辻井京雲とは? わかりやすく解説

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辻井京雲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 22:41 UTC 版)

辻井 京雲
生誕 1944年
北海道雨竜町
死没 2019年5月
教育 金子鷗亭に師事
著名な実績 書道
代表作 墨響、秘華
受賞 北海道文化賞、札幌芸術賞
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辻井 京雲(つじい けいうん、1944年 - 2019年)は、日本の書家。本名は辻井義昭。北海道雨竜町出身。近代詩文書と漢字書の融合を特徴とし、国内外で活動した。北海道教育大学名誉教授。Japanesque Lab代表の書家・辻井樹は息子。

略歴

1944年、北海道空知管内雨竜町に生まれる。北海道学芸大学(現・北海道教育大学)書道科を卒業後、1968年に上京し、金子鷗亭に入門、受賞・入賞を重ねた。1975年から2010年まで北海道教育大学で教鞭をとり、多くの後進を育成した。[1]

1989年から1990年にかけて、ロンドン大学SOASおよびオックスフォード大学で客員講師を務め、大英博物館の客員研究員も兼任した。1993年には書道研究グループ「書圏」を創設。北海道書道展理事長、創玄書道会常務理事、毎日書道会評議員などを歴任。2019年5月、逝去。享年74。[2]

作風と思想

近代詩文書(漢字かな交じりの詩文による作品)を主軸に、古典臨書や漢字書の造形的美しさも追求した。叙情的な作品から構成重視の抽象性まで幅広い作風をもち、1994年ロンドンで発表した「鶴」や草野心平の詩を基にした作品では、大胆な構成や直線的な表現を見せた。[2]

師である金子鷗亭の「書は一般の人に親しまれるべき」という思想を継承しつつ、北海道を拠点に国際的な視野をもった創作を展開。「伝統と革新の共存」を自身の信条とした。[3]

国際展と活動

主な国際展覧会

  • 1990年 - 「北海道-アルバータ姉妹都市10周年記念書道展」(カナダ・エドモントン)[2]
  • 1991年 - 「ジャパンフェスティバル’91」(ロンドン、作品《瑞雲起》揮毫)[4]
  • 1994年 - 「JAPANESQUE – うるしと書の二人展」(RCAギャラリー・ロンドン、漆芸家伊藤隆一との二人展)[5]
  • 2013年 - 「Sho 2 – 現代日本の書100人展」(ギメ東洋美術館・パリ、代表作《墨響》、ポスター掲載)[6]
  • 2015年 - 「L’Empire de l’encre – 墨の世界」(ギメ東洋美術館・パリ、作品《秘華》)[7]

ギャラリー墨響

2014年、雨竜町に「辻井京雲ギャラリー 墨響」が開設され、代表作を常設展示している。[8]

受賞歴

  • 1970年 - 創玄書道展 書道会賞
  • 1973年 - 毎日書道展 毎日賞、日展 初入選
  • 1977年 - 創玄書道展 大賞
  • 1979年 - 毎日書道展 準大賞
  • 1981年 - 創玄書道展 文部大臣奨励賞、北海道書道展 大賞
  • 2003年 - 札幌芸術賞
  • 2017年 - 北海道文化賞[9]

関連項目

外部リンク

脚注

  1. ^ 辻井京雲さん死去”. 北海道美術ネット別館 (2019年5月25日). 2025年8月1日閲覧。
  2. ^ a b c Biography”. Keiun Tsujii Museum. 2025年8月1日閲覧。
  3. ^ 金子鷗亭プロフィール”. 書作.net. 2025年8月1日閲覧。
  4. ^ Hansard UK Parliament”. Hansard. 2025年8月1日閲覧。
  5. ^ JAPANESQUE – Exhibition Catalog”. AbeBooks. 2025年8月1日閲覧。
  6. ^ 2013年パリ展 Sho 2”. 毎日書道会. 2025年8月1日閲覧。
  7. ^ Calligraphie japonaise – L’esprit d’un art moderne”. Journal du Japon (2015年12月15日). 2025年8月1日閲覧。
  8. ^ 辻井京雲ギャラリー 墨響”. 道の駅田園の里うりゅう. 2025年8月1日閲覧。
  9. ^ 北海道文化賞 PDF”. 北海道庁. 2025年8月1日閲覧。



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