桃薫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/26 07:50 UTC 版)
桃薫(とうくん)は日本の農業・食品産業技術総合研究機構が開発し、品種登録したイチゴ[1][2]。香りが桃に似るのが特徴[1]。
概要
300グラムで市販価格2000円を超える高級イチゴである(2024年3月時点)[3]。
特徴は、名称の通りの桃に似た芳醇な香りとジューシーな果汁、白いフォルムにある[3]。キルフェボン(静岡県静岡市)のフルーツタルトにも採用されている(2024年3月時点)[3]。
開発
とよのかに野イチゴの一種であるフラガリア・ニルゲルレンシスを交配してつくられた「久留米IH1号」は芳香性があるイチゴであり、「ももみ」、「ピーチベリー」などの商品名で家庭園芸向けに苗が販売されている[2]。久留米IH1号には、種子が果実表面より深く落ち込む、艶が劣るなど、外観に欠点があり、収量にも劣ることから、販売用の生産は少なく、市場にもほとんど流通していない[2]。
果実の外観と収量の向上を目的として、果実の外観がよく栽培しやすいカレンベリーとフラガリア・ニルゲルレンシスを交配させたものに久留米IH1号を交配させ、収量が多く、果実の外観に優れ、系統を選別して生まれたのが、桃薫となる[2]。
2009年11月11日に品種登録出願され、2010年1月25日に品種登録出願公表された[2]。2011年に品種登録されている[4]。
名称
「桃にも似た甘く芳醇な香りが隅々まで漂う(薫る)」様子をイメージして名付けられた[2]。親となったフラガリア・ニルゲルレンシスは中国原産のものを使用していることから、漢字表記とした[2]。
特徴
- 栽培特徴[2]
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- 促成栽培に適する。
- 生育は旺盛で、花も多い。
- 厳冬期でも株はあまり小さくならない。
- 収穫時期は遅めであり、イチゴの価格が高くなるクリスマス期の収量は少ないが、春までの全収量は多い。
- 花の数が多いので、収穫期後期の果実は小さめになる。
- 果実の特徴[2]
事件
出典
- ^ a b c 「イチゴ「桃薫」の苗をフリマアプリで無許可販売 容疑の男ら摘発「一獲千金狙った」」『産経新聞』2024年12月3日。2025年1月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 『芳香性のイチゴ種間雑種品種「桃薫(とうくん)」』(PDF)(プレスリリース)農業・食品産業技術総合研究機構、2010年2月4日 。2025年1月26日閲覧。
- ^ a b c 静岡放送 (2024年3月26日). “「作る側の抱える悩み知った」廃棄寸前の高級イチゴがサステナブルスイーツに!名門ホテルが「規格外品」使うワケ”. TBS NEWSDIG. p. 2. 2025年1月26日閲覧。
- ^ 伊藤淳子「感動するイチゴを世界に広めたい」『農業女子』洋泉社、2015年。ISBN 978-4800306074。
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