クロノグラフ クロノグラフの概要

クロノグラフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 08:15 UTC 版)

ギャレット製ムーブメントを使用した1890年代のエレクタ懐中クロノグラフ
1879年頃製のロンジンの垂直クラッチ方式(別軸)懐中クロノグラフ
オメガ・スピードマスタープロフェッショナル
ブライトリング・ナビタイマー(回転ベゼルがフライトコンピューターになっている)
タイプ7T92ムーブメントを使用するセイコー製クオーツ式クロノグラフ
シチズンのクロノグラフの一例。アテッサエコドライブATV53-3023。アナログ-デジタル併用方式。北米、欧州、中国、日本の電波を受信可能な電波時計。
ユニバーサルジュネーブ・トリコンパックス

歴史

1822年フランスの時計師ニコラ・リューセックフランス語版 (Nicolas Matthieu Rieussec) が発明したとされていたが、1816年に同じくフランスのルイ・モネフランス語版 (Louis Moinet) が開発した60分の1秒(針が1秒で一周する)を計測可能な毎時21万6000振動のハイビートの天体観測用クロノグラフが2013年に発見され[1][2]、彼の名を冠した時計ブランドが購入した。

腕時計における最初のクロノグラフとしては1910年のサミュエル・ジャンネレ (Samuel Jeanneret) の30分積算計機能付きのものが知られている[3]

以降、各社による腕クロノグラフの発表が続き、1913年にはオメガが竜頭とは異なる場所に独立したクロノグラフ操作用のボタンを持つモデルを発表している[4][3]

同1913年、これまでの懐中時計用ムーブメントを腕時計に転用した物とは異なり、腕時計用クロノグラフムーブメント(Cal.13.33Z、13リーニュ)を搭載したモデルをロンジンが発表している[3][5]

ブライトリングが近年世界初の腕クロノグラフと自称していた1915年に発表したモデル(Lemaniaの懐中時計用16リーニュムーブメントを搭載)[6]は、上述の物達よりも時系列が後であり世界初ではない。

クロノグラフキャリバー

機械式クロノグラフの機械は非常に複雑なため、懐中時計が主流の時代から自社設計生産する会社は少なく、バルジュー(Valjoux、現エタ)、レマニア(現ヌーベル・レマニアとしてブレゲのクロノグラフ製造部門)、ヴィーナス(Venus、現エタ)、アンジェラス (Angelus)、エクセルシオパーク (Exelsior Park) 等クロノグラフを得意とするメーカーから機械を購入して、改良もしくはそのまま使用することが多かった。

例えばパテック・フィリップはかなり改造を加えてそのことで非常に高い評価を受けてはいるが、ベースキャリバーはバルジューやレマニアを使用している。ロレックスのクロノグラフキャリバーは、手巻きだった時代はバルジューのキャリバー72系、自動巻になってからはゼニスの「エル・プリメロ」を採用しており、自社生産に切り替えられたのは2000年になってからである。またクロノグラフの代表製品の一つとして知られるオメガの「スピードマスター・プロフェッショナル」のキャリバーはレマニア製キャリバーCH27C12系、ブライトリングの「ナビタイマー」はヴィーナス製で当初はキャリバー175、後にキャリバー178を使用していた[7]

しかしこの時期にも自社製機械としてキャリバ−13ZN、キャリバー30CHを持つロンジン[8]、手巻き時代の自社製機械としてキャリバー90、キャリバ−90M、キャリバー95Mを持つモバード[9]、自社製機械としてトリコンパックスを頂点とするコンパックスシリーズを持つユニバーサル・ジュネーブ[10]、自社製機械としてマルチセンタークロノがあるミドー等は自社生産していた。

これらの会社もその後コストの掛かる自社生産を中止し他社から購入するようになった。


  1. ^ Louis Moinet unveils the World’s First Chronograph dating back to 18162013年3月21日、2013年7月24日閲覧
  2. ^ 時計史を塗り替える新発見!ルイ・モネ クロノグラフ イノベーター、2013年7月11日、2013年7月24日閲覧[リンク切れ]
  3. ^ a b c 中村省三 編『広告の中の腕時計 : 腕の上のデザイン』ワールドフォトプレス、東京、2010年、24,28,91,146-152頁。ISBN 978-4-8465-2817-1OCLC 650209260 
  4. ^ スペシャル ファースト オメガ リスト-クロノグラフ コレクション | OMEGA®”. Omega. 2021年2月2日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ 1900年のLonginesの歴史 - 1900”. www.longines.com. 2021年2月2日閲覧。
  6. ^ 『Time of legend : the Breitling insider.』レジスター、大阪、2006年12月、2,14-15,255頁。ISBN 4-901638-23-8OCLC 676603081 
  7. ^ 栗崎 2001, p. 117.
  8. ^ 栗崎 2001, p. 98.
  9. ^ 栗崎 2001, p. 82.
  10. ^ 栗崎 2001, p. 85.
  11. ^ 栗崎 2001, p. 83.
  12. ^ 故障か発条の巻きが切れたかを判断する場合、巻き上げて使用して時計自体に狂いがなければ発条の巻き切れと考えた方がよい。一旦停止してもそれに気が付かず時が進み、それを知らず時計自体を動かすと自動巻きが働き動き出すので、時刻表示が遅れていることに気が付かない場合がある。






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