狡兎三窟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 01:58 UTC 版)
田文が宰相を罷免され領地の薛にいたときに、馮驩が「狡兎(すばしっこい兎)は逃げるための穴を3つ持っているが、君(田文)には逃げる穴が領地である薛1つしかないため、枕を高くして眠ることができない。君のために穴をもう2つ掘ってまいりましょう」と告げた。 馮驩はまず魏の恵王に謁見し、田文を魏の宰相にすれば富国強兵に繋がることを進言した。恵王はこの進言を容れ田文のために上席の地位を空け、田文に使者を送った。続いて、馮驩は湣王に謁見し、魏が田文を宰相にしようとしていること、田文に詫びて復職させる策を伝えた。魏の使者が頻繁に田文のもとに出入りしていることを知った湣王は、馮驩の思惑通り田文に宰相に復職するよう詫びの使者を送った。馮驩は湣王が信頼できないと考えており、田文に斉王の宗廟を薛に建立する許可を湣王に得るように進言し、湣王はこれを認めた。宗廟が完成すると馮驩は「ようやく逃げる穴が3つになりました。君は枕を高くして眠れます」と答えた。 「狡兎三窟(こうとさんくつ)」の故事はここから来ている。
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