Adeos
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/11 21:28 UTC 版)
Adeos(Adaptive Domain Environment for Operating Systems)は、ナノカーネル型の Hardware Abstract Layer (HAL) であり、ハードウェアとオペレーティングシステム (OS) の中間で動作する。他のナノカーネルと違う点は、OSのカーネルの一部として動作するわけではない点である。実際、複数のカーネルを上位で同時に動作させることができ、一種の仮想化技術になっている。
Adeos は複数のOSや単一OSの複数インスタンスの間でハードウェアリソースを共有する柔軟な環境を提供し、同一ハードウェア上に複数の優先順位付けされたドメインを同時に存在させることができる。
Adeos を Linuxカーネル の下に挿入することで、SMPクラスタリング、パッチを使わないカーネルのデバッグ、Linux によるリアルタイムシステムといった可能性が開けてくる。
他の HAL とは異なり、Adeos は Linux のローダブル・カーネル・モジュールとしてロードでき、それを使って他のOSを動作させることができる。Adeos は RTAI (Real-Time Application Interface) の一環として、リアルタイムカーネルからHALを分離しモジュール化するために開発された。
アーキテクチャ
Adeos はシグナルのキューを実装している。周辺機器がシグナルを送信すると、Adeos は動作中のOSの1つにシグナルを転送し、各OSがそのシグナルを処理するか、無視するか、捨てるか、終了させるかを決定する。処理または終了されなかったシグナルは、次のOSに転送される。
関連項目
外部リンク
みどり (人工衛星)
(ADEOS から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/04 07:25 UTC 版)
|
|
| 地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり(ADEOS)」 | |
|---|---|
| |
|
| 所属 | NASDA(現JAXA) |
| 主製造業者 | 三菱電機 |
| 公式ページ | 地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり(ADEOS)」 |
| 国際標識番号 | 1996-046A |
| カタログ番号 | 24277 |
| 状態 | 運用終了 |
| 目的 | 地球観測 |
| 設計寿命 | 3年 |
| 打上げ場所 | 種子島宇宙センター |
| 打上げ機 | H-IIロケット4号機 |
| 打上げ日時 | 1996年8月17日 10時53分(JST) |
| 通信途絶日 | 1997年6月30日[1] |
| 運用終了日 | 1997年6月30日[1] |
| 先代 | TRMM |
| 後継機 | みどりII |
| 物理的特長 | |
| 本体寸法 | 4×4×5m[2] 太陽電池パドル:約3×26m[2] |
| 質量 | 3,560kg[3] |
| 発生電力 | 4500 W[3] |
| 姿勢制御方式 | 三軸姿勢制御方式(ゼロモーメンタム) |
| 軌道要素 | |
| 軌道 | 太陽同期準回帰軌道[1] |
| 高度 (h) | 796.75 km[1] |
| 軌道傾斜角 (i) | 98.5925 度[1] |
| 軌道周期 (P) | 100.8分[1] |
| 回帰日数 | 41日[1] |
| 降交点通過 地方時 |
午前10時30分±15分[2] |
| 観測機器 | |
| OCTS | 海色海温走査放射計 |
| AVNIR | 高性能可視近赤外放射計 |
| ILAS | 改良型大気周縁赤外分光計 |
| IMG | 温室効果気体センサ |
| RIS | 地上・衛星間レーザ長光路吸収測定用リトロリフレクタ |
| NSCAT | 海上風測定マイクロ波散乱計 |
| TOMS | オゾン全量分光計 |
| POLDER | 地表反射光観測装置 |
みどり(ADEOS、Advanced Earth Observing Satellite)は、日本の地球観測プラットフォーム技術衛星。宇宙開発事業団(NASDA)が開発し、NASA、CNES(フランス国立宇宙研究センター)、通商産業省、環境庁のセンサを搭載した国際共同プロジェクト。
1996年(平成8年)8月17日10時53分に、ふじ3号とともに種子島宇宙センターよりH-IIロケット4号機で打ち上げられた。衛星開発費529億円(外部ユーザ機器を除く)。総開発費809億円[4]。
概要
みどりは地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、異常気象の発生等の環境変化に対応した観測データを取得するとともに、次世代観測システムに必要なデータ収集や軌道間データ中継技術等の開発を行うことを目的とした衛星である。
多くの新規技術が取り入れられており、運用による成果が期待されたが、打ち上げ後約6ヶ月で太陽電池パドルの破断により機能を停止。運用が断念された。
運用史
- 1996年(平成8年)
- 8月17日、打上げ。
- 11月26日、定常段階に移行。
- 1997年(平成9年)6月30日 9:46、みどりとの通信が地球観測センターで受信されず[5]。
機能停止
- 6月30日
- 9時46分頃に「みどり」が日本上空を通過した際、地球観測センターに観測データが受信されなかった[6][7]。衛星の状態を確認すると、衛星になんらかの異常が発生し、軽負荷モード[注釈 1]に移行していることが判明した[6][7]。
- 11時30分頃および13時15分頃の2回にわたって沖縄宇宙通信所で衛星の状態を確認した際には、9時46分以前に一度姿勢を喪失し、地球捕捉モードに移っていることが確認された[7]。また、太陽電池からの供給電流がゼロ状態を示しており、衛星はバッテリーのみで運用されていることを示すテレメトリデータが取得された[6][7]。
- 12時にはNASDA内に緊急対策チームが設置された[7]。
- スウェーデンのキルナ局で16時21分および16時46分に、南アフリカのハービーショーク局で18時1分と18時26分の計4回にわたって衛星の状態の確認、および衛星の負荷を軽くする等の緊急コマンドを送信する作業を行った[6][8]。しかし、16時20分以降に衛星からのテレメトリデータを受信することは無かった[6][8]。
- キルナ局にて20時41分と21時20分に、増田宇宙通信所、勝浦宇宙通信所および沖縄宇宙通信所にて21時2分および22時39分に緊急コマンドの送信及びテレメトリデータの受信を試みた[9]。しかしこれまでと同様に衛星からの応答は無かったため、運用の断念を決定した[6][9]。以降は緊急コマンドの送信を実施しない方針を決定した[9]。
- 7月1日
原因究明の経過
|
この節の加筆が望まれています。
|
観測装置
|
この節の加筆が望まれています。
|
OCTS
海色海温走査放射計(英: Ocean Color and Temperature Scanner)とは、海洋の水色及び水温を高頻度、高感度で観測しクロロフィル濃度や浮遊物など把握を行うことを目的とした光学センサである[12]。NIMBUS-7に搭載されたCZCSの観測ミッションを引き継いだ[12]。OCTSは可視近赤外域8バンド、赤外域4バンドの観測波長を持つ[12]。NASDA (宇宙開発事業団)が開発を行った。
| チャンネル | 観測波長帯 | 波長帯 | 分解能 | 観測幅 | 偏光感度特性 | 観測対象 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ch1 | 可視光 | 402-422 nm | 700 m(衛星直下) | 1400 km | 5 % | 溶存態有機物 |
| Ch2 | 433-453 nm | 2 % | クロロフィル色素 | |||
| Ch3 | 480-500 nm | フィコビリン色素 | ||||
| Ch4 | 510-530 nm | 浮遊懸濁物 | ||||
| Ch5 | 555-575 nm | ヒンジポイント | ||||
| Ch6 | 660-680 nm | 大気補正 | ||||
| Ch7 | 近赤外線 | 745-785 nm | ||||
| Ch8 | 845-885 nm | |||||
| Ch9 | 中赤外線 | 3.55-3.85 μm | - | 海面温度 | ||
| Ch10 | 8.25-8.75 μm | |||||
| Ch11 | 熱赤外線 | 10.3-11.3 μm | 雲 / 海面温度 | |||
| Ch11 | 12.5-12.5 μm | |||||
AVNIR
高性能可視近赤外放射計(英: Advanced Visible and Near Infrared Radiometer)とは、可視・近赤外域を用いて陸域の植生などを観測する装置である[12]。NASDAが開発を行った。
| チャンネル | 観測バンド | 波長帯 | 分解能 | 瞬時視野角 | 視野角 | S/N | MTF |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Mu1 | マルチスペクトル | 0.42-0.50 mm | 16 m | 20 mrad | 5.7 度 | ≧200 | ≧0.25 |
| Mu2 | 0.52-0.60 mm | ||||||
| Mu3 | 0.61-0.69 mm | ||||||
| Mu4 | 0.76-0.89 mm | ≧0.20 | |||||
