Apatiteとは? わかりやすく解説

アパタイト【apatite】

読み方:あぱたいと

燐灰石


燐灰石(Apatite)

燐灰石 燐灰石
Yates Mine,Otter Lake,Quebec,Canada
Ca5(PO4)3F 画像の幅約2.7cm、5.5cm

褐色をした六角柱状の結晶弗素燐灰石(Fluorapatite)です。
オレンジ色方解石中に立派な結晶入ってます。
燐灰石には炭酸弗素燐灰石(Carbonate-fluorapatite)、塩素燐灰石(Chlorapatite)、
弗素燐灰石(Fluorapatite)、水酸燐灰石(Hydroxylapatite)などがあります

燐灰石(Apatite)

燐灰石
Dashkesan,Azerbajan
Ca5(Cl,F)(PO4)3 画像の幅約4cm

黄色の燐灰石、水晶磁鉄鉱組み合わせ美し標本です。

燐灰石

(Apatite から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 07:49 UTC 版)

燐灰石(りんかいせき、apatiteアパタイト)は、リン酸塩鉱物の鉱物グループに対する一般的な名称。化学組成の違いによって多彩な色をもちいくつかの種類があり、単に燐灰石といった場合はフッ素燐灰石をさすことが多い[1]

成分・種類

産出地

天然では、火成岩堆積岩変成岩の各岩石の副成分をなしており、非常に広く産出される鉱物であるが、経済的に重要なものはリン鉱石の主成分をなすもので、phosphate rock(りん鉱[2])とよばれる。

産地としては、ミャンマースリランカブラジルマダガスカルなどが有名である。スペイン産の帯黄緑色のものは希少であり、アスパラガス・ストーン(Asparagas stone)と呼ばれる。緑色のものはモロキサイト英語版 とも呼ばれる。

性質・特徴

化学組成は Ca5(PO4)3(F,Cl,OH)1結晶系六方晶系比重 3.1 - 3.2。屈折率 1.632 - 1.646。モース硬度5の基準となる標準物質である[3]

結晶は六角柱状、六角板状で産出される。透明~半透明のガラス光沢~亜樹脂光沢で、緑色または褐色が多いが、無色、濃青色紫色白色灰色など様々な色のものが存在する。フッ素燐灰石の場合、本来は無色か白色であるが、リンカルシウムの一部が別の元素と置き換わることにより、多彩な色に変化する。

用途・加工法

透明で大きく色の美しいものは宝石となるが、そのようなものはめったに採ることができないため、小さなものが様々なアクセサリー用に加工されている。天然に数多く産出されるため一般に値段は安いが、硬度が小さいため、宝飾品としてはあまり適さない。ただ、美しい輝きをしているため、鉱物標本としては人気が高い。

燐灰石の用途として重要なのは、化学肥料リン酸塩)の原料である。また、産業用の化学製品の原料にもされる。

水酸燐灰石は歯や骨の主成分であり[4]歯科医療でのデンタルインプラントの原料、歯磨剤の原料、人工骨の原料としても使用されている。

語源

英語apatite は、ごまかし、策略を意味するギリシア語apate に由来している。これは、アクアマリンクリソタイル英語版紫水晶蛍石電気石など他の鉱物と見間違えやすかったためと言われる[5]

脚注

  1. ^ 松原聰監修、2009、『鉱物の不思議がわかる本』、成美堂出版 ISBN 978-4-415-03570-3 pp. p.135
  2. ^ 文部省 編『学術用語集 原子力工学編』日本原子力学会、1978年。ISBN 4-339-06573-0、ISBN-13:978-4-339-06573-2、 NCID BN00571594全国書誌番号: 78005358 
  3. ^ 青木正博、2011、『鉱物・岩石入門』、誠文堂新光社  ISBN 978-4-416-21138-0 p. p.48
  4. ^ 堀秀道、1997、『楽しい鉱物図鑑(2)』、草思社  ISBN 978-4-7942-0753-1 pp. pp.115-116
  5. ^ A.G.Werner, 1786

参考文献

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Apatite」の関連用語

Apatiteのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Apatiteのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
Kato's CollectionsKato's Collections
Copyright(C) 1996-2025 Shinichi KATO All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの燐灰石 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS