エンカウント ランダムエンカウント

エンカウント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 09:02 UTC 版)

ランダムエンカウント

敵のキャラクターが直接表示されないゲーム画面のフィールド上において、自身のキャラクターが移動している時に一定の確率で敵と遭遇し新たな画面が表示されて戦闘が始まる形式をランダムエンカウント(ランダム・エンカウンター、英語:random encounter)という。特に敵キャラクターがゲーム内の複数マップ間を徘徊する形式のエンカウントを徘徊エンカウントと呼ぶ。

真・女神転生シリーズ』(『ストレンジジャーニー』以前)、『ドラゴンクエストシリーズ』(『VIII』以前)、『ファイナルファンタジー』シリーズ(『X-2』以前)、『ファンタシースター』シリーズ、『MOTHER』、『ポケットモンスター』シリーズ(通常の野生ポケモンとの遭遇の仕方)など多くのRPGで採用されている。

ランダムエンカウントにおけるエンカウント率

ランダムエンカウントの場合、その確率を操作して、ゲームバランスゲームデザイナーの意図したレベルに調整できる。

エンカウントが起こる確率はエンカウント率(エンカウンター率)と呼ばれる。例えばキャラクターが一歩歩くごとにエンカウント判定がなされる場合はエンカウント率は一歩あたりのエンカウント確率を指しており、下記のようになる。

  • エンカウント率 (%) = 100 / 戦闘後、次の敵に遭遇するまでの平均歩数
    • 注:この式はプレイヤーが得られる情報から「エンカウント率の平均値」を推測する手段に過ぎない。実際のゲームプログラム内部では制作者が設計したより複雑なルーチンに基づいて敵との遭遇が決定される。

一般的にランダムエンカウントは、プレイヤーに対し予告なく突然の出来事として起こる。このためランダムエンカウントにおけるエンカウント率はプレイヤーの快・不快に大きな影響をおよぼす。ファミコン全盛期のRPGは「エンカウント率が非常に高い」「『エンカウント発生後、数歩の間は再び発生しない』措置がない」などの理由で、ユーザーにストレスを与えることが少なくなかった。

エンカウント率はプレイの難易度とテンポ、ひいてはゲーム全体の良否にも関わる重要な問題として慎重な設定が要求されることになる。ただしそのゲーム内での「1歩」の定義や移動速度・フィールドの広さ・戦闘に要する時間などによっても体感的なエンカウント頻度は大幅に増減する。このためエンカウント率だけを変更する単純な調整は意味をなしにくく、総合的には移動・戦闘に関する設定全般もエンカウント率と関連づけて考慮されることになる。

また特殊な調整として、状況やプレイヤーにエンカウント率を変化させる仕組みを持たせる方法も取られることがある[注 2]

ゲーム状況による変化

エンカウント率が、プレイを通じて常に一定であるとは限らない。場所や時間によってエンカウント率が異なる作品もある。

たとえば、平原や海のような開けた地形では低めに、山や森などの見通しが利かない場所や夜間は少し高めに、ダンジョンでは野外よりも高めに設定されているケースがある。作品によっては「エンカウントしない状況」が設定されているケースもある[注 3]

ゲームバランスの調整としてだけでなく、地域の特徴や敵キャラクターの生態など世界観の演出を意図して設定されていることも多い。

プレイヤーの任意による変化

戦闘はヒットポイントマジックポイントの消耗、移動の阻害などにつながるため時としてプレイヤーには戦闘回避の欲求が生じる。この心理に対し、戦闘回避の手段として「エンカウント率を下げる」「エンカウントしないようにする」効果の魔法やアイテムが用意されている作品もある。

『ポケットモンスター』シリーズの「むしよけスプレー」「シルバースプレー」「ゴールドスプレー」や『テイルズ オブ シリーズ』の「ホーリィボトル」などがこれに該当する。

また一方で戦闘は経験値アイテム・仲間キャラクターを得る手段でもあり、プレイヤーが積極的に戦闘を望む場面もある。この要求を満たすために上記とは逆に「エンカウント率を上げる」「エンカウントを発生させる」手段が用意されている作品もある。『ポケットモンスター』シリーズの「しろいビードロ」や一部の「とくせい」、『テイルズ オブ シリーズ』の「ダークボトル」など。

そのほか特殊な事例としては、エンカウント直前にプレイヤーへ「戦闘開始か、戦闘回避か」の選択権を与えている作品もある。『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』における「エンカウントキャンセル」などがその例。


  1. ^ 英単語の encounter の er は接尾辞ではなく、encounter 自体に「遭遇する」という動詞としての意味があり、 encount という英単語はない。
  2. ^ ポケットモンスターにおいて自転車に乗ると、普通に歩くよりも敵に遭遇しやすくなるなど。
  3. ^ 天下一武士 ケルナグール』修行モードにおける舗装路など。
  4. ^ マザーシップタイトルでは、『テイルズ オブ ジ アビス』以降の全作品および『テイルズ オブ シンフォニア』。
  5. ^ 逆に敵シンボルがプレイヤーキャラクターを発見すると逃げてしまい、さらには消滅するというシステムを採用しているものもある。





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