カザフスタン 行政区画

カザフスタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/01 02:29 UTC 版)

行政区画

中央アジア最高レベルの世界都市であるアルマトイ

カザフスタンは以下の14州(Oblys)に区分されている。

北カザフスタン州
アクモラ州
パブロダール州
コスタナイ州
カラガンダ州
東カザフスタン州
アルマトイ州
ジャンブール州
南カザフスタン州
クズロルダ州
アクトベ州(アクチュビンスク)
西カザフスタン州
アティラウ州
マンギスタウ州
政令指定地区
ヌルスルタン - 首都
アルマトイ - 最大の都市
バイコヌール

主要都市

ロシア租借地

政令指定地区バイコヌールはロシア連邦がカザフスタンより年間1億1500万USドルの契約で町全体を租借し、事実上の行政区として扱っている。これは、同市にある、ソ連時代の1955年に建設されたバイコヌール宇宙基地がロシアにとって今なお重要な宇宙開発施設であることに起因する。このためバイコヌールの行政権はロシアが握っており、例えば市長は、ロシア大統領が推薦し、カザフスタン大統領が承認することで任命される。また、ロシアの法律が適用され、通貨もカザフスタンのテンゲではなくロシアのルーブルが流通している。この租借契約は1994年に合意され、2050年まで続く見込みである。

政治

カザフスタンの国家元首は、直接選挙により選出される任期5年の大統領である。大統領は、政府を組閣し、閣僚最高裁判所長、検事総長、国立銀行総裁を任免し、国民投票を実施し、非常事態を導入する権限を有する。1992年5月から軍最高司令官であり、同年7月からは国家保安委員会が直属している。1993年12月、最高会議は解散させられ、1995年3月、憲法裁判所は1994年3月実施の選挙が違憲であったとの決定を下した。その後は議会不在のままである。

建国以来、ヌル・オタン(輝く祖国党)が単独過半数を占めており、事実上の一党独裁体制である。

首相は、議会の同意により大統領が任命する。閣僚は、首相の提案により大統領が任命する。政府は、大統領の任期満了と共に総辞職し、新大統領により組閣される。閣僚の70%は人口の約65%を占めるカザフ人。

立法府は、下院(マジリス)と上院セナト)の二院制である。下院は定数107議席。うち98議席が比例代表制による直接選挙で選出され、9議席はカザフスタン民族会議により選出される。カザフスタン民族会議とは大統領諮問機関であり国内にある民族団体おおよそ全部を包括している[14]。議席を得るには、7%障壁を超える必要がある。上院は定数47議席。各州、旧首都、首都の地方議会から2名ずつ選出され、15名は大統領が個人的に任命する。1995年3月には、民族間関係を調整するカザフスタン民族総会が設置されている。上院が6年、下院が5年に延長された。

大統領

ソビエト連邦構成国だったカザフ・ソビエト社会主義共和国共産党第一書記・同共和国大統領(それぞれ1989年1991年に就任)からそのまま1991年12月にカザフスタン共和国大統領に就任したヌルスルタン・ナザルバエフが、独立以来2019年まで一貫して大統領の地位にあり、強力なリーダーシップを発揮した。

1995年4月に大統領の任期を延長し、2000年12月までとしたが、同年8月には、新憲法草案が国民投票にかけられ、圧倒的賛成で可決された[15]。この1995年憲法はカザフスタンを大統領制国家であると規定し、大統領に大幅な権限を与えた。そして、最高会議を廃止して二院制議会を新設し、1995年12月に議会選挙を実施したが、反対派はほとんどボイコットした。

1998年10月に憲法改正が行われたが、大統領の任期は5年から7年に延長され、65歳までとされていた候補者の年齢制限が撤廃された。2007年には議会がナザルバエフを終身大統領とする議決を行うが、本人はこれを拒否した。

