ジャコウウシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/07 04:23 UTC 版)
生態
夏季はツンドラ内の水辺、湿原に生息する[1][3]。冬季になると積雪の少ない斜面などへ移動する[2]。メスと幼獣からなる3-100頭の群れを形成して生活し、夏季には分散して小規模な群れを冬季になると大規模な群れを形成する[1][3]。オスは単独もしくはオスのみで小規模な群れを形成し生活する[2]。オス同士は突進して角を突き合わせて激しく争う[4]。突進の際、速度は時速60kmに達する[5]。外敵に襲われたり強風で寒さが厳しい時には成獣が外側へ向かって円陣を組み、その中に幼獣を入れて守る[1][3]。
食性は植物食で、草、木の葉(カバノキ、ヤナギ)などを食べる[1][3]。
繁殖形態は胎生。8月に交尾を行い、妊娠期間は8か月[3]。オスは繁殖期に興奮すると眼下腺から匂いのある分泌液を出し[1][2]、この行動が名前の由来と考えられている[3]。4-5月に1回に1頭の幼獣を産む[3]。
人間との関係
ユーラシア大陸北部にも分布していたが、乱獲により約3,000年前に絶滅した[2][3]。
外毛の下にある産毛は「キヴィアック」(QIVIUK)と呼ばれ、高級・高価・希少である。カナダ政府によって年間の捕獲量が制限されている[6][7]。
脚注
関連項目
- ^ a b c d e f 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、111、121、205頁。
- ^ a b c d e f g 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、147-148頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会、1988年、120-121頁。
- ^ Viking Wilderness - Muskox High Speed Collision (動画) 2012-8-14閲覧。
- ^ “Muskox”. moskussafari.no. 2020年3月23日閲覧。
- ^ 丸安毛糸株式会社オフィシャルサイト キヴィアック
- ^ Qiviuk: The Nature of Luxury
- ^ a b c
The IUCN Red List of Threatened Species
- Gunn, A. & Forchhammer, M. 2008. Ovibos moschatus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.2.
固有名詞の分類
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