コンポラ写真とは? わかりやすく解説

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コンポラ写真

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 03:04 UTC 版)

コンポラ写真(コンポラしゃしん)とは、日本において、1970年前後に強まった写真の一傾向。アンリ・カルティエ=ブレッソン木村伊兵衛によるスナップ写真へのアンチテーゼとして登場したと解釈されている[1]

経緯

1966年12月、アメリカのジョージ・イーストマンハウスで、「Contemporary Photographers, Toward A Social Landscape(コンテンポラリー・フォトグラファーズ 社会的風景に向かって)」という写真展が開催され、ブルース・デヴィトソン、リー・フリードランダーゲイリー・ウィノグランド、デュアン・マイケルスなどが取り上げられた。また、1967年ニューヨーク近代美術館で行われた「New Document」展でもフリードランダー、ウィノグランド、ダイアン・アーバスなどが取り上げられた。

一般には、彼らの影響を受けた写真が「コンポラ写真」と呼ばれている。特に山岸章二が編集長を務めた「カメラ毎日」はコンポラ写真の中心的な舞台となった。

一方、「コンテンポラリー・フォトグラファーズ」展のカタログが日本に輸入された1968年以前に、既に「コンポラ写真」的な表現は日本でも生まれていたとの指摘もある[2]

特徴

写真家の大辻清司は、雑誌「カメラ毎日」1968年6月号「シンポジウム 現代の写真」で近年の若い写真家に共通する傾向として、コンポラ写真について下記のように定義した。

  • カメラ本来の形である横位置が多い
  • 写真表現のテクニックの否定
  • 日常の何気ない被写体
  • 誇張や強調をしない
  • 標準、または広角レンズが多用される
  • 撮影者の心境を表した、被写体との距離感

この「シンポジウム 現代の写真」では石元泰博高梨豊、佐藤弘子、下津隆之、牛腸茂雄などの写真が掲載され、コンポラ写真を代表する作家として紹介された。

論争

アサヒカメラ」1969年4月号に掲載された「コンポラかリアリズムか 新しい写真表現の可能性をさぐる」と題された座談会では高梨豊、中平卓馬、新倉孝雄、嬉野京子がコンポラ写真擁護の論陣を張り、桑原史成らと論争を繰り広げた。

代表的な写真家

代表的な写真集

脚注

  1. ^ 飯沢耕太郎『写真的思考』河出書房新社、2009年124-125および132ページ
  2. ^ 飯沢耕太郎『写真的思考』河出書房新社、2009年、126ページ

関連項目





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