| Pa | パンクロマチック | 0.52-0.69 mm | 8 m | 10 mrad | ≧90 | ≧0.20 | |
IMG
ILAS
RIS
地上・衛星間レーザ長光路吸収測定用リトロリフレクター(英: Retroreflector In Space)とは、地上局から発射されたレーザー光を地上局に反射するためのリトロリフレクターであるである[12]。地上局上空のオゾン、フロン12、二酸化炭素、メタン等の濃度測定が可能である。国立環境研究所が開発。
NSCAT
TOMS
POLDER
地表反射光観測装置 地球表面や大気で反射される太陽光の測定を行う装置。フランス国立宇宙研究センターが開発。
相乗り衛星
みどりの相乗り衛星として、ふじ3号(JAS-2、アマチュア衛星3号)が同時に打ち上げられた[15]。
脚注
注釈
- ↑ 観測機器等をの電源を切り、衛星の電力消費を最小限にするモード
出典
- 1 2 3 4 5 6 7 “ADEOS|一般財団法人リモート・センシング技術センター”. リモート・センシング技術センター. 2024年3月11日閲覧。
- 1 2 3 “ADEOSプロジェクト概要”. 宇宙航空研究開発機構. 2024年3月11日閲覧。
- 1 2 “WMO OSCAR ”. 世界気象機関. 2024年3月11日閲覧。
- ↑ 宇宙航空研究開発機構宇宙利用推進本部事業推進部、Program Management and Integration Dept., Office of Space Applications「各国の衛星開発動向に関するデータ集」『宇宙航空研究開発機構特別資料』JAXA-SP-05-033、2006年3月31日、ISSN 1349-113X。
- ↑ 『ADEOSの運用停止と今後の研究計画について『天気』44(9)』宇宙開発事業団地球観測データ解析研究センター。
- 1 2 3 4 5 6 “ADEOS事故経過状況”. 宇宙開発事業団 (1997年7月1日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」の運用異常について”. 宇宙開発事業団 (1997年6月30日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- 1 2 “地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」の運用断念について”. 宇宙開発事業団 (1997年6月30日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」のその後の状況について”. 宇宙開発事業団 (1997年7月1日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- 1 2 “地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」事故対策本部の第1回会合の結果について”. 宇宙開発事業団 (1997年7月1日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- ↑ “地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」事故対策本部の設置について”. 宇宙開発事業団 (1997年7月1日). 2003年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月11日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “用語集 – JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター”. 航空宇宙研究開発機構. 2024年3月14日閲覧。
- ↑ 松村皐月「海色海温走査放射計(OCTS)による海洋生物過程の研究」『日本リモートセンシング学会誌』第13巻第4号、日本リモートセンシング学会、1993年、355-359頁、 doi:10.11440/rssj1981.13.355、 ISSN 0289-7911、2024年7月2日閲覧。
- ↑ “Earth Observation Satellite”. 宇宙航空研究開発機構. 2007年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月14日閲覧。
- ↑ “地球観測プラットフォーム技術衛星/H-1ロケット4号機打上げ及び追跡管制計画書” (1996年6月). 2026年5月4日閲覧。
関連項目
外部リンク
ADEOSと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書からADEOSを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からADEOS
を検索
- ADEOSのページへのリンク