後出古墳群とは? わかりやすく解説

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後出古墳群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 02:14 UTC 版)

後出
古墳群
後出古墳群の位置

後出古墳群(うしろでこふんぐん)は、奈良県宇陀市大宇陀守道(おおうだもち)にある古墳群群集墳)。史跡指定はされていない。現在では大部分が失われている。

概要

奈良県南部、宇陀盆地南部の尾根上に築造された古墳群である。円墳21基が確認されており、1985-1986年昭和60-61年)に16基の、1992年平成4年)に1基の発掘調査が実施されている。

古墳群を構成する古墳は、いずれも直径8-18メートルの小円墳で、割竹形木棺を埋葬施設とする。大半の古墳から刀剣・鉄鏃が出土しているほか、短甲が計6領(2号墳3、3号墳2、7号墳1)出土、蛇行剣が計3口(3号墳1・7号墳1・18号墳1)出土している[1]

築造時期は、古墳時代中期の5世紀後半[2](大半はTK208-TK47型式期[1])頃を主体とする。小円墳群ながら豊富な武器・武具が副葬されており、武人的性格を示す中期群集墳として注目される[1]

遺跡歴

  • 1985-1986年昭和60-61年)、16基の発掘調査(奈良県立橿原考古学研究所、1986・1990年に概要報告、2003年に本報告)[1]
  • 1992年平成4年)、1基(18号墳)の発掘調査(奈良県立橿原考古学研究所、1993年に報告)[1]

主な古墳

後出古墳群の主な古墳[2]
名称 墳丘 埋葬施設 出土品
2号墳 円墳 直径13m 割竹形木棺 横矧板鋲留短甲3・鉄刀・鉄剣・鉾・鉄鏃・鎌・鉇・鉄斧・刀子・弓金具・玉類・須恵器
3号墳 円墳 直径12m 割竹形木棺2 第1主体:横矧板鋲留短甲1・鉄刀・鉄剣(蛇行剣1含む)・槍・刀子・鉄鏃・馬具・土師器
第2主体:五獣鏡1・三角板横矧板併用鋲留短甲1・鉄刀・鉄剣・槍・刀子・櫛・土師器
7号墳 円墳 直径12m 割竹形木棺 三角板鋲留短甲1・鉄刀・鉄剣(蛇行剣1含む)・鉄鏃・砥石
20号墳 円墳 直径15m 割竹形木棺2 第1主体:六獣鏡1・仿製四爬鏡1

関連施設

脚注

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 「宇陀地方の遺跡調査 昭和60年度」『奈良県遺跡調査概報』 1985年度、奈良県立橿原考古学研究所、1986年。 
  • 「宇陀地方の遺跡調査 昭和61年度」『奈良県遺跡調査概報』 1987年度、奈良県立橿原考古学研究所、1990年。 
  • 奈良県立橿原考古学研究所 編『宇陀郡大宇陀町後出古墳群 -18号墳-』奈良県教育委員会〈奈良県文化財調査報告書第69集〉、1993年。 
  • 奈良県立橿原考古学研究所 編『後出古墳群』奈良県教育委員会〈奈良県史跡名勝天然記念物調査報告第61冊〉、2003年。 



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