セマダラコガネ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 01:12 UTC 版)
セマダラコガネ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Anomala orientalis (Waterhouse, 1875) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Oriental beetle |
特徴
全体に卵形をした小型のコガネムシである[1]。体長9-13mm、幅5-8mm。背面は茶褐色に黒褐色の斑紋があるが、色彩に関しては個体変異が著しい。頭部は大きめで、頭楯は黄褐色でほぼ矩形、その縁は黒褐色で上向きに反り、角は丸くなっており、上面には浅い点刻が密に入っている。触角は9節、濃褐色で先端3節は上側が伸びて平たくなっている。雄ではこの部分がそこまでの部分より長い。前胸背はその幅が長さの2倍、その縁はそれぞれの方向で中央が張り出し、前方の角は角張って突き出す。その背面は盛り上がり、色は普通は茶褐色で黒緑色の大きな斑紋が左右にあるが、全面が茶黄色になるものから黒緑になるものまで変異がある。点刻は大きくて深いものが密にある。小楯板は茶褐色で楯形、先が尖り、中央には縦向きの窪んだ線があり、細かな点刻がある。鞘翅は縦溝が深く、列間は高く、小点がまばらにある。普通は茶褐色で黒っぽい鷹羽状の斑紋が3段に出るが、全面が茶褐色から黒緑までの連続的な色彩変異がある。
- 学名[2]
- Phyllopertha orientalis :原記載
- Anomala orientalis :Heyden (1887) にて再分類
- Exomala orientalis :Reitter (1903) などを参照
- Blitopertha orientalis :Aim et al. (1995) などを参照
CABIによると、Waterhouseは当初 Phyllopertha orientalisと命名していたという。また E. orientalisはアメリカの文献でよく見られ、Blitopertha orientalisは日本の文献でよく見られる。韓国では両者が使われているという[2]。
分布
琉球列島以外の日本全土に分布し、日本固有種である。ただし現在では後述するようにミクロネシアやハワイ、それに北アメリカに移入種として定着している[3]。
これには異説があり、フィリピン諸島が元々の生息地であり、そこから日本に持ち込まれ、日本全土に広まった種がさらにハワイなどに持ち込まれたという[2]。
- ^ 以下、記載は主として石井他編(1950),p.1319
- ^ a b c Exomala orientalis (oriental beetle) - CABI
- ^ a b 上野他(1985),p.397
- ^ 梅谷、岡田編((2003),p.171
- ^ a b 梅谷、岡田編(2003),p.972
- ^ 澤田(1980)
- ^ 中根他(1963),p.134
- ^ a b Zhang et al.(1994),p.2416
- ^ Koppenhoefer & Fuzy(2009)
- ^ a b 梅谷、岡田編(2003),p.163
- ^ 梅谷、岡田編(2003),p.171
- ^ 梅谷、岡田編(2003),p.330
- ^ 梅谷、岡田編(2003),p.377、484
- ^ 梅谷、岡田編(2003),p.570
- ^ 梅谷、岡田編(2003),p.785
- ^ この下りはZhang et al.(1994),p.2416、ただしこの論文では本種をアジアに広く分布するものとし、移入元をフィリピンと『推定されている』としている。ついでにこの論文では本種をOBと略してある。
- ^ Facundo et al.(1999)
- 1 セマダラコガネとは
- 2 セマダラコガネの概要
- 3 習性
- 4 参考文献
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