web
  20. ^ a b c d e f g タイヤ技術の系統化 (PDF) - 国立科学博物館産業技術資料情報センター
  21. ^ 新聞記事文庫 護謨工業 (01-076) - 報知新聞 1917.7.23(大正6) - 日本護謨株式会社の活躍
  22. ^ a b c d e f g h i j 琺瑯看板 - ゴム・タイヤ - お散歩 Photo Album






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