弛張熱とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 弛張熱の意味・解説 

弛張熱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 05:31 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

弛張熱(しちょうねつ,英remittent fever, 独remittierendes Fieber, 羅febris remmittens)とは、患者の発熱の類型(体温の変動の経過を追った変動)を分類した熱型のうちの一つである。
弛張熱では、日差が1℃以上で、最低体温が37℃以上である。
代表的疾患は敗血症、膿瘍、膠原病、成人still病など。[1]


概念

弛張熱

自然経過の中で患者の体温がどう推移するかを熱型といい、医師は様々な検査とともに熱型表も参考にして、診断を下す。

このうち、日差が1℃以上で、最低体温が37℃以上のものが弛張熱である。

現在の熱型の意義

熱型を知るためには患者に抗生剤や解熱薬を投与できず、患者は熱型を調べる期間中、苦痛を被ることになる。現在でも、他の諸検査の発達に伴って、診断における熱型の重要性が相対的に小さくなってきたことから、早期に解熱剤抗生剤を投与して患者の苦痛を最小限に留めようという立場と、依然できる限り解熱剤や抗生剤を使用せずに、熱の程度、熱型を観察する事が重要であるとする立場とがある。[2][3]

多くの疾患では熱型によらなくても診断を下せるが、特に不明熱などでは診断を付けて適切な治療を行なうために、可能な限り熱型の観察に努め、その間に十分な細菌学的検査を行なうことが望まれている。

このように、どちらの対場がよい悪いの問題ではなく、臨機応変に両者を使い分ける技能が医師には求められる。

その他の熱型

稽留熱 continuous fever 日差1℃以内で持続
大葉性肺炎腸チフスブルセラ症、粟粒結核
間欠熱 intermittent fever 高熱期と無熱期の日差が1℃以上で最低体温が37℃以下
マラリア敗血症、Felty症候群
回帰熱 relapsing fever 1ないし数日の正常体温期の間に短期間の有熱期
ボレリア感染、Hodgkinリンパ腫
周期熱 規則的な周期を持つ
マラリア(3日熱、4日熱)
波状熱 undulant fever 有熱期と無熱期が不規則に現交互にあらわれる
ブルセラ

脚注

  1. ^ 朝倉 内科学 第10版
  2. ^ 朝倉 内科学 第10版
  3. ^ 臨床医マニュアル第4版

参考文献

  • 南山堂 医学大事典 第19版


このページでは「ウィキペディア」から弛張熱を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から弛張熱を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から弛張熱 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「弛張熱」の関連用語

弛張熱のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



弛張熱のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの弛張熱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS