キューティクル【cuticle】
クチクラ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/23 09:56 UTC 版)
クチクラ(ラテン語: Cuticula)は、生物の表皮から外側に分泌される層状の構造物である。多くの生物において体表を保護するほか、人間を含む哺乳類の毛の表面にも存在する。キューティクル(Cuticle)および角皮ともいう[1]。
植物
植物におけるクチクラは、蝋またはそれに類似の成分によるものが多いが、油性または樹脂性のこともある[1]。植物体から過度に水分が発散されるのを防ぐ効果があり[1]、乾燥地や樹上の植物でよく発達する一方で[2]、水生植物やシダ植物においては一般的でない[3]。植物体の全体を覆うが、成熟した部分ほど厚い[1]。また、いわゆる照葉樹林というのは、それを構成する樹木の葉でクチクラ層が発達し、表面が照って見えることに由来する[4]。構造や形状がよく残り、化学的に安定なため、古植物学等における種の同定に利用される[3]。
節足動物
節足動物では、クチクラは外骨格を形成する。このうち昆虫類では、クチクラは外表皮と原表皮によって構成されている。外表皮は薄い蝋層やポリフェノール層、クチクリン層等からなり、表皮の耐水性や光沢を保つ極めて薄い部位である。一方で、構造の大部分を占める原表皮は、キチン分子とその隙間を埋めるスクレロチンによって形成される[1]。スクレロチンはキノン硬化されたタンパク質であり、強くて硬い外骨格を構成する[5]。エビやカニでは、この原表皮に更にカルシウムが含有され、より硬質な外骨格となる[1]。
その他の生物
多くの無脊椎動物の体表は、ガラス膜と呼ばれるクチクラに覆われている[5]。軟体動物や環形動物の体表では、硬い外骨格を形成するほか[3]、条虫類の体表や真線虫類の腸壁にも見られる[1]。一方で、脊椎動物の鱗や羽毛、毛等のほか[1]、卵殻の最も外側を覆う部分もクチクラである[6]。人体の毛髪においては、タンパク質が鱗のように重なったクチクラ層がみられる[7]。原生生物の表面を覆うクチクラは、特にペリクラと呼ばれる[1]。
関連項目
- 毛
- 頭髪
- クチン
- エピクチクラワックス(クチクラ外ワックス、蝋皮) - 植物の表面に分泌されるワックスの層。この油脂膜は水分の蒸発や外部刺激から保護する保護層として機能する。
外部リンク
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 岩槻邦男、笹川満広. “クチクラ”. コトバンク. 改訂新版 世界大百科事典. 2026年8月23日閲覧。
- ↑ “クチクラ”. コトバンク. 百科事典マイペディア. 2026年8月23日閲覧。
- 1 2 3 大久保敦. “クチクラ”. コトバンク. 最新 地学事典. 2026年8月23日閲覧。
- ↑ “照葉樹林”. コトバンク. 日本国語大辞典. 2026年8月23日閲覧。
- 1 2 竹内重夫. “クチクラ”. コトバンク. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2026年8月23日閲覧。
- ↑ “クチクラ”. コトバンク. 栄養・生化学辞典. 2026年8月23日閲覧。
- ↑ “クチクラ”. コトバンク. ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典. 2026年8月23日閲覧。
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