2019年3月19日、ナザルバエフは電撃辞任を表明し、翌20日に正式に退いた。

主要政党

与党:ヌル・オタン(輝く祖国)。
野党:アク・ジョル(明るい道)、カザフスタン共産党

治安

2015年の10万人当たりの殺人(既遂)率は、約4.8件(認知件数:853件)であった)[16]。かつては、10.0件以上あったが、減少して2010年年以降は10.0件を切っている。強盗は、68.7件(認知件数:12,197件)であった[17]。強盗は、2009年~2012年の間に急増したが、2013年以降は減少している。窃盗(強盗・侵入盗・自動車盗は除く)は、約1177.0件(認知件数:208,907件)であった)[18]。窃盗(強盗・侵入盗・自動車盗は除く)に関しては、2010年~2014年の間に急増し、2014年以降は高止まりしている。

2016年6月5日、アクトベ市内の銃砲店や警察施設が攻撃されるテロ事件が発生。治安部隊との間の銃撃戦で、6名が死亡、10名が負傷した。このテロ事件を受け、治安当局はアクトベ市のテロの脅威度を「赤」(3段階中最高位)に設定した。また,アクトベ市を除くカザフスタン全土を「黄」(3段階中1番目)にした[19]。6月12日、カザフスタン当局はアクトベ市のテロの脅威レベルを「赤」から「黄」に引き下げ、カザフスタン全土がテロの脅威レベル「黄」となった[20]。8月14日、カザフスタン国家保安委員会はテロの脅威レベル「黄」を2017年1月15日まで延長した[21]

メディアの検閲

インターネットは2014年時点で国民の70.8%に普及している。「マスメディアに関する法律」が変わりインターネットはマスメディアと法的に定められた、これによりフェイスブックやツイッター等のSNS、インターネット掲示板での言動は新聞、テレビと同等の物となった。亡命者が政権批判をするブログサイト[22]は国内からアクセス不可であり政府の視点とは異なるニュースチャンネルも規制がかけられている。NGOのフリーダムハウスはカザフスタンを「部分的自由」と評価を下している[23]

軍事

カザフスタンは、旧ソ連軍中央アジア軍管区の部隊を継承した。

現在のカザフスタン共和国軍は、一般任務軍(陸軍)、防空軍空軍)、国境警備軍の3軍種から成る。大統領は、3軍の最高司令官であり、空中機動部隊及び空挺部隊、並びに大統領親衛隊を直轄する。軍政単位としては、南部、西部、東部及び中央の4個軍管区が設置されている。一般任務軍は、2個軍、2個師団、5個旅団から成り、46,800人。防空軍は、19,000人。

