頂点推移グラフ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/17 07:07 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動数学のグラフ理論の分野における頂点推移グラフ(ちょうてんすいいグラフ、英: vertex-transitive graph)とは、与えられた任意の二頂点 v1 および v2 に対して
対称グラフ(例えば、ピーターセングラフ、ヒーウッドグラフ、正多面体の頂点と辺から成るグラフなど)であれば、有限の頂点推移グラフである。有限のケイリーグラフ(例えば、キューブ連結サイクルなど)もまた、頂点推移的である。なぜならば、それは半正多面体の頂点と辺から成るため(それらのうち対称であるものは二つしかないが)である。Potočnik、Spiga および Verret は、最大 1280 個の頂点を含む全ての連結立体頂点推移グラフの調査を行った[2]。
性質
頂点推移グラフの辺連結度は、その次数 d に等しい。一方、その頂点連結度は少なくとも 2(d+1)/3 である[3]。そのグラフの次数が 4 以下であるか、グラフが辺推移的であるか、あるいは最小のケイリーグラフであるなら、その頂点連結度も次数 d と等しくなる[4]。
無限の例
無限な頂点推移グラフは次を含む:
二つの可算な頂点推移グラフが準等距離同型(quasi-isometric)であるとは、それらの距離函数の比が上下ともに有界であることを言う。有名な予想に、全ての無限な頂点推移グラフはケイリーグラフと準等距離同型である、というものがあったが、その反例はディエステルとリーダーによって提唱され[5]、近年、エスキン、フィッシャーおよびホワイトによってその確証が得られた[6]。
関連項目
参考文献
- ^ Godsil, Chris; Royle, Gordon (2001), Algebraic Graph Theory, Graduate Texts in Mathematics, 207, New York: Springer-Verlag.
- ^ Potočnik P., Spiga P. and Verret G. (2012), Cubic vertex-transitive graphs on up to 1280 vertices, Journal of Symbolic Computation.
- ^ Godsil, C. and Royle, G. (2001), Algebraic Graph Theory, Springer Verlag
- ^ Babai, L. (1996), Technical Report TR-94-10, University of Chicago[1]
- ^ Diestel, Reinhard; Leader, Imre (2001), “A conjecture concerning a limit of non-Cayley graphs”, Journal of Algebraic Combinatorics 14 (1): 17–25, doi:10.1023/A:1011257718029.
- ^ Eskin, Alex; Fisher, David; Whyte, Kevin (2005年). “Quasi-isometries and rigidity of solvable groups”. arXiv:math.GR/0511647..
外部リンク
- A census of small connected cubic vertex-transitive graphs . Primož Potočnik, Pablo Spiga, Gabriel Verret, 2012.