ジャカルタ憲章 ジャカルタ憲章の概要

ジャカルタ憲章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 21:33 UTC 版)

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内容[4] [5]

ジャカルタ憲章


抑々独立はすべての民族の権利である。したがって人道主義と正義に悖る植民地主義は、この地上から一掃されなければならない。
しかしてインドネシアの独立闘争は、栄光とやすらぎのときに達した。インドネシア人民は、独立、団結、主権、正義、繁栄のインドネシア国の門前に立っている。
全智全能の神の慈悲の下、自由な民族としての生存への崇高なる熱望に駆られ、インドネシア民族はここに独立を宣言する。
次いでインドネシア民族全体と、その国土の全域を保護の下に置く、独立インドネシア国政府を樹立するため、また公共福祉を増進し、民族の生活に開化をもたらし、ひいては独立、永久平和と社会正義に立脚する世界秩序の実現に参加するため、主権在民の、イスラム信徒にはイスラム法の実践を義務とする神への信仰に基づき[6]、公平にして文明なる人道主義の原則、インドネシアの統一、代議制会議における英知に指導される民主主義、さらにインドネシア国民全体のための社会正義の実現をめざすところの、インドネシア共和国という政体として創建されるインドネシア国基本法のもとで、このインドネシア民族の独立は準備される。
ジャカルタ、(皇紀)2605年6月22日[7]
スカルノ
モハマッド・ハッタ
A・A・マラミス
アビクスノ・チョクロスヨソ
アブドゥルカハル・ムザキル
H・アグス・サリム
アフマッド・スバルジョ
ワヒッド・ハシム
ムハマッド・ヤミン

参考文献

  • アフマッド・スバルジョ著、奥源造編訳『インドネシアの独立と革命』龍渓書舎、1973年
  • 増田与後藤乾一村井吉敬『現代インドネシアの社会と文化』現代アジア出版会、1979年
  • 日本国際問題研究所インドネシア部会編『インドネシア資料集 上 1945~1959 年』 日本国際問題研究所、1972年
  • Mata Elang Media. (2011). Kabinet Indonesia Bersatu II (Jilid II)+UUD 1945 dan Perubahannya. Mata Elang Media. Jakarta.
  • M.B. Hooker. edit. (1986). Laws of South-East Asia. Volume I. The Pre-Modern Texts. Butterworth. Singapore.
  • H. Endang Saifuddin Anshari.(1997). Piagam Jakarta 22 Juni 1945:sebuah konsensus nasional tentang Dasar Negara Republik Indonesia(1945-1959). Gema Insani Press. Jakarta.

  1. ^ 「Piagam(Piagem)」は「憲章(Charter)」と訳され、本来的には法の一種を意味する(M.B. Hooker. edit. (1986).261頁参照)。しかしながら、1945年6月22日に作成されたジャカルタ憲章(Piagam Jakarta)は、独立宣言(1945年8月17日)以前、および憲法制定1945年8月18日)以前の文書であり、いわゆるパンチャシラの起草に寄与したのみで、法的根拠とはならないとされる(後藤乾一他 (1979)『現代インドネシアの社会と文化』18頁参照)。
  2. ^ 後藤乾一他 (1979)『現代インドネシアの社会と文化』17頁。
  3. ^ Mata Elang Media. (2011). Kabinet Indonesia Bersatu II (Jilid II)+UUD 1945 dan Perubahannya.44頁。
  4. ^ 日本国際問題研究所インドネシア部会編『インドネシア資料集 上 1945~1959 年』1972 年、p.17-p.18。
  5. ^ スバルジョ『インドネシアの独立と革命』1973年、182頁。
  6. ^ イスラム信徒にはイスラム法の実践を義務とする神」の部分は、正式に憲法前文に取り入れられた建国5原則(パンチャシラ)にはない表現である(後藤乾一他 (1979)『現代インドネシアの社会と文化』17頁他参照)。
  7. ^ 2013年現在流布しているテキストでは「ジャカルタ、1945年6月22日」とされているものが多く、「suatu Hukum Dasar Negara Indonesia, jang terbentuk dalam suatu」(インドネシア国基本法)が抜けているものも見られる。


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