Net Positive Suction Headとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Net Positive Suction Headの意味・解説 

有効吸込みヘッド

(Net Positive Suction Head から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/09/19 02:59 UTC 版)

有効吸込みヘッド(ゆうこうすいこみへっど、英語: Net Positive Suction Head、NPSH)とは、水や油圧など液体配管の任意の断面において、配管中の液体の圧力と、その温度での液体の蒸気圧の差を示す物理量である。液体の圧力が蒸気圧を下回れば液体は沸騰し、最終的にはキャビテーションの発生につながる。この蒸気泡は配管系統に損傷を生じ、同時に、液体の流れを阻害する。そのためNPSHは、回路を設計する際に考慮すべき重要なパラメータである。

遠心ポンプは、加熱された溶液を蒸気圧の近くまで圧送する場合は特に脆弱である。一方、容積式ポンプはキャビテーションの影響をあまり受けず、問題なく二相流(気体と液体の混合物)を送り出すことができる。しかし、結果として得られるポンプの流量は減少する。なぜなら発生ガスは、容量分析の液体の不均衡を変位させる。沸点に近い高温の液体を遠心ポンプを用いて圧送するためには、注意深い設計が必要とされる。

キャビテーション気泡は激しく崩壊して衝撃波を生じさせ、ポンプ内部部品(通常はインペラの先端)から材料を文字通り彫り、また「砂利を圧送するような」と形容されるノイズを発生させる。また、振動の増加も避けられず、ポンプおよび関連機器の他の機械的な故障を引き起こす可能性がある。

NPSHには次の2種類の定義がある:

有効NPSH (available NPSH、NPSHA )
配管によって決まる、キャビテーションに対する余裕を表す。
必要NPSH、所要NPSH (required NPSH、NPSHR )
ポンプの性能として決まる、キャビテーションを起こさないために必要な揚程を示したもの。

キャビテーションを起こさないためには、NPSHA > NPSHR であることが必要である。

定義

有効NPSHは次式で定義される:

ここで

  • p0 :水面での圧力(大気圧)
  • pv :液体の温度 T1 における蒸気圧(飽和圧力)
  • ρ :流体の密度(定数)
  • g :重力加速度
  • Δz :水面と位置1の高低差
  • hL :損失水頭

NPSHをポンプの設計流量における全揚程H で無次元化したものをトーマのキャビテーション数σT という:

参考文献

  • 加藤洋治 (1990). キャビテーション. 槇書店. p. 208. ISBN 4-8375-0590-2. 

「Net Positive Suction Head」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Net Positive Suction Head」の関連用語

Net Positive Suction Headのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Net Positive Suction Headのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの有効吸込みヘッド (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS