後追い小僧とは? わかりやすく解説

後追い小僧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/19 21:20 UTC 版)

後追い小僧の伝わる丹沢山地

後追い小僧(あとおいこぞう)は、神奈川県丹沢地方東部に伝わる妖怪で、丹沢の山霊(山の神霊)の一種[1]

概要

姿は4歳から10歳程度の子供のようで、ときには15歳ほどのこともある。服装はぼろぼろのむしろや、(かすり)の着物、毛皮などを纏っている[1]

山中を人間が歩いていると、後追い小僧は無言でその者の後をつけて歩く。つけられた者が気配を感じて後ろを振り向くと、木や岩の陰に隠れ、姿を消してしまう。後を追うだけでなく、ときには道案内のように前を歩くときもある[1]。土地の古老によれば、日中の午後に現れることが多いというが[1]、夜に現れる場合は提灯のような火を灯している[2]

声を出すことも物音を立てることもなく、人間に対して危害を加えることもないが、何度も後追い小僧に遭った人は、食べ物(握り飯、芋、菓子、干し柿など)を辺りの岩や切り株の上に置いて行ったという[1]。後をつけられている者が山を抜けて里に近づくと自然に消えるという説や[3]、夜に現れた場合は声をかければ消える[4]、などの説もある。

古来より山は死後の世界に近い場所とされ、死者の霊が集まってくると考えられていたことから、後追い小僧は、そうした霊が生きている人間になついて現れた者という説があり[4]、実際に前述のように、後追い小僧のために食べ物を残すのは、後追い小僧が自分の亡くした子供の霊ならばと思っての行動とされている[1]

脚注

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e f 山村民俗の会編 『山の怪奇・百物語』 エンタプライズ〈シリーズ山と民俗〉、1989年、94-96頁。ISBN 978-4-7825-2021-5
  2. ^ 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、32頁。ISBN 978-4-620-31428-0
  3. ^ 草野巧 『幻想動物事典』 新紀元社〈Truth in fantasy〉、1997年、13頁。ISBN 978-4-88317-283-2
  4. ^ a b 水木しげる妖鬼化』1、Softgarage、2004年、12頁。ISBN 978-4-86133-004-9

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「後追い小僧」の関連用語

後追い小僧のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



後追い小僧のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの後追い小僧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS