スターフォックス2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 23:03 UTC 版)
ジャンル | シューティング |
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対応機種 |
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開発元 |
任天堂 アルゴノートソフトウェア |
プロデューサー | 宮本茂 |
ディレクター | 江口勝也 |
プログラマー | ディラン・カスバート |
音楽 |
石川こずえ 神吉由美子 |
美術 |
有本正直 渡辺剛 |
人数 | 1人 |
メディア |
スーパーFXチップ2搭載[1] ROMカセット |
発売日 |
発売中止(SFC)![]() ![]() |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) |
概要
本作の大きな特徴は、『スターフォックス コマンド』で使われたリアルタイムシミュレーションの要素を持っていることである。各惑星に設置された基地を破壊し、時折コーネリアに攻めてくる敵や惑星間ミサイルを倒し、アンドルフを倒す事が大きな目的である。
キャラクターに関しては、スターフォックスのメンバーにヤマネコと思われる「ミュウ」と、たれ耳の白いイヌと思われる「フェイ」の女性2名が追加された[2](開発初期の段階では、新メンバーとして「フェイ」の代わりにヤギの男性と思われるキャラクターだったバージョンも存在する)ほか、敵役には「ウルフ」「ピグマ」「レオン」そして白いコウモリか猿と思われる「アルジー」の4人で構成されているスターウルフが追加されている[3]。また、スターフォックスの各メンバーが所有する戦闘機「アーウィン」は地上だと「二足歩行」で移動する形態「ウォーカー」に変形できるようになり、地上を歩いたり水中を泳ぐことが可能になった。
正式発表にいたるまで
スーパーファミコン用ソフトの続編として開発されていた本作は当初、1994年11月15日と16日に東京国際見本市会場で開催された『第6回初心会ソフト展示会』にてお披露目されるタイトルのうちのひとつとして挙げられていたという。その後、1995年1月6日から4日間開催されたCESにて本作の最新画像が公開された。
初代と同様に3Dシューティングであるが、本作は全方位に動くことが可能(スターフォックス64でのオールレンジモードに相当する)。さらに操作する自機にはチャージショット(パワーブラスター)が実装されるなど、64とほぼ変わらない機能を持っている。グラフィック面でも大きな進歩が見られ、そのクオリティは高く、スーパーFXチップのメモリを倍にした新規のチップを使用することを前提としていた[1](例としては、アンドルフの造形が64のものに近くなっている)。
しかし開発に時間がかかり、次世代機のNINTENDO64の発売が控えていたことから発売が見送られた[1][4]。その結果、本作のプロジェクトから継承された『スターフォックス64』がシリーズ第2作目として発売される形となる[1]。
ナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)が開発した『スターフォックス アサルト』の開発中の仮題も『スターフォックス2』であった[5]。
2017年6月27日、任天堂公式Twitterでニンテンドークラシックミニシリーズの1つ『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』が発表され[6][7][8]、その中に本作の収録も決定し、同年10月5日に実質的な正式リリースとなった。
任天堂の広報によるとミニスーファミに収録するゲームタイトルを選ぶとき、社内で「いい機会だから」と声が上がり、当時を知る開発者からも「どこかのタイミングで復活させたい」との意見があったという[9]。また、本作に搭載されているスーパーFXチップは技術的に他機種向けのバーチャルコンソール化が難しく、これがミニスーファミへの収録の決め手になったという[9]。
遊びに際しては、同じく収録されているスターフォックスの最初のステージ(レベルはどちらでも可能)をクリアする事で解禁される。
公開に際して、オンラインマニュアルが他の説明書と違い特設サイトが設けられ、設定資料も合わせて公開された。
スーパーFXチップを巡る問題はソフトウェアでの解決が図られたため、2019年12月12日から『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』(Nintendo Switchのオンラインサービス特典ソフト)で配信された。
ストーリー
前作『スターフォックス』で大軍を率いて恒星ライラット系を危機に陥れた天才科学者Dr.アンドルフ皇帝の野望は、コーネリア軍のペパー将軍に雇われた遊撃隊「スターフォックス」に打ち砕かれた。しかしアンドルフは惑星コーネリアに復讐するべく復活を果たし、周囲の惑星を再び占拠して再びライラット系を危機に陥れる。これに対して、前作よりさらにメンバーを増やした「スターフォックス」にペパー将軍も再びアンドルフ軍掃討を依頼する。だが今回のアンドルフ軍は徹底的に惑星コーネリアに対して攻撃を仕向け、スターフォックスによる反撃よりも先にコーネリアの占拠を目論んでいる。
