月刊フリップ編集日誌とは? わかりやすく解説

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月刊フリップ編集日誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 07:04 UTC 版)

月刊フリップ編集日誌』(げっかんフリップへんしゅうにっし)は、まんがくらぶオリジナル竹書房)で1999年から2002年にかけて連載された小坂俊史4コマ漫画作品。

作品について

低予算のマイナーコミック雑誌「月刊フリップ」の編集部(部員は編集長を入れてわずか3人)を中心に、ストーリーは繰り広げられる。コミック誌の編集者漫画家自身を主人公に据えた、独特な作品。出版業界の内面が垣間見える。

主な登場人物

望月もも(もちづき もも)
月刊フリップの新人編集者。
戦力にならないどころか、マイナス要因となることの方が多い。そのマイペースな発言と行動は、周囲を振り回す。
漫画原稿の取り扱いは極めてひどく、毎回何らかの形で破損させてしまう。写植張りにはそれなりのこだわりを持っているが、誤植が多い[1]
好物は、プリンクリームソーダ。会社では毎回、異なる種類のプリンを食べている。また喫茶店での打ち合わせでは、必ずクリームソーダを注文している。子供っぽく、雪が降ると原稿が濡れてもお構いなしにはしゃぐ。
意外と酒に強く、一緒に飲んでいた町田ルミネ先生を酔いつぶしたほど。
かなり不器用で、ガムをかみながら他の事が出来ないほど。ただ、ハサミの使い方は昔から得意と言い、実際上手い。また、片付けが苦手で、編集部の机は、浦辺のそれを借りなければならないほど、物で溢れている[2]
携帯電話を持っていない。ただし、着メロ機能付きという珍しいポケベルを持っている。
満月の日は、性格が変わる。
普段は髪で耳が隠れているが、1度だけ髪を短くして、耳が出た。
浦辺さん(うらべ)
6年目の先輩編集者。この作品におけるツッコミ役。その対象は主に望月だが、編集長などに対してツッコむことも。
目が悪く、普段はコンタクトを使っているが、メガネも持っている。
編集者としての仕事はそつなくこなし、編集部内で唯一パソコンを使うことができる。望月のミスをフォローするなど、苦労が多い。
週末はずっと暇な身分だったが、最終回では恋人ができたようで、望月に残業を替わってもらいデートに行った。
編集長
本名は不明。とてもそうは見えないが、39歳。
創刊以来12年間、月刊フリップ一筋。幾多の廃刊の危機を乗り越えてきた。
中日ドラゴンズの熱狂的ファン。中日がリーグ優勝したときには、日本シリーズを見に名古屋まで行っている。また巨人ファンの漫画家の野球漫画を打ち切りに追いやっている。
町田ルミネ(まちだ ルミネ)
本名は町田友子。かつては作家・清瀬ちひろのアシスタントだったが、現在は少女誌からレディース誌まで、幅広く活躍している売れっ子少女漫画家。デビュー10年目。
月刊フリップでは、『虹のビエネッタ』を連載。単行本は7巻まで出している。ミーシャという名前の黒猫を飼っている。他誌連載の同業者・立川るみをライバル視している。
多忙ゆえに、月刊フリップを含む一部の連載は、ほとんどアシスタントに任せっきりにすることもある。
担当編集者の望月には散々ひどい目に遭わされながらも、結構仲はよい。
喫煙者で、一時止めていたのだが、煮詰まりからのイライラで、また吸うようになった。
体格は割と太めで、自身の写真が太め専門のピンクちらしに使われるほど(無論本人無許可)。
序盤において、恋人がいたが破局したことが判明している[3]
フリップのページが余ると穴埋めを頼まれることが多い。
サイダースのファンらしく、家にポスターが張られてあったり、ライブのチケットを買ったりしている。
白根一雪(しらね かずゆき)
月刊フリップの第2回漫画大賞でグランプリを受賞し漫画家デビュー[4]。町田とはほぼ同期だが、現在も定期連載は月刊フリップのみ[5]という零細漫画家。しかもその唯一の連載もたびたび休載(打ち切り)の危機に晒されている。
月刊フリップの連載漫画は『地獄のかぶとむし』。単行本第2巻のカバー裏にその詳細設定が描かれている。
新潟県出身で、実家の両親と親戚は月刊フリップの読者アンケートを出したり、カラー掲載の際に電報を送ったりしている。
持ち込み青年
本名は未設定。月刊フリップの編集部に、毎月原稿の持ち込みを続ける健気な青年。
毎回、何かしらの理由によって[6]持ち込み原稿は採用されない。したがって、連載期間中にプロデビューすることも無かった。持ち込み回数は、計40回になった。
他の持ち込み青年と同時になって相手に順番を譲るも、その青年が即掲載が決まったうえに「4年ぶり」「もう当分(即掲載は)出ない」という言葉まで耳にしてしまう、という悲劇を味わった[7]
小坂の他の作品にもみられる「登場位置固定キャラクター」に当たる。

書籍情報

単行本が竹書房より「バンブーコミックス」として刊行されている。

脚注

  1. ^ あまりに頻発するため、編集長も「おわびと訂正」のために無意識に1ページ確保するようになっていて、1度だけ誤植ゼロだった時にはそれに気づかず「どうしても1ページ足りない」と悩んでいた。
  2. ^ のちに綺麗に片付けたが、今度はワックスで原稿が机に張り付くという別のミスを犯した。
  3. ^ 相手の方はまだ未練がある様子。
  4. ^ その際の副賞は「1年間タダで〝載り〟放題(=タダ働き)のフリーパス」だった。
  5. ^ 1度別の新創刊誌でも連載を開始したが、1話で打ち切りを宣告されたうえに、雑誌自体もその3日後1号のみで休刊となった。
  6. ^ 原稿の紛失・破損など、フリップ側(ほぼ、もも1人だが)の過失が原因であることもある。
  7. ^ その青年は「小林コージ」として、本当にデビューした。



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