大比良瑞希
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 08:18 UTC 版)
大比良瑞希 | |
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生誕 | 1年3月??日 |
出身地 |
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ジャンル |
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職業 | シンガーソングライター |
担当楽器 |
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活動期間 | 2015年 - |
レーベル |
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公式サイト | Mizuki Ohira Official Site |
大比良 瑞希(おおひら みずき、1月3日 - )は日本の女性シンガーソングライター、トラックメイカー[2][3][4]。東京都出身[2]。
略歴
ソロ活動開始まで
幼稚園でピアノを、小学校でエレクトーンを習い、幼い頃から楽器に親しんで育つ[5]。SMAPや嵐のコンサートを観て音楽が持つエンターテインメント性を知り、中学生で友人に誘われてギター担当としてバンド活動に参加したことから音楽を演奏する楽しさにも目覚める[5][6]。
高校生になってからは作詞作曲にも取り組み、歌も自分で歌ってデモテープを作成したりバンド活動に勤しむ傍ら、エレキギターとリズムマシンだけで一人でライブ出演するなど積極的に経験を重ねた[5][7]。大学卒業前後の2012年頃からバンド「ヘウレーカ」のボーカルとして活動[8]。ヘウレーカでは約2年半でアルバムを2枚制作するも、メンバー間の方向性の違いから2014年夏に解散に至り、ソロのシンガーソングライターとしての道を歩むことになった[9]。
シンガーソングライターとして
バンド解散前からデモ作成などでDTMの活用はしていたものの、ソロになって本格的にバンドサウンドに限定しないアレンジやトラック作りに取り組むようになる[9]。そんな中でバンド時代から交流のあったチェロ奏者の伊藤修平にトラックを聞かせてフィードバックをもらうようになり、結果的に伊藤をサウンド含む全体プロデューサーに迎える形で2015年3月に1st EP『LIP NOISE』をリリースした[9]。
2015年は『LIP NOISE』の音源やミュージックビデオをきっかけに多くの人との出会いが生まれ、tofubeatsなど同世代ミュージシャンと交流が盛んになる[5][7][10]。出会いの中の一つが契機となり同年7月のFUJI ROCK FESTIVAL出演が実現、ミュージシャンとして活動を続けていく自分自身を肯定できる経験となった[5]。翌2016年発表の1stアルバム『TRUE ROMANCE』はEPの延長線上にある内容で、大比良のアレンジ力向上による凝ったサウンドとポップスのバランスを取った作品となっている[10][11]。
2020年には2ndアルバム『IN ANY WAY』を発表[12]。前作から約4年の間に蔦谷好位置(KERENMI)、七尾旅人、tofubeatsらとコラボレーションしてきた楽曲を収録し、「次に進もう」という意志をテーマに制作した内容となる[13]。本作はリリース予定日がコロナウイルスの緊急事態宣言と被ったため発売延期となり[14]、アルバムのリリースツアー開催も難しくなったため、ファンとのコミュニケーションを深めるため同年7月にファンクラブを開設した[6]。
2022年、コロナ禍で思うように活動ができない経験をした後の『Little Woman』は、都会で生きる女性の孤独や焦りを表現した内省的なアルバムとなった[15]。従来の「サウンドで伝えられるもの」を重視する方針から、作詞作業にコライトを取り入れるなど歌詞の物語性に注力し、アレンジは全曲異なるアレンジャーに依頼する新たなアプローチを採用した[15]。一転2023年リリースの『HOWLING LOVE』は、より温かみを感じさせることを意識して「愛」をテーマに掲げた作品となった[16]。
2024年、自主レーベル「Fetanu」を設立してアーティストとして表現や活動の幅を広げていく体制を整える[1]。2025年2月には、全曲本人の作詞作曲プロデュースによる5thアルバム『After All, All Mines』をリリースした[17]。
人物
スモーキーでソウルな歌声と、エレキギターを爪弾くスタイルで活動している[18]。積極的なリリース/ライブ活動を行っており、これまでFUJI ROCK FESTIVAL・SUMMER SONIC・GREENROOM FESTIVAL・りんご音楽祭など、大型音楽フェスにも出演[18]。
ライブではバンド編成や1人弾き語り編成など、その時々に合わせて自由自在。エレキギターを片手に全国各地でパフォーマンスする[18]。ライブスタイルにおいては、ジェフバックリーや、同じく女性ギタリスト・シンガーソングライターである、ファイストやリアン・ラ・ハヴァスなどを敬愛している。
ディスコグラフィ
シングル
リリース日 | タイトル | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|
2017年8月16日 | Real Love | 配信 | |
2017年9月20日 | アロエの花 | ||
2017年10月31日 | 見えない糸 ~Never Be The Lonely One~[11] | ||
2017年11月29日 | Good Night - Xmas Remix by The Hotpantz | ||
2018年2月21日 | アロエの花 (tofubeats remix) | ||
2018年3月14日 | 見えない糸 (STUTS remix) | ||
2018年5月16日 | Real Love (Kai Takahashi remix) | ||
2018年10月17日 | Real Love / Real Love (Kai Takahashi Remix)[19] | HR7S115 | 7"レコード |
2018年11月14日 | いかれたBABY[注 1] | 配信 | フィッシュマンズのカバー |
2018年11月21日 | 見えない糸 ~Never Be The Lonely One~ / 見えない糸 ~Never Be The Lonely One~ (Stuts Remix) |
HR7S116 | 7"レコード |
2018年12月12日 | アロエの花 / アロエの花(Tofubeats Remix) | HR7S117 | |
2019年2月27日 | ミントアイス | 配信 | |
2019年4月3日 | SAIHATE | ||
2019年10月25日 | 無重力[21] | ||
2019年12月25日 | Eternal My Room[22] | ||
