ちゃんこ鍋 明治大正までの食糧事情

ちゃんこ鍋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 06:38 UTC 版)

明治大正までの食糧事情

明治42年頃よりちゃんこが広まったがそれまでは回向院前の広場で日本相撲協会主催の炊出しが行われており、経済事情が良くない部屋に無償で提供していた。一部両国周辺の住民にも提供されていた。明治42年の両国国技館開館を機に規約上廃止となったが、その後も大正期まで炊き出しが続いた。

春日山部屋所属だった緑島(のち年寄立浪)は現役中米にありつくことは炊出し以外ほとんどなく、すいとんや目刺しばかりだったという。

語源

ちゃんこ」の語源には以下の二説がある。

父由来説

  • 父さん・爺さんを意味する「ちゃん」(「子連れ狼」などで有名)に「こ」が付けられたものであるとする説[2]。かつて若い力士が、炊事番のおじさんを親しみを込めて「チャン」と呼んでいたのが、いつからか「チャンコ」になっていたというもの[36]
  • 常陸山は料理番をしていた古参力士を親しみを含め「父公(ちゃんこう)」と呼んでいたことが伝えられている[37]相撲甚句の歌詞にも「昔、料理の番長は/ロートル力士の受け持ちで/禿げた頭の鉢巻が/鳥や魚を調理する/若い力士がそれを見て/田舎の父ちゃん偲びつつ/父ちゃん詰めてちゃんと呼ぶ/力士の作る手料理が/何時の間にやらちゃんことなる」とある[要ページ番号]
  • 父ちゃん、おっちゃんなどの「ちゃん」に、東北方言の語末に付く「こ」が付けられたものであるとする説[6][4]
  • 親方を父になぞらえ「チャン」、弟子を「コ」として親方と弟子で食事をする事である説[38]

中国語由来説

  • 江戸時代初期に中国から長崎に伝来した[注 1]唐音あるいは転訛であるとする説[2][4]。当時、長崎へ巡業した職業力士が大鍋料理を「チャンコ」と称したというもの[4]
  • 中国を指すチャンと、中国語で「鍋」を指すのコ(クオ)が組み合わさったもの。中華鍋の意[40]
  • 座人屋敷の中国人を意味するとの説[2]

ちゃんこに由来する言葉

力士の体形を指す用語「ソップ型」は、ちゃんこ料理に由来する。ちゃんこのソップ(スープ)をとるのに用いる鶏ガラに似た、細く引き締まった体形のことである[4][41]


注釈

  1. ^ 鍋の名称については、資料によって「サンコ鍋」[2]、「鏟鍋【チャングォ】」[4]、「チャンクオ」[6][36]、「砂(沙)鍋【シャーコオ】」[39]とまちまちである。

出典

  1. ^ a b 『料理食材大事典』主婦の友社 p.527 1996年
  2. ^ a b c d e 岡田哲著『たべもの起源事典』東京堂出版 p.347 2003年
  3. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、pp.15
  4. ^ a b c d e f g h i j 窪寺紘一(1992) 162-164頁
  5. ^ a b c 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.18
  6. ^ a b c d e f g h i 『大相撲ジャーナル』2017年6月号69頁
  7. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、pp.20-21
  8. ^ a b 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、pp.17-19
  9. ^ 天龍源一郎が語る“新生活” 相撲部屋へ上京したら「警視庁」へ!? 元横綱・曙をプロレスに勧誘したことも! AERAdot. 2021.3.28 07:00 (2021年3月28日閲覧)
  10. ^ 『大相撲を101倍楽しむ法』(蔵間竜也、1991年、勁文社)
  11. ^ コラム 悲しい「逆縁」と「コロナ後」 若林哲治の土俵百景(3/3ページ) 時事ドットコム 2020.5.28(2020年6月16日閲覧)
  12. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、p.33
  13. ^ 金指基(2002) 212頁
  14. ^ 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.137
  15. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、p.36
  16. ^ a b 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.20
  17. ^ a b c 澤田一矢(2001) 123-124頁
  18. ^ 金指基(2002) 211-212頁
  19. ^ 和歌森太郎『相撲今むかし』隅田川文庫、2003年、126-127頁。ISBN 4-434-03261-5
  20. ^ 『大相撲ジャーナル』2017年6月号69頁
  21. ^ 田中亮『全部わかる大相撲』(2019年11月20日発行、成美堂出版)p.102
  22. ^ 臥牙丸のラーメン大食い13玉は“朝ラー”だった「稽古の前に食べました」にファン大笑い「朝からやべえw」 ABEMA TIMES 2021.07.17 07:00 (2021年7月18日閲覧)
  23. ^ 「ちゃんこってなんですか?」ド素人の質問を元力士&漫画家の琴剣淳弥さんにぶつけてみた【相撲メシ】メシ通 2018-03-30 (リクルート、2018年4月12日閲覧)
  24. ^ 北の富士勝昭、嵐山光三郎『大放談!大相撲打ちあけ話』(新講舎、2016年)p193-194
  25. ^ ちゃんこ鍋 太りそうなイメージは大きな誤解と相撲通が力説 2015年1月20日 7時0分 NEWSポストセブン
  26. ^ 新型コロナ 3密 稽古場は密閉/ちゃんこで密集/土俵で密接 相撲部屋が対策全力 会員限定有料記事 毎日新聞2020年4月16日 東京朝刊(2020年4月24日閲覧)
  27. ^ 【大相撲】コロナ対策で「ぶつかり稽古」「ちゃんこ」禁止 東スポWeb 2020年4月14日 11時30分(2020年4月24日閲覧)
  28. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、pp.61-63
  29. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、p.61
  30. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、p.26
  31. ^ 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.30
  32. ^ 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.50
  33. ^ 山本保彦 著『ちゃんこ風土記』スポーツニッポン新聞社出版局、1976年、p.23
  34. ^ 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.46
  35. ^ 相撲部屋の「験担ぎ」 正月に鶏肉ちゃんこ鍋食べる理由は? NEWSポストセブン 2021.01.04 16:00 (女性セブン2021年1月7・14日号より、2021年1月5日閲覧)
  36. ^ a b 澤田一矢(2001) 123頁
  37. ^ 琴剣淳弥 著『琴剣の「ちゃんこ道場」』 ベースボール・マガジン社 2003年 、p.14
  38. ^ チャンコの意味は“父子”だった!? 力士も知らない「大相撲の謎」 - 日刊大衆(週刊大衆)2017年5月25日
  39. ^ 金指基(2002) 211頁
  40. ^ 半藤一利『大相撲こてんごてん』ベースボール・マガジン社、1991年、162頁。ISBN 4-583-02896-2
  41. ^ 金指基(2002) 191-192頁
  42. ^ a b c ベースボールマガジン社「週刊プロレス」2003年12月19日発売号 P78より。
  43. ^ ベースボールマガジン社「週刊プロレス」2003年12月19日発売号 P73、P77より。
  44. ^ ベースボールマガジン社「週刊プロレス」2004年12月22日号 P72より。


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