オーク 概要

オーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/27 15:01 UTC 版)

概要

模式種ヨーロッパナラ(ヨーロッパオーク、イングリッシュオーク、コモンオーク、英名:common oak、学名:Q. robur)が代表的。

なおアカガシ亜属 QuercusCyclobalanopsis)は別属とすることがあるが、オークには含まれる。

あわせて数百種以上が知られ、亜熱帯から亜寒帯まで北半球に広く分布する。日本語では落葉樹の種群はナラ(楢)、常緑樹の種群はカシ(樫)と呼ばれるが、オークはその両方を包含するものである(なお英語では特に常緑樹である樫を指す場合はlive oakと呼ぶ)。ヨーロッパのオークの多くは日本語でナラ(楢)と呼ばれる落葉樹であり、常緑の樫は南ヨーロッパ以外では稀である。明治時代の翻訳家が落葉樹のオークを樫と誤訳した例があり、現在も混同されやすい。

利用

加工しやすい種が多く、ヨーロッパ北アメリカでは家具フローリング(床材)、ウィスキーワインの材料などに広く使われる。

木肌は中程度から粗めの堅い木材で、木目がはっきりし、特に柾目面にはそれが美しい模様として現れる。また、虎斑(とらふ)と呼ばれる虎の斑紋を連想させる模様が現れることも特徴。材木用としてヨーロッパ原産のヨーロッパナラなど落葉性ナラ類が代表的である。

ヨーロッパナラ

ヨーロッパナラ(ヨーロッパ・オーク)の材は材の取り方や生育環境によって特定の呼び名を用いることがある[1]

  • ウェインスコット・オーク(シェン・メラ)- ヨーロッパナラ(ヨーロッパ・オーク)を柾目取りした銀杢の模様を持つオーク材[1]
  • ブラウン・オーク - カンゾウタケが寄生することで心材が濃い赤みを帯びた茶色に変化したオーク材[1]
  • ボグ・オーク - 泥炭湿地に長く浸っていたため鉄分の濃い色に変化したオーク材[1]

日本のミズナラ材はこのヨーロッパナラに匹敵する材質をもつ高級オーク材である[2]

近縁種

他に、北アメリカ原産のレッドオーク(ロバタエ節 section Lobatae)やホワイトオーク(クェルクス節 section Quercus)、樹皮をコルクとして用いるコルクガシQ. suber)などが有名。北米のホワイトオークはウィスキーの樽として使用される。

オークリーフ

ヨーロッパナラの葉はカシワに似た特徴的な形をしており、オークリーフという意匠としてよく知られている。しかし、オークの葉の形は種によってさまざまであり、ヨーロッパナラの葉は一例にすぎない。深く切れこんで先端がとがったもの、細長いものなどもある。また、これはEUの硬貨にも同じような形で存在する。


  1. ^ a b c d メヒティル・メルツ『日本の木と伝統木工芸』海青社、2016年、67頁。 
  2. ^ 鳥飼玖美子 (2004), p.158.






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