HIP 85605
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2015/11/13 13:25 UTC 版)
| HIP 85605 | |
|---|---|
| 星座 | ヘルクレス座 |
| 視等級 (V) | 11.03[1] |
| 分類 | K型主系列星又は赤色矮星?[2] |
| 位置 元期:J2000.0 |
|
| 赤経 (RA, α) | 17h 29m 36.25s[1] |
| 赤緯 (Dec, δ) | +24° 39′ 14.12″ |
| 視線速度 (Rv) | −21 Km/s[1] |
| 距離 | 22.2光年? 200光年?[3] |
| 絶対等級 (MV) | 11.8?[2][lower-alpha 1] |
| 物理的性質 | |
| スペクトル分類 | K4V M型? |
| 光度 | 0.001 L☉?[lower-alpha 1] |
| 表面温度 | 4700 K?[3] |
| 色指数 (B-V) | 1.1[1][2] |
| 別名称 | |
| 別名称 |
2MASS J17293627+2439111, TYC 2079-1800-1[1]
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HIP 85605は、ヘルクレス座にある視等級11.03の恒星である[1]。M型赤色矮星またはK型主系列星で、太陽からは18-28光年離れている[2][3]。かつてはより明るいHIP 81607の伴星であると考えられていたが[lower-alpha 2]、現在は見かけの二重星だと信じられている。
1997年のヒッパルコスによる視差は202masであり、太陽系からの距離は16.1光年であった[1]。2007年、ファン・リューエンはこの値を147mas、22.2光年と改訂した[1]。視差147masだと、HIP 81605は、太陽から近い恒星の100番以内に入らない。2014年、HIP 81605は24万年から47万年以内に太陽から0.13-0.65光年の距離に近づくと推定された[2]。もしこの恒星が本当に太陽の近くを通過するのであれば、その重力の影響によってオールトの雲内の彗星の軌道を乱し、そのいくつかが太陽系の内側に入ってくる可能性がある[4]。しかしこの恒星までの距離は確定しておらず、もっと明るいものがもっと遠くにある可能性もあり、ヘルツシュプルング・ラッセル図からはこの可能性の方がありそうである[3]。
ただし、HIP 85605の視差のデータに大幅な誤差があり、仮に現在、太陽から200光年の位置にHIP 85605があるとすると、280万年後に単に太陽から30光年の距離を通過するだけになる[5]。
関連項目
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h “HIP 85605”. Strasbourg astronomical Data Center. 2015年1月3日閲覧。
- ^ a b c d e Coryn A.L. Bailer-Jones (Dec 11, 2014). "Close encounters of the stellar kind". Solar and Stellar Astrophysics. arXiv:1412.3648. Retrieved Jan 3, 2015.
- ^ a b c d “Reason to Doubt the Hipparcos Distance and the Close Flyby Scenario for the "Rogue Star" HIP 85605” (2015年1月3日). doi:10.6084/m9.figshare.1284334. 2015年1月4日閲覧。
- ^ Coryn Bailer-Jones (2015年1月1日). “The closest encounter is Hip 85605. How reliable is this?”. 2015年1月5日閲覧。
- ^ Mamajek, Eric E.; Barenfeld, Scott A.; Ivanov, Valentin D. (2015). "The Closest Known Flyby of a Star to the Solar System". The Astrophysical Journal 800 (1). arXiv:1502.04655. doi:10.1088/2041-8205/800/1/L17.
外部リンク
- Frequently asked questions to Close encounters of the stellar kind by C.A.L. Bailer-Jones
- HIP 85605のページへのリンク
