牧士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/02 06:08 UTC 版)
牧士(もくし[1][注釈 1])は、牧(牧場)の運営にあたる武士、あるいは武士に準じる身分を与えられた役職。江戸時代、江戸幕府の御用牧では、名主などの有力農民が多くその任務にあてられ、名字帯刀など武士に準じる身分特権を与えられた。
注釈
- ^ 『精選版 日本国語大辞典』では「ぼくし」の読みで掲げるが、牧場で家畜を飼育する人(牧人・牧夫・牧者)を指す一般名詞としての用法(中世には「ぼくじ」とも読まれたという)を冒頭に置いている[2]。
- ^ 世界大百科事典では「牧士」としている[3]。
- ^ このほか江戸幕府の牧には、駿河国に愛鷹牧があった。幕末期の安政年間には蝦夷地に浦河牧を設けている。
- ^ それぞれ複数の牧の総称であり、「小金五牧」「佐倉七牧」とも呼ばれる。小金牧は幕府直轄、佐倉牧は佐倉藩に管理が預けられた。
- ^ ただし、特権がいつごろ認められるようになったかには地域ごとの差異があったという。
- ^ 鈴木庄右衛門(前ヶ崎)、湯浅隼人(二ツ木)、芦田帯刀(栗ヶ沢)、大熊市郎左衛門(栗ヶ沢)、安蒜源兵衛(千駄堀)[12]。
出典
- ^ a b “牧士のこと”. 酒々井風土記. 酒々井町教育委員会. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c d “牧士”. 精選版 日本国語大辞典(コトバンク所収). 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c “牧”. 平凡社 世界大百科事典(Excite辞書所収). 2021年3月25日閲覧。
- ^ “小笠原牧(古代〜中世)”. 角川地名大辞典(旧地名)(JLogos所収). 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b “糠部”. 平凡社 世界大百科事典(Excite辞書所収). 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b “第二節 鎌倉幕府の東夷成敗権と得宗領津軽/五 御内人の世界”. 新編弘前市史 通史編1(古代・中世)(ADEAC所収). 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e “小金牧の牧士資料”. 千葉県. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “かまがや取材日記 ミニ展示「小金牧ものがたり」 令和3年3月17日”. 鎌ヶ谷市 (2021年3月17日). 2021年3月25日閲覧。
- ^ “小金牧 ~開墾と野付村の生活~”. 柏市 (2021年2月26日). 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c d “佐倉牧の牧士資料”. 富里市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b 川名登 (2010年5月). “書評 大谷貞夫著『江戸幕府の直営牧』(『國學院雑誌』111巻5号掲載)”. 岩田書院. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e 「まつどの歴史33 野馬奉行綿貫氏」『広報まつど』1990年3月5日、2021年3月25日閲覧。
- ^ “小金地域の歴史”. 松戸市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “松戸編(下)小金中野牧と地名”. 地名町名の由来. 京葉ガス. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “安蒜家長屋門”. 松戸市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ 『鎌ヶ谷市史 上巻』260頁
- ^ a b 『鎌ヶ谷市史 上巻』254頁
- ^ a b “鎌ヶ谷市の文化財”. 鎌ヶ谷市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ 『鎌ヶ谷市史 上巻』257-258頁
- ^ “旧花野井家住宅”. 千葉県. 2021年3月25日閲覧。
- ^ a b c “小金牧の牧士資料”. 白井市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “小金牧の牧士資料”. 白井市. 2021年3月25日閲覧。
- ^ 大谷貞夫. “江戸幕府の直営牧に関する研究 1986年度実績報告書”. 科学研究費助成事業データベース. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “佐倉牧の牧士資料”. 千葉県. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “房州峯岡山野絵図・房州朝夷郡柱木野絵図(石井孫左衛門控)”. 鴨川市. 2021年3月25日閲覧。
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