徴兵制度が存在し、兵役の義務は18歳からの2年間とされている。




注釈

  1. ^ 現地では[кореец](ロシア語で「高麗人」の意)と呼ばれている。

出典

  1. ^ カザフスタン共和国基礎データ”. 外務省. 2018年11月5日閲覧。
  2. ^ a b c d World Economic Outlook Database, October 2018” (英語). IMF (2018年10月). 2019年3月10日閲覧。
  3. ^ Kazakhstan”. Britannica ∣language=英語. 2018年1月13日閲覧。
  4. ^ 田中洋之 (2014年2月8日). “カザフスタン:国名変更へ…スタン取り近隣諸国と違いPR”. 毎日新聞. オリジナルの2014年2月22日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140222134216/http://mainichi.jp/select/news/20140209k0000m030025000c.html 2017年3月6日閲覧。 
  5. ^ “Kazakhstan will not change its name to get rid of the “stan” ending: Foreign Minister” (英語). Tengrinews. (2014年6月13日). https://en.tengrinews.kz/politics_sub/Kazakhstan-will-not-change-its-name-to-get-rid-of-the-stan-254165/ 2017年3月6日閲覧。 
  6. ^ ヘロドトス『歴史』巻4-13
  7. ^ ストラボン『地理誌』、アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』
  8. ^ 『史記』(大宛列伝)、『漢書』(西域伝)、『後漢書』(西域伝)、『三国志』(裴注『魏略』西戎伝)
  9. ^ 『魏書』(列伝第九十 西域)、『北史』(列伝第八十五 西域)
  10. ^ 松田壽男『古代天山歴史地理学研究』
  11. ^ 岩村 2007,p118
  12. ^ 山田信夫『北アジア遊牧民族史研究』
  13. ^ 小松 2005,p166-167
  14. ^ カザフスタンを知るための60章 312頁
  15. ^ カザフスタン国別評価
  16. ^ Statistics and Data>Crime data>Intentional Homicide>Intentional homicide victims”. UNODC. 2019年2月24日閲覧。
  17. ^ Statistics and Data>Crime data>Other Crimes>Robbery”. UNODC. 2019年2月24日閲覧。
  18. ^ Statistics and Data>Crime data>Other Crimes>Theft”. UNODC. 2019年2月24日閲覧。
  19. ^ カザフスタン:アクトベ州アクトベ市における銃撃戦の発生に伴う注意喚起外務省 2016年6月6日
  20. ^ カザフスタン:アクトベ州アクトベ市における銃撃戦の発生に伴う注意喚起(更新)外務省 2016年6月15日
  21. ^ カザフスタン、来年1月15日まで延長Qnewニュース 2016年8月16日
  22. ^ Blogspot.com,Wordpress.com
  23. ^ カザフスタンを知るための60章 253~254頁
  24. ^ 「シリア和平協議 捕虜交換議題に ロシア主導」『毎日新聞』朝刊2017年11月1日
  25. ^ IAEA、核燃料バンク施設完成 カザフスタンに設立共同通信2017年8月30日
  26. ^ a b http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kazakhstan/data.html
  27. ^ カザフスタン新首都アスタナ計画
  28. ^ “HP > 国・地域 > 欧州 > カザフスタン共和国 > カザフスタン基礎データ>経済>12 経済概況”. 外務省. (2019年3月5日). https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kazakhstan/data.html#section4 2019年3月10日閲覧。 
  29. ^ 堀江 正人 (2017年9月28日). “カザフスタン経済の現状と今後の展望~ シルクロードからオイルロードへ変貌する中央アジアの資源大国 ~”. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部. https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2017/09/report_170928.pdf 2019年3月10日閲覧。 
  30. ^ 【点検 成長企業】カズムナイガス■カザフスタン 国営石油、巨大油田で生産量底上げ『日経ヴェリタス』2017年12月17日号、12面(アジア)
  31. ^ Nuclear Energy Agency/ International Atomic Energy Agency, "The Red Book Retrospective" and "Uranium: Resources, Production and Demand"
  32. ^ a b “世界の鉱業の趨勢2018 カザフスタン” (PDF). 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). (2018年12月26日). http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2018/12/trend2018_kz.pdf 2019年3月10日閲覧。 
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  34. ^ “平成 29年度海外炭開発支援事業 外炭開発支援事業 海外炭開発高度化等調査 「世界の石炭事情調 「世界の石炭事情調 査- 2017年度 -」>第 1章 世界の石炭埋蔵量と需給動向等調査>1.2.2 石炭可採埋蔵量>(1)石炭の可採埋蔵量と可採年数(WEC 2013 に基づく)>表 1.2.2 主要な石炭資源国の可採年数(28ページ、PDF8ページ)” (PDF). 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC). (2018年3月). http://coal.jogmec.go.jp/content/300356612.pdf 2019年3月10日閲覧。 
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  37. ^ カザフスタンを知るための60章133~134頁,167頁
  38. ^ On Marriage (Matrimony) and Family, Legal information system of Regulatory Legal Acts of the Republic of Kazakhstan.
  39. ^ [1]
  40. ^ 日本人のほとんどが知らない中央アジアの基礎知識”. ハーバービジネスオンライン (2016年7月13日). 2016年8月24日閲覧。
  41. ^ カザフスタンを知るための60章 第52章305~309頁
  42. ^ カザフスタンを知るための60章308~309頁
  43. ^ NIKKEI ASIAN REVIEWから】カザフスタン/ローマ字移行 ロシアに背「欧米追従」一部に批判『日経産業新聞』2017年7月20日アジア・グローバル面
  44. ^ The results of the national population census in 2009 (The Agency of Statistics of the Republic of Kazakhstan) http://www.eng.stat.kz/news/Pages/n1_12_11_10.aspx





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