道化者ピリッポスの無作法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 18:33 UTC 版)
「饗宴 (クセノポン)」の記事における「道化者ピリッポスの無作法」の解説
そこでアンティステネスが、喩えが上手な道化者ピリッポスに、シュラクサイの男を「悪口を言いたがる人」に喩えるようけしかける。道化者ピリッポスも乗り気で、他の多くのものにも喩えることができると応じる。しかしソクラテスが(道化者ピリッポスまで「悪口を言う人」に似てしまわないように)やめるよう制止する。 道化者ピリッポスが、それならシュラクサイの男を、彼より立派な人・善い人に喩えれば、自分は「悪口を言う人」ではなく「賞賛する人」になるのではないかと抵抗する。ソクラテスは、「より善い人」に喩えるということは、シュラクサイの男の「劣位」を前提とするわけで、やはり「悪口」になってしまうと指摘する。 道化者ピリッポスが、それでは逆に、シュラクサイの男を、彼より劣悪な者に喩えることを望んでいるのかと問うと、ソクラテスはそうでもないと答える。 道化者ピリッポスが、それでは誰にも喩えないことを望んでいるのかと問うと、ソクラテスはそうだと答える。 道化者ピリッポスが、しかし黙っていては饗宴にふさわしいことを行えないと言うと、ソクラテスは、「言うべきでないことのみ黙っていればいい」のだから、容易だと指摘する。 こうして酒の席での無作法は鎮まった。
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