太陽の比喩とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 太陽の比喩の意味・解説 

太陽の比喩

(Analogy of the sun から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 01:06 UTC 版)

太陽の比喩(たいようのひゆ、: analogy of the sun)とは、プラトンが『国家』第6巻の中で、「善のイデア」を説明するのに用いたメタファー比喩)/アナロジー(類比)の1つ[1]

内容

が何であるか」を問われたソクラテスが、知らないので説明できないと説明を拒否しようとしたところ、グラウコンにせがまれ、しかたなく「善そのもの」ではなくそれに最も似ているように見える「善の子供」についての説明を始める。

まず同意事項として、ソクラテスは「美」や「善」といったものが、感覚される対象となる「多くの美しいもの」「多くの善いもの」と、思惟される対象となる「美そのもの」「善そのもの」といった単一の相に応じた実相(イデア)の2つに区別されること、また感覚機能の中で視覚だけが「光」という媒介を必要とする特別なものであることを確認する。

こうして次に太陽の比喩の話に入っていく。

天空の神々の内で「光」の原因となっているのは「太陽」である。ソクラテスはこの「太陽」こそが先程「善の子供」と呼んだものであり、「善」が「知るもの」(機能)と「知られるもの」(対象)に対して持つ関係は、「太陽」が「見るもの」(機能)と「見られるもの」(対象)に対して持つ関係と同じだと述べる。

目は「太陽の光」に「事物」(対象)が照らされそれがはっきり見えることで、その内に「視覚」(機能)が宿っていることが明らかになる。魂もまた「善の真・有」が照らしている「真理」(対象)に向けられることで、その内に「知性」(機能)が宿っていることが明らかになる。

この対象には「真理性」を、行為主体には「認識機能・知識」を同時に提供するものが、「善の実相」(善のイデア)であり、それは「真理」と「認識・知識」の原因(根拠)であると同時に、これらよりもさらに美しいものであると、ソクラテスは述べる。

グラウコンにさらなる説明を求められたソクラテスは、続いて線分の比喩の説明を始める。

脚注

  1. ^ 『国家』第6巻 508A-509B

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「太陽の比喩」の関連用語

太陽の比喩のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



太陽の比喩のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの太陽の比喩 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS