珉珉
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/21 21:55 UTC 版)
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | ![]() 〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中3-4-41 体東ビル2F |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 8120001090649 |
事業内容 | 食堂チェーン経営 |
代表者 | 代表取締役 古田暁人 |
資本金 | 8500万円 |
外部リンク | http://www.minminhonten.com/ |


珉珉(みんみん)は、大阪府大阪市浪速区に本社を置く株式会社珉珉本店が、京阪神および東京地区を中心に展開する、餃子をメインとした中華料理チェーン。
歴史
創業者
珉珉の創業者である古田安夫は、1915年の大分県に生まれた水墨画家であった。古田の東洋思想と西洋画を融合した作品は国内外から高く評価され、アメリカやドイツで個展を開いた経験もあった[1]。
珉珉羊肉館での修行
1953年、古田はミナミの千日前に日本料理店を開店するが、経営は芳しくなかった。その悩みを抱えたまま上京した際、同郷の友人である高橋通博と再会、高橋が経営していた珉珉羊肉館の餃子に勝機を見出した古田は3か月間店に住み込んで餃子の作り方をマスターし大阪の店舗を改装、餃子の店を開店した[1]。
珉珉羊肉館は、第二次世界大戦終戦後に満州から現地で結婚した妻と共に帰国した高橋通博が、妻の得意料理であった「餃子(チャオズ)」を売りにした飲食店「友楽」を1948年(昭和23年)に開店したことに始まる[2][3]。1952年に珉珉羊肉館に店名を変更し渋谷の恋文横丁に移転した[4]。店名は妻の名前の陸温珉からとっている[1]。珉珉羊肉館の焼き餃子は安価でボリュームがあることから人気となり、満州からの引揚者が焼き餃子の店を次々と出店し恋文横丁は焼き餃子の聖地となったという[4]。1961年に高橋が急逝、妻の美枝子が引き継ぎ1967年に道玄坂に再移転、2008年ごろに閉店している[5]。珉珉羊肉館の暖簾分けの店に1965年に独立した「赤坂珉珉」が存在する[6]。
珉珉の展開
餃子の店へ改装したものの、当時は餃子の知名度が低く苦戦を強いられた。高橋の協力も得ながら餃子の知名度を上げるために1956年に大阪市北区、翌年に京都の四条に支店をオープンした[2][1]。資金が不足していたため店舗は質素で壁にはベニヤを貼っていた。ベニヤの壁では芸がないと考えた古田は京都の3号店の店内に黒色と赤色のマジックを用意し客に自由に落書きをさせた。これが評判を呼び人気に火が付いたという[2]。その後チェーン展開を行い2001年には八重洲店を開店し東京に進出、2004年時点で関西を中心に111店舗を展開している[1]。
不祥事
2012年、大阪府警外事課は、調理師として入国した中国人3名をホールで働かせたとして会長と元専務を不法就労助長容疑で逮捕した[7]。
店舗
2025年2月現在、関西と関東エリアに店舗が存在する。
直営各店舗の詳細は店舗紹介を参照。
関西エリア(直営店)
- 南千日前本店
- なんばウォーク店(旧虹のまち店)
- 曽根崎店
- 京橋店
- 三宮店
- 神戸三宮店
- 四条店
- 三条店
- 桃山店
- 京都競馬場店
関東エリア(直営店)
- 八重洲店
- 豊洲店
- 中野店
- 錦糸町店
- 六本木店
- 虎ノ門店
- 飯田橋店
- 浜松町店
- Otemachi One店
のれん分け店舗
- 相川店[8]
- アベノ店
- 伊川谷店
- 池田駅前店
- 伊丹駅前店
- 茨木店
- 太秦店
- 上新庄駅前店[9]
- 鴻池店
- 高野線我孫子前駅店
- 桜橋店
- 五月が丘店
- 志染店
- 庄内店
- 新開地店
- 吹田さんくす店
- 園田店
- 谷四店
- 天下茶屋店
- 瓢箪山店
- 深井店
- 福島店
- 福知山店
- 舞鶴店
- 山科店
過去に存在した店舗
- あびこ道店[10]
- 壱岐店[11]
- 池田城南店[12]
- 板宿店[13]
- 今津店[14]
- 魚崎店[15]
- 江坂店[16]
- 大泉店[17]
- 鹿児島店[18]
- 岸和田店[19]
- 北浜店[20]
- 高知店[21]
- 千林店[22]
- 高槻店[23]
- 地下鉄我孫子[24]
- 塚本店[25]
- 鶴橋店[26]
- 天五店[27]
- 道頓堀店[28]
- 徳庵店[29]
- 西三荘店[30]
- 萩之茶屋店[31]
- 針中野店[32]
- 東花園店[33]
- 東三国店[34]
- 姫路店[35]
- 本町店[36]
- 南方店[37]
- 武庫之荘店[38]
- 四ツ橋店[39]
- ラ・セレナ店[40]
- 六甲店[41]
- 今里店[42](2012年閉店)[43]
- アバンティ紅帽(旧アベノ東)店[44](2015年11月閉店)
- 長掘店[45](2016年5月閉店)
- 宝塚ソリオ店[46](2018年5 月閉店)[47]
- 向日町店(2020年5月閉店)
- 光が丘店(2020年5月閉店)
- 垂水店[48](2023年8月閉店)[49]
- 祇園店(2023年8月閉店)[50]
- 門戸厄神店[51](2024年10月閉店)[52]
- 心斎橋店[53](2025年4月閉店)[54]
脚注
- ^ a b c d e ニッポン中華研究会 2004.
- ^ a b c 程一彦 1992.
- ^ 澁川祐子 2013.
- ^ a b 澁川 2013.
