モンテカルロ積分とは? わかりやすく解説

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モンテカルロ積分

(Monte Carlo integration から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 13:06 UTC 版)

モンテカルロ積分の図解。内側の円が積分領域 D、正方形が全体領域 E。正方形の面積(4)に対し、円の中に入った点の割合(0.8)を掛けることで円の面積 π を近似的に求めている。

モンテカルロ積分(モンテカルロせきぶん、Monte Carlo integration)は、擬似乱数を用いた数値積分の手法である。これはモンテカルロ法の一種であり、定積分を数値的に計算する方法である。従来の手法では関数を規則的な格子点で評価するのに対し、モンテカルロ法では評価点をランダムに選ぶ[1]。 特に高次元の積分に対して有効である[2]

評価点を選ぶ代表的な手法としては、一様サンプリング層化抽出法重点サンプリング法粒子フィルタ平均場粒子法英語版などがある。

概要

通常の数値積分手法(例:台形則)は決定的アルゴリズムだが、モンテカルロ積分は確率的手法であり、各試行によって異なる結果が得られる。最終的な結果は推定値であり、誤差範囲が付随する。

多重積分

相対誤差とサンプル数の関係。誤差が ラスベガス法」とは異なります。

VEGASアルゴリズムは、関数 f のヒストグラムを作成し、それに基づいてサンプリング分布を改善することで、目的の分布に近づくよう設計された反復的な重要度サンプリング手法である[8]

VEGAS法は以下のように動作する:

まず、積分領域上で複数回パスを行い、被積分関数のヒストグラムを構築する。各パスによって得られたヒストグラムは、次のパスで使用するサンプリング分布を定義する。この操作を繰り返すことで、サンプリング分布が最適化されていく。

VEGASでは、ヒストグラムビン数が次元数 d に対して指数関数的(Kd)に増加するのを避けるために、確率分布を分離可能な関数として近似する:この近似により、必要なビンの数は Kd に抑えられる。この近似は、関数のピークを各座標軸方向に投影して得るという意味を持つ。

VEGAS法の効率は、この近似の妥当性に依存する。特に、被積分関数のピークが空間的に集中している場合には効率が高くなる。逆に、関数がこの形に書き換えられない(すなわち、軸方向に明確なピークが存在しない)場合には効率が低下する。

VEGAS法は、層化抽出と重点サンプリングの両方の特徴を組み合わせている[8]

関連項目

脚注

参考文献

 

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