ARDミュンヘン国際音楽コンクールとは? わかりやすく解説

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ARDミュンヘン国際音楽コンクール

(ARD国際音楽コンクール から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 09:03 UTC 版)

ARDミュンヘン国際音楽コンクール(アーエルデー[注釈 1] ミュンヘンこくさいおんがくコンクール、ドイツ語: Internationaler Musikwettbewerb der ARD)は、ドイツ公共放送連盟(ARD)主催で毎年ミュンヘンで行われている国際音楽コンクール[注釈 2]

概要

ARDミュンヘン国際音楽コンクールは1952年に第1回が開催され、2024年で73回目を迎えた[2]。世界の権威ある国際コンクールの中でも、歴史と伝統のある難関なコンクールとして知られている。

第1回目はピアノ部門のみで開催されたが、1953年の第2回目以降はピアノ、ピアノ・デュオ、ヴァイオリン・ピアノ・デュオ、ヴァイオリン木管楽器金管楽器打楽器声楽等から、4~7部門を設定して行われている。

同コンクールの管楽器と打楽器部門はジュネーヴ国際音楽コンクールと並んで最高の権威を持っており、入賞者からはハインツ・ホリガーペーター=ルーカス・グラーフカール・ライスタークラウス・トゥーネマンヘルマン・バウマンモーリス・アンドレブラニミール・スローカーラデク・バボラークペーター・ザドロ吉原すみれなど、世界的な演奏家を輩出している。

過去の優勝者などについては、公式ウェブサイトに掲載されている[3][注釈 3]

日本人の歴代第1位優勝者

ヴァイオリン部門歴代入賞者

2005年には日本人が1位と2位を占めて話題となったヴァイオリン部門は、1953年から2021年まで延べ21回開催され、1958年から入賞順位がつけられるようになった。1958年以降の開催数は19回になるが、その歴代入賞者の中で、1位受賞者は日本人3名、ポーランド人2名、韓国人1名のわずかに6名であり、殆どの年が1位なしの2位、3位である。かつてのヴァイオリン部門は、なかなか1位が出ない特に難関な部門であったが、コンクールそのものの方針転換により審査の厳格性は大幅に緩くなった。

  • 1953年
  • 1956年
    • 順位なし テッサ・ロビンス(Tessa Robbins) (イギリス)
  • 1958年
    • 第1位 なし
    • 第2位 オスカー・ヤッコ英語版(フィリピン)
  • 1961年
  • 1966年
    • 第1位 コンスタンティ・クルカ (ポーランド)
    • 第2位 イザベラ・ペトロシアン(Изабелла Петросян) (ソ連)
    • 第3位 ユーリー・マズルケヴィッチ(Jurij Mazurkevic) (ソ連)
  • 1969年
    • 第1位 なし
    • 第2位 クリスチャーノ・ロッシ(Cristiano Rossi) (イタリア)
    • 第2位 柳田昌子(日本)
    • 第3位 エミー・ヴェルヘイ (オランダ)
  • 1972年
    • 第1位 なし
    • 第2位 ニラ・ピエロスウェーデン語版 (スウェーデン)
    • 第3位 エルンスト・コヴァチッチドイツ語版 (オーストリア)
  • 1975年
  • 1978年
    • 第1位 なし
    • 第2位 キム・ヘギョン(Hae-Kyoung Kim) (韓国)
    • 第3位 オリヴィエ・シャルリエ(フランス)
    • 第3位 イリーナ・ツェイトリン(Irina Tseitlin) (無国籍)
  • 1981年
    • 第1位 なし
    • 第2位 グウェン・ホービグドイツ語版 (カナダ)
    • 第3位 フローリアン・ゾンライトナー(Florian Sonnleitner) (西ドイツ)
  • 1984年
  • 1988年
  • 1992年
    • 第1位 なし
    • 第2位 エツェツ・オフェルwikidata(Erez Ofer) (イスラエル)
    • 第3位 パーヴェル・シュポルスルロシア語版 (ロシア)
    • 第3位 スコット・セント・ジョン英語版 (カナダ)
  • 1995年
    • 第1位 ピョートル・プラヴネルポーランド語版 (ポーランド)
    • 第2位 ベティナ・グラディンガー(Bettina Gradinger) (オーストリア)
  • 1999年
    • 第1位 なし
    • 第2位 ファン・ビンwikidata(Bin Huang) (中国)
    • 第3位 アンドレイ・ヴィエロフ(Andrey Bielov) (ウクライナ)
    • 第3位 フランチェスコ・マナライタリア語版 (イタリア)
  • 2001年
    • 第1位 なし
    • 第2位 アネッテ・フォン・ヘーン(Annette von Hehn) (ドイツ)
    • 第3位 ヤメイ・ユドイツ語版 (ドイツ)
    • 第3位 カン・ミンジュン(Min-Jung KANG) (韓国)
  • 2005年
    • 第1位 岡崎慶輔(日本)
    • 第2位 山田晃子(日本)
    • 第3位 カティア・ラーママン(Katja Lämmermann) (ドイツ)
  • 2009年
    • 第1位 パク・ヘヨン(Hye-yoon PARK) (韓国)
    • 第2位 白井圭wikidata (日本)【聴衆賞】
    • 第3位 リリー・フランシスwikidata(Lily Francis) (アメリカ)
    • 特別賞 セルゲイ・ドガディン英語版(ロシア)
  • 2013年
    • 第1位 なし
    • 第2位 キム・ボムソリ英語版(韓国)、クリステル・リー英語版(アメリカ)
  • 2017年
    • 第1位 なし
    • 第2位 サラ・クリスティアンwikidata(Sarah Christian) (ドイツ)、アンドレア・オビソ(Andrea Obiso)(イタリア)
    • 第3位 クリスティーン・バラナス英語版(ラトビア)
  • 2021年
    • 第1位 岡本誠司(日本)
    • 第2位 ドミトリー・スミルノフ(Dmitry Smirnov)(ロシア)
    • 第3位 アレクサンドラ・ティルシュ(Alexandra Tirsu)(モルドバ/ルーマニア)【聴衆賞】

脚注

注釈

  1. ^ ドイツ語読みした場合のカタカナ表記[1]
  2. ^ 日本で「ミュンヘン・ドイツ放送コンクール」「ミュンヘン国際コンクール」等と呼ばれることがあるが、他にもミュンヘン・コンクールとしか訳仕様の無い催し物[何が?]があり混同しないよう注意が必要。
  3. ^ ヴァイオリン部門を検索する場合、「弦楽器」中の「ヴァイオリン」を押下したリンク先の頁にあるPDFファイルをダウンロードすることが必要。
  4. ^ 優勝者の葵トリオは、秋元孝介(ピアノ)・小川響子wikidata(ヴァイオリン)・伊東裕(チェロ)の3人組のグループ。3人の頭文字を取って Aoi Trio と名付けられた。

出典

  1. ^ ARD」『デジタル大辞泉』小学館https://kotobank.jp/word/ARD-666235コトバンクより2025年3月10日閲覧 ARD(ドイツ語)の日本語訳、読み方は”. コトバンク. 『プログレッシブ 独和辞典』小学館. 2025年3月10日閲覧。
  2. ^ 73. Internationaler Musikwettbewerb der ARD 2024” (ドイツ語). ARD Mediathek. 2025年3月2日閲覧。
  3. ^ All Laureats(受賞者)” (英語). ARD International Music Competition Munich. 2025年3月2日閲覧。

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