ふしぎ遊戯
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あらすじ
高校受験を間近に控えた中学3年生の夕城 美朱(ゆうき みあか)と親友の本郷 唯(ほんごう ゆい)は『読み終えた者は主人公と同様の力を得、望みがかなう。』という序文に釣られ、図書館の立ち入り禁止区域で見付けた四神天地書という書物を開いて、中に吸い込まれてしまう。そこに待っていたのは、古代中国に似た異世界―四正国の紅南国と、額に鬼の字を持つ青年―鬼宿(たまほめ)との出会いだった。すぐに現実世界に戻れた2人だったが、帰宅後に母親と口論になり飛び出した美朱は再び本の世界へ入ったまま、現実世界へ帰れなくなってしまう。かくして美朱は、軍事大国―倶東国の前に苦境に立たされていた、若き皇帝にして朱雀七星士―星宿(ほとほり)の紅南国を守るため、現実世界への戻り方を知るために、朱雀の巫女となった。やがて美朱は、各地に点在する七星士を探す方法や戻り方を求め訪れた太極山で、仙人―太一君(たいいつくん)の助言と美朱の行方不明を聞き付けた唯の助けで、なんとか現実世界に帰還する。が、入れ替わりに唯が吸い込まれてしまったことからそれを助けるため、また七星士の一人であった鬼宿と強く惹かれ合うようになっていたこともあって紅南国を平和に導くために、決意新たに美朱は兄―奎介(けいすけ)の制止を振り切って本に戻ってしまう。
一方、美朱と入れ替わりに倶東国に降りた唯は、ゴロツキに襲われたところを青龍の巫女として青龍七星士―心宿(なかご)に助けられる。だが青龍の力の独占を密かに狙う心宿は、ゴロツキ達に唯が強姦されたのは美朱が見捨てたからだと騙り、敵対させるよう仕向けた。こうして唯は心宿の策略により、朱雀を妨害しながらの青龍召喚の旅に出る。心宿により、朱雀・青龍とも七星士達が次々と命を落とす中、一度は不可能かと思われた神獣召喚であったが、玄武・白虎の巫女達の遺産―神座宝を集めれば巫女単体でも神獣を呼び出せると知らされ、争奪戦が始まる。
最終的にこの争いを制したのは、青龍側であった。神獣―青龍を召喚した唯は、第一の願いで朱雀を封印。続く第二の願いで美朱を本の世界から追放し、唯も共に現実世界に帰還する。しかし美朱を離すまいとした鬼宿も、一緒に本の世界から飛び出してしまう。そこでとうとう鬼宿は、美朱と唯には今までの出来事全てが紙面上の虚構に過ぎないこと―――巫女と七星士が結ばれないと言われて来た本当の意味に、衝撃を受ける。
美朱達が本の中で神獣召喚を巡って争っていた頃、奎介も美朱と唯を助けるべく、現実世界で奔走していた。現実世界と巫女を繋ぐ共通物質―媒体である美朱のリボンや四神天地書に浮き上がる文面により、四正国や美朱の言動を追い掛ける一方で奎介は友人―梶原 哲也(かじわら てつや)と共に四神天地書とその訳者―奥田 永之助(おくだ えいのすけ)を調べ始めるが、2人が辿り着いたのは奥田の一人娘―多喜子(たきこ)が元玄武の巫女であった事実と、父娘の非業の死であった。さらに奎介達は、本から無事巫女の役目を遂げて帰還した元白虎の巫女―大杉 鈴乃(おおすぎ すずの)より“巫女とは生贄であり、神獣は願いを叶える代わりに巫女の体を喰らう。ただし、巫女が強い心の持ち主ならばその限りではない”と聞かされ、本の世界を追われた美朱に告げた。この事実は召喚で青龍に蝕まれていく体に怯え、美朱へ助けを求めて来た唯にも伝えられたがショックの引く間もなく、紅南と倶東両国を窮地に陥れた心宿が、遂に現実に現れ、第三の願いを自らにもたらすよう唯に迫った。辛くも、鬼宿の助けを得た美朱に助け出されたことで、ようやく心宿の本心に気付いた唯は、最後の願いで朱雀を呼び出す力を美朱に与え、青龍に取り込まれてしまう。
朱雀を招喚した美朱は、第一の願いで唯を取り戻した後、第二の願いで青龍を封印。世界を破滅から救い、最後の願いで“鬼宿と決して離れない”ことを願った美朱が、唯と現実世界へ戻って数か月後…。奎介の連れて来た、鬼宿の記憶と誓いの指輪を持った後輩―宿南 魏(すくなみ たか)と再会する。
第二部(OVA2参照)では高校生になった美朱が、学校行事で訪れた高松塚古墳で朱雀と再会。救いを求める声と魏に迫る危機に、鬼宿の記憶を探して、魏と再び本の世界へ降り立つ。朱雀七星士達との再会に感激するも束の間、あの朱雀と青龍の激闘の直後に井宿と翼宿の手元に現れた石が魏の記憶だと知り、不気味な気配を感じつつも、戦死した七星士達の石を求めて旅を開始する。しかしその頃、現実世界の美朱の高校や奎介達の大学にも、妖しい影が迫りつつあった。
注釈
- ^ 唯は極限状態から気を失っており、実際の事の顛末は知らなかった。
出典
- ^ “『ふしぎ遊戯』初のミュージカル化 “原作ファン”田中れいなが主演”. ORICON NEWS. (2015年11月23日) 2021年1月26日閲覧。
- ^ “「ふしぎ遊戯」とゲーム「Alice Closet」がコラボ、美朱や鬼宿のコーデ登場”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月6日) 2021年7月6日閲覧。
- ^ “「ふしぎ遊戯」新作読み切りがflowersに、クリアファイルや渡瀬悠宇インタビューも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年9月28日) 2022年9月28日閲覧。
- ^ 原作2巻7話
- ^ 原作1巻1話
- ^ 苗字は小説版のみ記載。
- ^ 小説版のみの記載。
- ^ 単行本オマケ漫画『ふしぎ悪戯』の一編。いわゆる楽屋オチ兼並行世界ネタの漫画であり、各キャラクターを「ドラマ『ふしぎ遊戯』で、その役を演じている役者」として扱っている。そのため(またオマケゆえに)キャラ崩壊が激しい内容となっている。ここでの心宿は気のいい新人の青年俳優で、主演にして長年のキャリアを持つ人気子役の美朱と事務所の先輩の鬼宿にパシリにされイジられている。
- ^ 国や地方が異なると上手く操れない場合もある。
- ^ 芸名であり、本名ではない。
- ^ 四正国での多喜子の出現は200年前、鈴乃は90年前だが、現実では多喜子の7年後に鈴乃が巫女になっている
- ^ 青龍は鱗、朱雀は背中に2つの亀裂が入り翼が生えるなど。
- ^ 永光伝では美朱の身ごもった魏(鬼宿)との子供に変更された。一方永光伝のアニメでは、子供とともに指輪も真夜に移っていた。
- ^ “ふしぎ遊戯 既刊一覧”. 小学館公式サイト. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 1(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 2(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 3(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 4(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 5(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 6(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 7(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 8(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 9(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ “ふしぎ遊戯 10(文庫版)”. 小学館. 2022年3月3日閲覧。
- ^ a b c d e f 『別冊オトナアニメ プロフェッショナル100人が選ぶベストアニメ』洋泉社、2011年9月29日発行、144頁、ISBN 978-4-86248-782-7
- ^ 「TV STATION NETWORK」『アニメディア』1995年10月号、学研、113 - 115頁。
- ^ 『アニメージュ』1995年9月号(徳間書店)全国放送局別放映リスト(204頁)
- ^ “ふしぎ遊戯 渡瀬悠宇の人気コミックが舞台化”. amipro (2010年8月27日). 2017年6月19日閲覧。
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- ^ “喜矢武豊 「ふしぎ遊戯」”. ネルケプランニング/ユークリッド・エージェンシー (2015年1月26日). 2016年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月19日閲覧。
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- ^ “田中れいな主演ミュージカル『ふしぎ遊戯〜朱ノ章〜』が開幕。田中「演技は4年ぶり」”. BARKS. (2016年4月8日) 2017年6月19日閲覧。
- ^ “ミュージカル『ふしぎ遊戯~蒼ノ章~』”. amipro (2018年2月14日). 2018年2月14日閲覧。
- ^ “ミュージカル『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』 「自分を信じる、愛してくれる人がいる、だから負けない!」”. シアターテイメントNEWS. (2018年10月13日) 2018年10月30日閲覧。
- ^ “田中れいな主演「ふしぎ遊戯~蒼ノ章~」開幕!「人見知りで最初は心の距離があったけど」笑いの絶えぬ仲間と作り上げた完結編。歌唱、殺陣、コメディと演者、原作の魅力を凝縮!!”. ザテレビジョン. (2018年10月13日) 2018年10月30日閲覧。
- ^ “「ふしぎ遊戯」開幕、田中れいな「2年前よりよくなったと言ってもらえるよう」”. ステージナタリー. (2018年10月14日) 2018年10月30日閲覧。
- ^ “amipro@悪ノ娘 (@amipro_info) の2018年10月8日21時32分のツイート”. Twitter (2018年10月8日). 2018年10月29日閲覧。 “8年にわたり幾度となく再演を行ってまいりました『ふしぎ遊戯』は今回で最後になります”
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