物外の雨乞い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 09:50 UTC 版)
天保年中に日照りがつづいたとき、農民たちが物外に雨乞いを頼んだ。「よし」といって、物外は済法寺の鐘をはずして吉和村の海岸にかつぎ出した。二隻の船の間に鐘を繋いで海上に浮かべ、17日間昼夜を分かたず祈願した上で、今度は褌ひとつで鐘の竜頭に手をかけ、大喝して、二、三間も遠くの沖へ投げ込んだところ、沛然と雨が降り出したという。「物外さんの雨乞いは、効き目がある」ということになり、それからも日照りがあるたびに、物外は農民たちから雨乞いを頼まれるようになった。海中に投げ込まれた鐘はその後、漁師の網にかかって戻って来たが、鐘のイボが8個欠けていた。物外は「八大竜王が一個ずつ受納されたのだろう」といって村人を感心させたという。
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