春峯庵事件とは? わかりやすく解説

春峯庵事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/17 00:34 UTC 版)

春峯庵事件(しゅんぽうあんじけん)は、1934年(昭和9年)に起こった肉筆浮世絵の大規模な偽造事件。

1934年、東京美術倶楽部で春峯庵なる旧家の所蔵品という触れ込みで東洲斎写楽喜多川歌麿などの肉筆浮世絵の入札会が開かれた。「世紀の発見」という新聞報道[1]もあり、注目を集めたが、やがて全てが贋作であることが発覚した。

画商の金子孚水、贋作を描いた絵師の矢田修などが詐欺で摘発された。また、美術史研究の権威だった笹川臨風が、作品の推薦文を書いたことで詐欺の共犯容疑として警察に勾留される騒ぎもあった。

この事件により、研究者やコレクター、画商らは肉筆浮世絵を扱うのに及び腰になってしまい、肉筆浮世絵の研究がなかなか進まず、一時期は浮世絵版画よりも安い値段が付けられる事もあったという[2]

脚注

出典

  1. ^ 「珍しや寫樂の肉筆現る」東京朝日新聞(1934年(昭和9年)4月26日)
  2. ^ 「小林忠の発言より」『春画と肉筆浮世絵 極彩色の江戸性愛の世界』小林忠 白倉敬彦 編著、洋泉社、2006年3月21日、136頁。ISBN 978-4862480071 

参考文献

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「春峯庵事件」の関連用語

春峯庵事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



春峯庵事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの春峯庵事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS