アメリカ合衆国とイランの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/30 17:11 UTC 版)
イランの主張
また、上記と同じ声明の中で最高指導者ハーメネイー師は「我々は覇権主義、支配体制、数カ国による世界征服に反対であり、それに立ち向かう。この数カ国の政府が、世界の運命をもて遊ぶのを許しはしない」と述べ(革命以前のイランはアメリカの傀儡を受けるパーレヴィ皇帝の圧制が敷かれていた)、イランに対する核問題、人権、民主主義に関する虚言や口実探しの最大の原因は、イラン国民の(彼らへの)抵抗と(体制への)断固とした立場にあるとし、「現在、アメリカは再度、過去と同様、自らの役人をペルシア湾に送り込み、虚言を繰り返そうとしているが今やこのような言葉を信じる者は誰もいない。なぜならアメリカは、地域の国民の利益を考えたことはなく、その逆で、可能な限り、地域を自らの不当な利益の下で蹂みつけにしている」と述べた。さらに、本当に好戦的なのはアメリカであると強調し、「アメリカは、ペルシア湾を兵器庫にし、イラクやアフガニスタンを攻撃し、パキスタンをも侵略している。このような状況の中で、イラン・イスラム共和国に対して虚言を浴びせている」と述べた[59]。
2010年1月にはイラン政府が自国への欧米の干渉政策の理由を、さらに具体的に述べている。イランの情報省海外担当次官はイラン国営通信とのインタビューの中で、アメリカ合衆国とイギリスをはじめとする覇権主義体制がイラン人民によるイスラーム革命に対して何故敵意を抱いているのかということについて、「この(イスラムの価値観に基づく)革命(体制)は、短期間のうちに世界中の大衆に認知され、歓迎を受けた。その為アメリカ・イギリスをはじめとする覇権体制の諜報機関による体制転覆計画の標的となってしまったのだ。彼らはイラン・イスラーム共和国に対して侵略的な「ソフトな体制転覆」(実際的な戦争などでない内政干渉など)計画を企てた。この目的を達成するために、これまでにかなりの額の予算が正式に認められ、割り当てられている。」と述べ、アメリカ・ヨーロッパの干渉についてのイラン政府の見方を示した[56]。
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