- ^ 『FLASH』編集部 (2018年3月20日). “焼餃子のルーツ「ミンミン」創業者は満州から引き揚げてきた男”. Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]. 2025年5月7日閲覧。
- ^ しゃこ, 小泉 (2024年9月20日). “港区赤坂に今も変わらぬ町中華の名店あり 「赤坂珉珉」の元祖酢コショウ餃子 溢れんばかりの豚肉を特性の皮で包んだ餃子”. JBpress autograph. 2025年5月7日閲覧。
- ^ “中華「ミンミン本店」会長逮捕 不法就労助長の疑い”. 日本経済新聞 (2012年10月30日). 2025年5月7日閲覧。
- ^ “珉珉 相川店”. 珉珉 相川店 (2021年2月10日). 2025年3月4日閲覧。
- ^ “【公式】珉珉 上新庄駅前店 | こだわりの中華料理が楽しめる店”. 2025年3月4日閲覧。
- ^ 大阪市住吉区清水丘2-30-2 のれん分け店舗 アベノ珉珉系列
- ^ 長崎県壱岐市郷ノ浦町東触718 のれん分け店舗
- ^ 池田市城南3-9-13 のれん分け店舗
- ^ 兵庫県神戸市須磨区大黒町2-2-20 のれん分け店舗
- ^ 兵庫県西宮市津門呉羽町2-22 のれん分け店舗
- ^ 神戸市東灘魚崎北町1-8-27 のれん分け店舗
- ^ 大阪府吹田市豊津町1-24 のれん分け店舗 店舗跡地では、江坂店時代と同じオーナーシェフ[1]が「ダオフー江坂店」(上新庄駅前店の姉妹店舗[2])を運営している。[[]]
- ^ 大阪府堺市北区八下北5-29 のれん分け店舗
- ^ 鹿児島県鹿児島市字宿2-25-25 のれん分け店舗
- ^ 大阪府岸和田市宮本町11-4 のれん分け店舗
- ^ 大阪市中央区伏見町2-4-4 甲陽ビル のれん分け店舗
- ^ 高知県高知市廿代町1−1 のれん分け店舗
- ^ 大阪市旭区千林2-12-26 のれん分け店舗
- ^ 大阪府高槻市大冠町3-22-10 のれん分け店舗
- ^ 大阪市住吉区苅田7-9-8 のれん分け店舗
- ^ 大阪市淀川区塚本2-22-8 のれん分け店舗
- ^ 大阪市東成区東小橋3-15-8 のれん分け店舗
- ^ 大阪市北区天神橋4-11-20 のれん分け店舗
- ^ 大阪府大阪市中央区道頓堀2-1-3 直営店舗
- ^ 大阪府東大阪市徳庵本町2-10 のれん分け店舗
- ^ 大阪府門真市元町27-11(エル西三荘)のれん分け店舗。守口市駅の再開発で現地に移転。
- ^ 大阪市西成区花園北2-13-24 のれん分け店舗
- ^ 大阪市東住吉区中野4-8-29 のれん分け店舗
- ^ 大阪府東大阪市吉田6-2-48 のれん分け店舗
- ^ 大阪市淀川区東三国2-38-12 のれん分け店舗
- ^ 兵庫県姫路市網干区北新在家274 のれん分け店舗
- ^ 大阪市西区西本町1-7-20 ナルトビル1F のれん分け店舗
- ^ 大阪市淀川区西中島3-21-1 のれん分け店舗
- ^ 兵庫県尼崎市武庫之荘1-18-2 のれん分け店舗
- ^ 大阪市西区新町1-14-39 のれん分け店舗
- ^ 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 直営店舗
- ^ 兵庫県神戸市灘区日尾町2-1-12 のれん分け店舗
- ^ 大阪市生野区新今里4-11-10 のれん分け店舗
- ^ “近鉄今里駅前「珉珉」閉店-居酒屋ガレージ日記”. act-ele.c.ooco.jp. 2025年3月4日閲覧。
- ^ 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-3-7 のれん分け店舗
- ^ 大阪市中央区東心斎橋1-20-16 長堀中央ビル B1F のれん分け店舗
- ^ 兵庫県宝塚市栄町2-1-1 のれん分け店舗
- ^ “【情報提供頂きました!】知ってましたか?!ソリオ宝塚の眠眠が閉店!!”. 宝塚コミパ通信 (2018年6月21日). 2025年3月4日閲覧。
- ^ 兵庫県神戸市垂水区神田町1 のれん分け店舗
- ^ zekkei-sakaba (2023年8月28日). “【閉店】京都祇園の「眠眠」が閉店。神戸垂水の「眠眠」も閉店。”. 絶景酒場. 2025年3月4日閲覧。
- ^ “【悲報】祇園の老舗町中華がまさかの閉店!「珉珉(みんみん) 祇園店」 (2023年8月27日)”. エキサイトニュース (2023年8月27日). 2025年3月4日閲覧。
- ^ のれん分け店舗
- ^ はまぁむ@にしつーサポーター (2024年10月8日). “門戸厄神駅ちかく「珉珉」が10月30日で閉店”. 西宮つーしん. 2025年3月4日閲覧。
- ^ 大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目9-28 のれん分け店舗
- ^ “Threads”. www.threads.com. 2025年4月29日閲覧。
参考文献
程, 一彦『程さんの台湾料理店』晶文社、1992年3月31日 1992、96-100頁。
ニッポン中華研究会『3度のメシより!?レバニラ炒め』宝島社、2004年11月8日 2004、52-55頁。
澁川, 祐子『オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり』オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり、2013年2月1日 2013、29-41頁。
岩間, 一弘『中国料理と近代日本史 食と嗜好の文化交流史』慶應義塾大学出版会、2019年12月25日 2013。
関連項目
外部リンク
- 珉珉本店(公式サイト)
- 珉珉のページへのリンク