エミネム 私生活

エミネム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/19 02:07 UTC 版)

私生活

1995年に、学生時代からの付き合いであったキンバリー・スコット(通称・キム)との間に、娘のヘイリー・ジェイドが生まれる。1999年に結婚したが、2001年に離婚。しかし、2004年の後半から再び交際が始まり、翌年に復縁。家族の他、50セントやD12、オービー・トライス、Gユニット、キッド・ロックなど、大勢の身内を招いて、2006年1月14日に再び挙式したが、同年4月5日に離婚申請を提出し、12月19日に両者の離婚が確定した。その後は半年程、世界的歌姫のマライア・キャリーと交際していたことを明かしている。1999年には、エミネムの母親が、The Slim Shady LPに含まれる歌詞中の彼女に関する中傷で約1000万ドルで彼を訴える。彼女は2001年に約1600ドルを勝ち取った[12]

さらに彼は、コメディ映画「スーパー・バッド 童貞ウォーズ」を200回近く観たと公言している[13]

2001年のグラミー賞授賞式にて、「スタン」ダイドのパートをエルトン・ジョンがピアノで弾き語り、話題となった。(このパフォーマンスは、エミネムのベスト・アルバム「Curtain Call: The Hits」にボーナス・トラックとして収録。)以降、2人は親しくなり、エミネムの薬物中毒治療をエルトンがサポートした[14][15]。ちなみにエルトンも、1980年代まで薬物中毒に陥っていた。

2014年5月11日の母の日、エミネムはこれまでずっと確執を抱えてきた母への謝罪として、「Headlights」のPVを公開した。悲惨な幼少時代を過ごした彼にとって、母のデビーはこれまで憎しみの対象となってきた人物だった[6]。しかしエミネムは母を許し、その証明として今後は彼女を罵倒した曲である「Cleanin' Out My Closet」をライブ上で演奏しないということまで「Headlights」の歌詞に記している[16]

そのきっかけとなったのは、デビーの重い心臓の病にあるのではないかと推察されている。病床に着いている彼女が果たしたいと思った望みは、エミネムと和解し、彼の娘に会うということだった。その事態を受けて、エミネムが行動を起こしたのだと考えられている[17]

子煩悩

「娘ヘイリーがもっとも大切なもの」と語る子煩悩な父親であり[6]、家では特に言葉遣いを厳しく躾けている[注 1]。また、エミネムの右腕には、ヘイリーのポートレートが彫られている。

だからこそ、2歳のときに家を出て行った実の父親に対しては、次のように厳しい見方をしている。

彼のことは知らない。会ったこともない。(会いたいか)訊かれるけど、そうは思わない。なんで、あんなことができたのか(自分たちをおいて出て行ったのか)理解できない。もし俺の子供たちが地球の裏側に移り住んだとしても、俺は彼女たちを見つけ出す。それは確かだ。金がないとか関係ない。俺が何も持ってないとしても、子供は見つける。だから、弁解の余地はない。 — 60 Minutesにおけるエミネムインタビュー[18]

エミネムの元妻・キムがメディアでエミネムに対し、侮辱的な発言をし続けることが原因で裁判を起こし、結果的には双方が公の場で互いを侮辱する発言はしないことで和解。この裁判にて2人は互いに譲らず長期戦となると思われていたが、双方の弁護士がまだ11歳の娘が生活していく上で両親の不仲は障害になると諭したことで、すぐに鎮静化した。

法問題

1999年にエミネムの母親は、エミネムが彼のアルバム「The Slim Shady LP」で彼女のことを誹謗中傷したとして約1000万ドルの訴えを起こした。そして2001年に損害賠償として約1600ドルを受け取っている[12]

2000年6月3日、エミネムはミシガン州ロイヤルオークの車載オーディオストアーでDouglas Dailとの口論中に弾の入っていない銃を取り出し、地面に突きつけたとして、逮捕されている。次の日、ミシガン州ウォレンで再び逮捕されている。ホットロックカフェの駐車場で彼の妻がJohn Guerreraとキスしているのを見かけ、Johnに暴行をはたらいた事による逮捕だった。エミネムはJohnをアルバム「The Eminem Show」の「The Kiss(skit)」で叩いている。エミネムは認可なしの武器の所持と暴行の容疑で有罪を受け、2年間の保護観察処分を受けている。しかし、Guerreraへの暴行容疑においては、嘆願書によって取り下げられた。

2000年7月7日、Kimはリストカットによって自殺を試みたが一命は取り留めた。そしてその後、彼女は「Kim」という曲の中で、自分が余りにも悲惨に死んでいることを述べ、エミネムを名誉毀損で訴えた。

2000年10月26日、エミネムはカナダのトロントでの公演を予定していたが、オンタリオ州検事総長のJim Flahertyは「私は個人的に、女性に対する暴力を主張しながら今まさにこの場所に来ようとしているような者には一人たりともカナダに来てほしくない」と述べ、エミネムは入国を許されるべきではないと主張した。彼はさらに、「Kill you」の“Slut, you think I won't choke no whore / Till the vocal cords don't work in her throat no more” (尻軽女め、俺が売春婦の首を絞めないとでも思ったか?/ 彼女らの声帯が機能しなくなったら)という部分を見たとき、彼は著しく気分を害されたとも述べた。民衆の彼に対する反応は否定的なものだったが、Liberal MPPのMichael Bryantはエミネムを、言論の自由も考慮に入れた上で入国を禁止にしてしまえば、エミネムの女性への誹謗中傷に対する主張に対するヘイトクライムが起こるだろうと述べた。Rovert Everett-GreenはGroval and Mailの編集で「攻撃的なのがエミネムの持ち味だ」と書いている。エミネムのコンサートは予定通り行われた。

衛生士のDeAngelo Baileyは2001年に、「Brain Damage」という曲で、エミネムがBaileyのことをとんでもないいじめっ子として描き、嘘の役割としたものを公表の情報にして彼のプライバシーに侵入したとして、エミネムを非難し100万ドルで訴えている。しかしながら、Baileyはエミネムをいじめていたことを認めており、さらに彼は「単にエミネムにぶつかっただけ」や「少し押しただけ」と言っている。2003年10月20日にこの訴訟は却下されている。裁判員のDeborah Servittoは彼女が持つ、ラップのような韻詩に対する意見を、歌詞というものは誇張されているものということは明らかだとしながら書いている。

2001年6月28日、エミネムは1年間の保護観察および地域社会奉仕を宣告された。また、ヒップホップレーベルのサイコパシック・レコードの従業員との論争から、武器所持料として約2000ドルの罰金を課せられている。

2002年3月31日、フランス人ジャズピアニストのJacques Loussierはエミネムとドクター・ドレーを1千万ドルで訴えている。彼の主張、はシングル“Kill you”のビートが彼の演奏 “Pulsion”からきているというものだった。Loussierは“The Marshall Mathers LP”の販売を取りやめること、残ったものすべてを破棄することを要求した。裁判は2004年6月に行われ、後に解決へといたった。

2003年12月8日、アメリカ合衆国シークレットサービスは、エミネムが彼の曲“We as Americans”(当時はまだリリースされていなかった)の歌詞の“Fuck money, I don't rap for dead presidents. I'd rather see the president dead, it's never been said but I set precedents.”(金なんてクソだ、俺は金(dead presidents)を稼ぐためにラップをしているんじゃない/それよりも大統領が死ぬところを見たいんだ/今まで黙っていたが俺が前例を作ってやるよ)という部分が、当時の大統領であるジョージ・W・ブッシュを脅しているという主張に対する調査を進めていると報告した。この出来事は、エミネムのシングル“Mosh”のミュージックビデオに、「ブッシュ大統領のキャリアの中での不幸な出来事」についての壁掛け新聞の記事として登場している。“We as Americans”は、アルバム“Encore (Deluxe Edition)”のボーナストラックに該当の歌詞が変えられて搭載されている。

2007年、エミネムの音楽出版社“Eight Mile Style”とMartin Affiliated MusicはAppleAftermath Entertainmentを、iTunesにおけるエミネムの93曲のダウンロードをめぐるAppleとの取引の交渉をAftermathがすることは承認されていないとして、訴えている。このAppleをめぐる件は、2009年9月後半に裁判がはじまった後手短に片付けられている。

2010年7月、第9巡回区控訴米国裁判所はF.B.T. Productions, LLC v. Aftermath Recordsに対して、Aftermath Recordsに、エミネムをレコーディングする権利をAppleやSprint Corporation、Nextel Communications、CingularT-Mobileなどと同様に与える代わりに、Aftermathのネット収益のうち50%の印税をエミネムに対して支払う義務を与えるという判決を下した。

2013年10月、エミネムは、シカゴを拠点とするラップグループ、Hotstylzの大ヒットシングル“Lookin' Boy”をエミネム自身のヒット作“Rap God”(ラップの神)にサンプリングした。それに対してグループは、エミネムは何の取引も埋め合わせもなくそのサンプルを使う許しを得ていなかったと主張した。2013年11月、Hotstylzはエミネムに対するディストラック“Rap Fraud”(ラップペテン師)をリリースした。その曲はエミネムの曲のうちいくつかをサンプリングしており、さらにエミネムが彼らと取引しなかったことを批判している。2015年1月、TMZはHotstylzがエミネムと彼のレーベル“Shady Records”を、彼らの許しなく“Lookin' Boy”の25秒のサンプルを“Rap God”に用いたことに対して800万ドルで訴えていることを報道した。


  1. ^ エミネムはインタビューで「自分の子供に対して『このクソアマ、それを片付けやがれ!』なんて叫ぶ親がどこにいるんだよ」と語っている(日刊ゲンダイの記事より)。






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