小鳥の結婚式とは? わかりやすく解説

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小鳥の結婚式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 23:43 UTC 版)

『鳥の結婚式』、アロイス・ブロッホによる絵葉書

小鳥の結婚式(ことりのけっこんしき、ドイツ語: Die Vogelhochzeit)は、ドイツ民謡、童話[1]およびその日本語版[1]。オスのツグミとメスのクロウタドリの2羽の結婚式について歌われている[2]

歴史

中世後期の1470年には既にウィーンハウゼン歌集ドイツ語版の中に発見されている[2]。17世紀から19世紀にかけて多くのメロディーで歌われるようになり、現代では最も有名なドイツの民謡の一つとされている[2][3]。1842年にアウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベンが『シレジアの民謡とメロディー』を出版して以降、特に人気を博した[2]。1976年11月にはイタリアにて開かれた第19回ゼッキーノ・ドーロにてイタリア詞『ゼッキーノ・ドーロ』として最優秀賞を受賞した[4]。その後、幼稚園や保育園で歌われるほどの人気の童謡となり、2023年時点でも多く歌われているとされている[5]

歌詞

一般的には26番まであるとされているが、35番やそれ以上ある歌詞もある[5]。すべての歌詞に共通するのは、2羽の鳥の結婚式を人間の慣習に倣って描写している点であり[5]、ツグミとクロウタドリの花嫁と花婿が登場し、ハイタカが仲人として二人を引き合わせたとされている[5]

第3番まで
ドイツ語歌詞 直訳

Ein Vogel wollte Hochzeit machen
in dem grünen Walde.
Fiderallala, fiderallala, fiderallalalala.

鳥は緑の森で結婚したかったのです。
フィデララ、フィデララ、フィデラララ。

Die Drossel war der Bräutigam,
die Amsel war die Braute.
Fiderallala, fiderallala, fiderallalalala.

ツグミが花婿で、
クロツグミが花嫁だった。
フィデララ、フィデララ、フィデラララ。

Die Drossel war der Bräutigam,
die Amsel war die Braute.
Fiderallala, fiderallala, fiderallalalala.

ハイタカ、ハイタカ、
彼は仲人でした。
フィデララ、フィデララ、フィデラララ。

メロディー

前半4小節でメッセージを伝え、後半4小節で「フィデラララ」と祝う構成となっており、これらのメロディーが繰り返される[5]


\relative c''
{ \autoBeamOff \key g \major \time 2/4 \partial 8
b8 | d b d b | c a c a | b g d' b | a[ d] d d16 b |
g8 g g d'16 b | a8 a a8 d16 c | b8 g a fis | g4 r8 \bar "|." }
\addlyrics
{
Ein Vo -- gel woll -- te Hoch -- zeit ma -- chen in dem grü -- nen Wal -- de. Fi -- di -- ral -- la -- la, fi -- di -- ral -- la -- la, fi -- di -- ral -- la -- la -- la -- la.
}

日本語版

みんなのうた
ゲレンデの穴

小鳥の結婚式
歌手 ボニージャックス(#1・#2)
東京放送児童合唱団(#1)
杉並児童合唱団(#2)
作詞者 早川義郎(#1)
中山知子(#2)
作曲者 ドイツ民謡
編曲者 越部信義(#1)
小林秀雄(#2)
映像 実写(#1)
シルエット(#2)
映像制作者 木馬座(#2)
初放送月 1964年2月 - 3月(#1)
1965年6月(#2)
NHK みんなのうた 楽曲情報
テンプレートを表示

中山知子による日本語詞『小鳥の結婚式』は1965年6月にNHKの「みんなのうた」にて公開された[1]。2021には「NHKみんなのうた名曲100歌~<1961-1970>思い出の歌たち~」に収録されている[6]

編曲・変奏曲

この民謡を基にした編曲作品も多く存在し、ディーター・ヴェルマン(Dieter Wellmann)による合唱変奏曲『Die Vogelhochzeit - Chorvariationen in musikalischer Stilfolge』などが知られている[7]

また、日本においても中山知子により日本語詞小鳥の結婚式』がNHKにより公開されたほか[1]Keyによる恋愛アドベンチャーゲーム『Summer Pockets』ではコミカルな歌詞を加えた『紬の夏休み』が使用されている[8]。更に『みんなのうた』では『小鳥の結婚式』として紹介する前の1964年2月に、「日本語詞:早川義郎」「編曲:越部信義」による『ゲレンデの穴』として紹介された[9]

外部リンク

小鳥の結婚式 - 歌ネット

脚注

  1. ^ a b c d 小鳥の結婚式”. NHK みんなのうた (2015年1月15日). 2025年5月19日閲覧。
  2. ^ a b c d Die Vogelhochzeit”. Noten & Video zum Mitsingen. 2025年5月20日閲覧。
  3. ^ Ludwig Erk, Franz Magnus Böhme (Hrsg.): Deutscher Liederhort. 1. Band. Breitkopf und Härtel, Leipzig 1893, S. 510–517 (hathitrust.org).
  4. ^ Nozze nel bosco”. Zecchino d'Oro. 2025年6月2日閲覧。
  5. ^ a b c d e Die Vogelhochzeit”. Noten, Liedtext, MIDI, Akkorde (2023-24-Augu). 2025年6月9日閲覧。
  6. ^ 【復刻盤】NHKみんなのうた名曲100歌~<1961-1970>思い出の歌たち~”. HMV&BOOKS online (2021年12月8日). 2025年5月20日閲覧。
  7. ^ Wellmann, Dieter: Die Vogelhochzeit - Chorvariationen in musikalischer Stilfolge” (スペイン語). Stretta Music. 2025年6月2日閲覧。
  8. ^ ミュージック フロム ゲームワールド:Track 165 「クーロンズ・ゲート」「Summer Pockets」”. 4Gamer.net (2017年10月26日). 2019年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  9. ^ NHKみんなのうた ゲレンデの穴”. NHK. 2025年6月10日閲覧。



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