ブレインロット
(Brain rot から転送)
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ブレインロット(英:Brain rotもしくはBrainrot、「脳腐れ」や「脳の腐敗」を意味する)とは、価値の低いと思われるインターネットコンテンツ、またはそれによって引き起こされる精神的・認識的な影響のことである[1][2][3][4]。あるいは、認識機能を害するようなデジタルメディアの使い過ぎ(特に短時間の快楽)を意味することもある[5][医学的根拠が必要]。もともとこの単語はα世代やZ世代の人々のオンラインカルチャーを指して使われていたが、現在ではより広く用いられている[5]。
「ブレインロット」という言葉は2024年に他の単語を抜かして、オックスフォード大学出版局によってオックスフォード・ワード・オブ・ザ・イヤー (英語版) に選定された[1][2][3][5][6]。同大学出版局では、「凡庸で取るに足らないオンラインコンテンツの過剰な視聴による精神的、知的水準の低下した状態」と定義されている[5]。
起源と用例
オックスフォード大学出版局によれば、この語の初出は1854年のヘンリー・デイヴィッド・ソローによる書籍『ウォールデン 森の生活』までさかのぼる[6]。彼は複雑な考えやアイデアが以前よりあまり高い評価を受けなくなったことを、1840年代のヨーロッパで起きたジャガイモの不作による飢饉を指す語である「potato rot」になぞらえて知的水準の低下であると批判した。
ネット用語としては、2004年前半から使用された。2007年には、Twitterユーザーが恋愛バラエティ番組、ゲーム、ネット上での交流などを表現するときに使用した[7]。2023年に急速に有名になりネットミームとなる前から[7]、2010年代にはネット用語としての使用が増加していた。2024年には、α世代のネット習慣について「オンラインカルチャーに熱中し過ぎである」と批判する文脈で最も使われた単語である[8]。具体的には、いわゆるコピペやスラングといったネット上の情報のみに依存した個人の語彙力の低下を指す[9]。オックスフォード大学出版局によれば、2023年から2024年にかけて、100万語あたりの使用頻度が2.3倍に増加した。
2024年には、Y世代のオーストラリアの上院議員のファティマ・ペイマンが議会でα世代のスラングを使って演説を行った。「社会のよく忘れられる世代に呼びかける」と始め、Z世代とα世代に向け、「残りのスピーチをより親しまれる言葉で行う」と発言した。ネットスラングを用いつつ、当時審議中だった14歳以下のソーシャルメディアの使用を禁止するオンライン安全法改正案を批判し、「もしかするとまだ投票できない人もいるかもしれないけど、行動を起こせば、オーストラリアをもっと活気あるものにできると思っている。最高!!」と締めくくった[10][11]。しかし、彼女の21歳の事務所スタッフによって書かれたこのスピーチは「ブレインロット」の典型例というレッテルを貼られた[10]。
翌2025年1月には、カトリック教会のトップであるローマ教皇フランシスコがこの語を使用し、SNSの使用機会を減らすことで、「脳の腐敗」を防ぐよう呼びかけた[12][13]。
出典
脚注
- ^ a b アミール・ダフタリ / 翻訳:ガリレオ (2024年12月3日). “オックスフォード大学「今年の流行語」は「brain rot(脳腐れ)」、その意味は?”. ニューズウィーク日本版 (NEWSWEEK DIGITAL LLC / 株式会社CCCメディアハウス) 2021年6月21日閲覧。
- ^ a b 篠田航一 (2024年12月30日). “「脳の腐敗」が2024年の言葉に SNS視聴で頭ぼんやりが原因? 英国”. 毎日新聞 (ロンドン: 株式会社毎日新聞社) 2025年4月23日閲覧。
- ^ a b “Why teenagers are deliberately seeking brain rot on TikTok | Psyche Ideas” (英語). Psyche. 2024年11月13日閲覧。
- ^ 高橋真紀 (2024年12月31日). “オックスフォード辞典が選んだ2024年の言葉は「脳腐れ(直訳)」”. GIZMODO / ギズモード・ジャパン (株式会社メディアジーン) 2025年4月23日閲覧。
- ^ a b c d Yasmin Rufo (2024年12月2日). “Losing your mind looking at memes? The dictionary has a word for that”. BBC. 2024年12月2日閲覧。
- ^ a b “‘Brain rot’ named Oxford Word of the Year 2024”. Oxford University Press (2024年12月2日). 2024年12月2日閲覧。
- ^ a b Prema (2024年2月8日). “What is 'brain rot'? Do you have it?” (英語). SBS News. 2024年8月26日閲覧。
- ^ North (2024年9月5日). “iPad kids speak up” (英語). Vox. 2024年9月16日閲覧。
- ^ Roy (2024年6月13日). “If You Know What 'Brainrot' Means, You Might Already Have It”. The New York Times. 2024年8月26日閲覧。
- ^ a b Weedston (2024年9月13日). “Fatima Payman Gen Z Slang Speech Declared 'Brainrot'” (英語). The Daily Dot. 2024年9月16日閲覧。
- ^ Guardian Australia (2024年9月11日). “'Skibidi': Payman opposes social age limit in speech to gen Z and gen Alpha”. YouTube. Google LLC / グーグル合同会社. 2024年11月13日閲覧。
- ^ Craig, Sean (2025年1月27日). “Pope Francis Says Too Much Online Scrolling Causes 'Brain Rot'” (英語). The Daily Beast. 2025年1月30日閲覧。
- ^ “Il Papa: La dipendenza dai social media provoca 'putrefazione cerebrale'” (イタリア語). Agenzia ANSA (2025年1月25日). 2025年1月30日閲覧。
参考文献
- “Parents and Gen Alpha kids are having unintelligible convos because of 'brainrot' language"”. NBC News. (2024年8月10日) 2024年9月16日閲覧。
- “Everything you need to know about the 'Quandale Dingle' meme"”. The Daily Dot. (2024年4月29日) 2024年12月6日閲覧。
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