異教説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 10:19 UTC 版)
エジプト研究家・民俗学者のマーガレット・マリーは、異端審問官らに悪魔の代理とみられた魔女たちは実はキリスト教よりも古い神ディアヌスを崇拝していたのだという説を1920年代から提唱した。その説によれば、ディアヌス崇拝こそが中世ヨーロッパに底流していた有力な宗教であり、表層のキリスト教信仰に対する強敵であった。そして宗教改革期にキリスト教支配が民衆に浸透した結果、キリスト教の敵である魔女にたいする迫害が可能になったというのである。マリーの説のように古来の豊穣崇拝が異教的伝統として生き残っていたという見解は、のちにはカルロ・ギンズブルグなどの研究でも示唆されている。しかし当時の人々のなかに明確な異教信仰があったという証拠はなく、ギンズブルグらの利用した史料の情報提供者である農民たちも第一義的にはキリスト教徒であった。
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