発散 (ベクトル解析)とは? わかりやすく解説

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発散 (ベクトル解析)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 15:32 UTC 版)

ベクトル解析における発散(はっさん、: divergence)は、ベクトル場の各点ごとの流入出英語版の評価を符号付きスカラー値で測るベクトル作用素である。より技術的に言えば、対象点を含む近傍領域を定義しそこに出入りする流束の総和と領域体積との比をとり、領域を無限小に近づけたときの極限である。

 身近な例えでは、温度変化のある空気の各点の移動速度ベクトル場をみる。一部の領域の空気を熱するとその膨張した空気は領域から全方向へ広がるから、領域の外側を向く速度場が生じる。このときの速度場の発散をとると、加熱された領域の内部で正値の分布であり、この領域は速度場全体にとっての流入(あるいは正の湧き出し、湧出、source)域である。逆に空気が冷やされ収縮するならば、冷却される領域の発散は負値となり、その領域は流出(負の湧き出し、あるいは沈み込み、排出、sink)域である。

定義

物理的な言葉で言えば、三次元ベクトル場の発散は、各点においてそのベクトル場が流入や流出のような流動的振舞いをする度合を与える。これは、空間の無限小領域において入ってくるよりも出ていく方がどのくらい多いのかの度合いとしての「外向き度」を局所的に測るものである。発散がその点で零でないならば、その位置は湧出点か排出点でなければならない[1]。(流れや流出のような言葉を使っているのは、ベクトル場を速度場や運動する流体のようなものと考えるからであることに注意)。

p におけるベクトル場 F の発散は、領域 Ω の滑らかな境界 bd(Ω) と交わる F の正味の流れを領域 Ω の体積 vol(Ω) で割ったものの、領域 Ω を一点 p に縮めるときの極限として定義される。これを式で書けば



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