清水利晃
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清水 利晃 | |
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出身地 | ![]() |
ジャンル | ロック アヴァンギャルド サイケデリック |
職業 | プロデューサー A&R アーティスト・マネージメント ライブ制作 |
活動期間 | 1991年 - |
共同作業者 |
清水 利晃(しみず としあき)は、日本のプロデューサー、A&R、マネージャー。
人物
メジャーデビュー時より、ゆらゆら帝国のA&R、マネージメント、プロモーションを担当した後、KenKen(RIZE)やMIYAVIのマネージメントを手掛ける。その他にも、あぶらだこ、MASONNAなどのアヴァンギャルド・シーンの著名アーティストとも協働。
また近年では、GEZANや相対性理論など、比較的新しい世代によるバンドのライブ制作も引き受けている。
略歴
1991年~1996年(江戸屋レコード)
1988年に通販によるインディーズ・レーベルとして[1]、Charが立ち上げた江戸屋レコードに入社し[2]、1991年より音楽業界でのキャリアをスタート。CharやTOKYO No.1 SOUL SETなどのセールスを担当。
1996年~2003年(ミディ / ヨロシタミュージック)
ゆらゆら帝国がミディと契約したことに伴い、清水はマネージャーとして江戸屋レコードから、大蔵博が設立したレコード会社であるミディに移籍。(同じく大蔵が設立した法人に音楽事務所のヨロシタミュージックがあり、清水のクレジットには同社が併記されていることもある)
この移籍の経緯は、清水が江戸屋レコードでゆらゆら帝国と契約交渉を進めている最中に会社が「解散」を発表し、ゆらゆら帝国はミディと契約してデビューすることになり、清水もマネージャーとしてミディへ移ったことによる[3]。
ミディ在籍時には、ゆらゆら帝国のA&Rやマネージメントと並行して、あぶらだこ、MASONNNA、MAD3、BORISなどアヴァンギャルドなアーティストのA&Rも積極的に手掛けている。
なお、A&Rとして携わったBoris『Flood』(2000年)は、海外の音楽コミュニティサイト「Rate Your Music」の2000年におけるランキングで、5位(1位はRadiohead『Kid A』)を記録するなど国際的に高い評価を得ている。
2003年~2005年(INTERCEPTOR)
ゆらゆら帝国がミディからソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズへ移籍したことに伴い[4]、(株)INTERCEPTORを設立し、エージェントとしてゆらゆら帝国の業務を継続。10thアルバム『Sweet Spot 』のリリースまでA&Rやマネージメントを担当。
2006年~2008年(江戸屋レコード)
およそ10年ぶりに江戸屋レコードへ復帰。RizeのベーシストKenKenのマネージメントを担当し、2ndアルバム『ARRIVAL of INVADERS』(2007年)のリリースを手掛ける。
2008年~2010年(パーフェクトミュージック)
神聖かまってちゃんの所属する音楽事務所パーフェクトミュージックに籍を移し、新人アーティスト育成のほか、およそ10年ぶりに再会(詳細は後述)した劔樹人がベーシストとして在籍していたバンド、あらかじめ決められた恋人たちへのマネージメントを担当する。
2010年~2011年(J-glam)
MIYAVIがEMI ミュージック・ジャパン移籍したタイミングで[5]、MIYAVIの個人事務所であるJ-glamに転籍してマネージメントを担当し、ワールド・ツアー「NEO TOKYO SAMURAI BLACK WORLD TOUR 2010」に同行。2010年6月からスタートした全15公演の北米ツアーの成功をアシストしている[6]。また翌年3月19日にイギリスでスタートしたヨーロッパツアーの全12公演にも帯同[7][8]。
2012年~2013年(パーフェクトミュージック)
パーフェクトミュージックに復帰し、KING BROTHERS、宇宙人のマネージメントを担当した[9]。イギリスで活動する日本人4人組のバンド、Bo-Ningenのライブ制作も手掛ける。
2013年~2016年(エレメンツ)
エレメンツへ転籍、これまでのロックバンドのマネージメントから心機一転し、MCUやLITTLEなどラッパーを担当することで、マネージメント活動の幅を拡げる同時に、Bo-Ningen、GEZAN、金子ノブアキ(RIZE)などのロック・アーティストのライブ制作も従来どおり積極的に引き受ける。
2017年~(フリーランス)
エレメンツより独立しフリーランスとして活動。かつて同じ江戸屋レコードに在籍していたTOKYO No.1 SOUL SETのA&Rやマネージメント、相対性理論、ホフディランなどのライブ制作などを行う。
エピソード
- ゆらゆら帝国の坂本慎太郎がインタビューで語るところによれば、『Are You Ra?』をリリースしたことを契機に音楽業界の関係者から注目を浴びるなか、最も熱心であった清水の誘いを受けて、同バンドは江戸屋レコードとデビューに向けた話し合いを進める。しかし交渉の最中に江戸屋レコードは会社の「解散」を発表、一度はデビューの計画が暗礁に乗り上げるが、その後はミディと契約が成立することで、無事にメジャーデビューを果たす。その際、ゆらゆら帝国の契約と併せて清水もミディに移籍し、およそ10年近くにわたって、A&Rやマネージメントなど、ゆらゆら帝国の活動全般に深くコミットしていくことになる[10]。
- 劔樹人とは10年来の付き合いである。劔は学生時代に文化祭の実行委員としてコンサートを企画し、1999年にゆらゆら帝国を大学に招へい。その際、ゆらゆら帝国のマネージャーとして同行していた清水と初めて対面している。その後の2010年に偶然、とあるライブハウスで二人は再会を果す。このエピソードを劔は、コミカライズしてブログに公開している[11]。
- TOKYO No.1 SOUL SETのA&Rとマネージメントを担当し、2021年には9thアルバム『SOUND aLIVE』のリリースを手掛けている。同作品は両者が1990年代に所属していた江戸屋レコードより発売された。TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美によれば、このアルバムの制作が決まる前から清水に声をかけており、ライブ制作やマネージメントを担当してもらっていたのだという[12]。
主な作品
A&R・マネージメント
- ゆらゆら帝国『3×3×3』(ミディ、1998年4月15日)[13]
- ゆらゆら帝国『ミーのカー』(ミディ、1999年6月16日)[14]
- ゆらゆら帝国『太陽の白い粉』(ミディ、1999年11月17日)[15]
- ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国III』(ミディ、2001年2月21日)[16]
- ゆらゆら帝国『Sweet Spot』(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ、2005年5月18日)[17]
- TOKYO No.1 SOUL SET『SOUND aLIVE』(江戸屋レコード、2021年4月7日)[18]
A&R・マネージメント・プロモーション
- ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国のしびれ』(ミディ、2003年2月26日)[19]
- ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国のめまい』(ミディ、2003年2月26日)[20]
- ゆらゆら帝国『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』(ミディ、2003年11月26日)[21]
- ゆらゆら帝国『1998-2004』(ミディ、2004年9月6日)[22]
マネージメント
- KenKen『ARRIVAL of INVADERS』(日本コロムビア、2007年10月24日)[23]
- MIYAVI『WHAT'S MY NAME?』(EMIミュージック・ジャパン、2010年10月13日)[24]
- King Brothers『Mach Club』(パーフェクトミュージック、2012年4月16日)[25]
A&R
- あぶらだこ『あぶらだこ(月盤)』(ミディ、2000年10月25日)[26]
- Masonnna『Shock Rock』(ミディクリエイティブ、2002年10月25日)[27]
- Space Machine『2』(ミディクリエイティブ、2002年10月25日)[28]
- Boris『Flood』(ミディクリエイティブ、2000年12月15日)[29]
- Boris『Heavy Rocks』(QUATTRO-UK DISCS、2002年4月26日)[30]
- V.A.『惡の花譜』(スターチャイルド、2013年6月26日)[31]
脚注
- ^ “OTONANO ~大人の、音ナノ~” (英語). www.110107.com. 2025年3月10日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “坂本慎太郎が振り返る、ゆらゆら帝国でのメジャーデビュー | あの人に聞くデビューの話 第2回 前編”. 音楽ナタリー. 2025年3月10日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “坂本慎太郎が振り返る、ゆらゆら帝国でのメジャーデビュー | あの人に聞くデビューの話 第2回 前編”. 音楽ナタリー. 2025年3月10日閲覧。
- ^ “第192回 ソニー・ミュージックエンタテインメント REDエージェント部 兼 株式会社次世代 制作本部 次世代ロック研究開発室制作部 チームプロデューサー 薮下晃正氏インタビュー【後半】 | Musicman”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman (2022年7月20日). 2025年3月10日閲覧。
- ^ “「雅-MIYAVI-」EMIへ移籍!アーティスト名表記変更、3月に移籍第一弾DVD発売、JAPAN TOURを発表!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2010年1月12日). 2025年3月10日閲覧。
- ^ “雅-MIYAVI-、都内ライヴハウス・ツアー<TOUR in 東京 2010>が開催決定! - CDJournal ニュース”. www.cdjournal.com. 2025年3月10日閲覧。
- ^ “雅-MIYAVI-、ニュー・アルバムを携えて3回目のワールドツアーへ-rockinon.com|https://rockinon.com/news/detail/42956”. rockinon.com. 2025年3月10日閲覧。
- ^ “Miyavi Concert & Tour History (Updated for 2025) | Concert Archives”. www.concertarchives.org. 2025年3月10日閲覧。
- ^ “宇宙人”. JUNGLE☆LIFE. 2025年3月10日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “坂本慎太郎が振り返る、ゆらゆら帝国でのメジャーデビュー | あの人に聞くデビューの話 第2回 前編”. 音楽ナタリー. 2025年3月10日閲覧。
- ^ 株式会社リットーミュージック. “学園祭ライブでゆらゆら帝国をブッキング(大阪・長居 その8)〜劔樹人【あの街に鳴る音】第8回〜”. 耳マン. 2025年3月10日閲覧。
- ^ ototoy. “TOKYO No.1 SOUL SETのいまを吹き込んだ30周年の新作” (日本語) 2025年3月10日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - 3✕3✕3』1998年4月15日 。2025年3月10日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - ミーのカー』1999年 。2025年3月10日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - 太陽の白い粉』1999年11月17日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - III』2001年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - Sweet Spot』2005年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『Tokyo No.1 Soul Set - Sound Alive』2021年4月7日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - ゆらゆら帝国のしびれ』2003年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - ゆらゆら帝国のめまい』2003年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』2003年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『ゆらゆら帝国 - 1998-2004』2004年9月16日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『KenKen - Arrival Of Invaders』2007年10月24日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『雅-MIYAVI- - What's My Name?』2010年10月13日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『King Brothers - Mach Club』2012年4月16日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『あぶらだこ - あぶらだこ』2000年10月25日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『Masonna - Shock Rock』2002年10月25日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ “『Space Machine – 2』”. Discogs. 2025年3月11日閲覧。
- ^ 『Boris - Flood』2000年12月15日 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『Boris - Heavy Rocks』2002年 。2025年3月11日閲覧。
- ^ 『Various - 惡の花譜』2013年6月26日 。2025年3月11日閲覧。
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