こうしてスターフォックスチームは、惑星コーネリアの守りという任務を常に背負いながらアンドルフ軍を倒す戦いが始まることになる。アンドルフ軍の空母や占領された惑星から、コーネリアの都市を破壊するために惑星間ミサイルや戦闘機などが続々と発射・出撃されていく中、それらの迎撃および、さらに出撃自体を食い止めるための空母破壊や惑星奪還を進めていく。一方、この動きに気づいたアンドルフは、コーネリアの都市破壊と平行して、スターフォックスチーム自体を標的にした高機能な戦闘マシンの出撃や、ならず者で構成された商売敵の遊撃隊「スターウルフ」の潜伏などを仕掛けていく。こうして、コーネリアを巡る攻防戦と同時に、アンドルフ軍とスターフォックスチームの直接対決が再び本格的に幕を開ける。
やがて、コーネリア攻防戦を制していくスターフォックスチームは、アンドルフ軍の布陣をあらかた打ち破り、コーネリアを攻撃する戦力をほぼ完全に削ぐ。彼らへ言い渡されたペパー将軍による今回最後の指令は、アンドルフ自身を打倒するために本拠地の要塞アストロポリスへと直接攻め入らせることだった。しかし、スターウルフチームのリーダーであるウルフが、他のメンバーとは別行動で本拠地を守るための最後の砦として待機していた。交戦の末に打ち倒しはしたものの、宿敵であることを宣言し、撃墜されることなく逃亡する。
ペパーの指令どおり、本拠地アストロポリスへ攻め込むスターフォックスチームを待っていたのは、スターフォックスを所詮ペパーに雇われた操り人形だと一蹴し、雇われ遊撃隊の実態を指摘するアンドルフだった。そして、戦いの末にスターフォックスが見た光景は、生身のアンドルフではなく、以前に戦った時と同じ、キューブ型のコンピューターのコアとしてのアンドルフであった。今回もアンドルフ本人を捕捉することはできなかった形だが、アンドルフ軍の最高指揮官としてのコンピューターを破壊したことで、惑星コーネリアを襲う危機は再び振り払われ、フォックスたちは爆発するアストロポリスを後にしたのだった。
- ^ a b c d “社長が訊く『スターフォックス64 3D』 4.幻の『スターフォックス2』”. 2012年3月5日閲覧。
- ^ 【プレイレポ】この時代に『スターフォックス2』を遊ぶからこそ見えてくる、スーファミの恐るべき底力 | インサイド
- ^ スターフォックス 2 取扱説明書:キャラクター | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- ^ 本作の発売予定とされていたのが『週刊ファミ通』1994年10月28日号では1995年2月、ゲーム内のクレジットでは1996年。一方でNINTENDO64の発売日は1996年6月23日。
- ^ “インサイド ナムコ開発『スターフォックス2』初公開!”. 2012年3月5日閲覧。
- ^ Nintendo 2017.6.27 ファミコンに続いて、スーパーファミコンが小さくなって再登場!
- ^ “Nintendo of America Twitter”. 2017年6月27日閲覧。
- ^ “スーパーファミコンの21タイトルを収録した「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」”. 2017年6月27日閲覧。
- ^ a b “幻の「スターフォックス 2」、なぜ「ミニスーファミ」で復活? 任天堂に聞く”. ITmedia. 2017年6月28日閲覧。
- ^ a b c d スターフォックス 2 取扱説明書:ミニマップとレーダー | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- ^ a b c スターフォックス 2 取扱説明書:基本操作 | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- ^ a b c スターフォックス 2 取扱説明書:ゲームの進めかた | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- ^ a b c d e f g h i j k STAR FOX 2 ゲーム説明書 1995/6/19 任天堂情報開発部
- ^ a b スターフォックス 2 取扱説明書:アイテム | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- ^ a b スターフォックス 2 取扱説明書:戦闘開始 | ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン 任天堂
- 1 スターフォックス2とは
- 2 スターフォックス2の概要
- 3 ゲームの詳細
- 4 ライラット系
- 5 脚注
- スターフォックス2のページへのリンク