2020年3月25日 | ムーンライト feat. 七尾旅人[23] | ||
2020年4月29日 | 甘い涙 | ||
2021年1月20日 | ムーンライト feat. 七尾旅人[24] | HR7S207 | 7"レコード |
2021年2月3日 | 遠回り[25] | 配信 | |
2021年3月3日 | ダージリン | ||
2021年6月9日 | HOLIDAY (feat. Michael Kaneko) | ||
2021年10月13日 | How many | ||
2022年2月9日 | ダージリン (Bousi Studio Remix) | ||
2022年6月22日 | He & She「Dear My Boo (She said)」 | ||
2022年6月28日 | ヴィーナス[26] | Original Loveのカバー | |
2022年11月16日 | TRUE ROMANCE[27] | ||
2022年11月27日 | ヴィーナス | IMWVR1005 | 7"レコード |
2023年2月22日 | LOVEBIRDS | 配信 | |
2023年4月26日 | Jam[28] | ||
2023年7月5日 | いとしさ[29] | ||
2023年8月2日 | I WANNA 罠? | ||
2023年9月13日 | 理想の沼 (feat. CHICO CARLITO) | ||
2024年11月20日 | How are you feeling?[1] |
アルバム
リリース日 | タイトル | 形態 | 品番 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016年7月6日 | TRUE ROMANCE[7] | CD | MIII-0002 | |
RED | ||||
2020年6月3日 | IN ANY WAY[12] | CD | UXCL-241 | |
2022年3月30日 | Little Woman[15] | UXCL-275 | ||
2022年11月3日 | LP | MHJL-228 | ||
2023年9月27日 | HOWLING LOVE[30] | CD | UXCL-308 | |
Fetanu(自主レーベル) | ||||
2025年2月19日 | After All, All Mine[17] | 配信 | ||
2025年3月19日 | CD | FETANU-2025 |
EP
リリース日 | タイトル | 形態 | 規格品番 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2015年3月1日 | LIP NOISE[31] | 配信 | ||
2015年7月1日 | CD | MIII-0001 | ||
2018年9月5日 | unify[32] | DDCB-12359 |
参加作品
リリース日 | アーティスト | タイトル | 収録アルバム |
---|---|---|---|
2018年1月16日 | CUBEDEM | Gather the light(feat. 大比良瑞希)[33] | |
2019年6月21日 | KERENMI | からまる feat. 大比良瑞希[34][注 2] | 1 |
2020年10月21日 | 尾崎裕哉 | つかめるまで(feat. 大比良瑞希)[36] | Golden Hour |
音楽が終わる頃(feat. 大比良瑞希)[36] | |||
2020年12月2日 | DJ HASEBE | 幻じゃない海辺 feat. 大比良瑞希 & KEISUKE SAITO[37] | |
2021年9月29日 | am8 | Scala ft. Mizuki Ohira + KIKI TAM[38] | |
2022年6月29日 | FRISCO | a touch of magic feat. Mizuki Ohira | |
2022年9月14日 | 七尾旅人 | ドンセイグッバイ(feat. 大比良瑞希)[39] | Long Voyage |
2023年6月7日 | Slowly | Drippin' Summer feat. Mizuki Ohira[40] |
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “大比良瑞希が自主レーベル・Fetanu設立、1Co.INR迎えた約1年半ぶり新曲リリース”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2024年11月20日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ a b “BIOGRAPHY / Mizuki Ohira”. Mizuki Ohira Official Site. 2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希(オオヒラ ミズキ) | SPACE SHOWER MUSIC”. SPACE SHOWER MUSIC (スペースシャワーミュージック). 2024年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月16日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、様々なアーティストとのコラボレーションによる、待望の3rdアルバム『Little Woman』本日リリース!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2023年4月16日閲覧。
- ^ a b c d e 大比良瑞希(インタビュアー:江藤勇也)「時代に流されないメロディを。大比良瑞希の軌跡と挑戦」『DIGLE MAGAZINE』、CotoLab.、2018年3月10日 。2025年2月22日閲覧。
- ^ a b 大比良瑞希(インタビュー)「「好き」をピンポイントに共感してくれるファンを喜ばせたいし、裏切りたくない」『Be independent!』、SKIYAKI、2022年3月4日 。2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c “エレガントなストリート・ミュージックを──女流ニューポップの大本命、大比良瑞希の1stアルバム”. OTOTOY. オトトイ (2016年7月24日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ 大比良瑞希『マニアックでメロウな音を奏でる注目の男女ユニット、ヘウレーカ-HEUREKA-』(インタビュアー:まつもとたくお)、2014年6月9日 。2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c 大比良瑞希(インタビュー)「大比良瑞希 インタビュー|日常に溶けこむ凛とした美しいサウンドを奏でるマルチSSW」『THE MAGAZINE』、TuneCore Japan、2015年12月8日 。2025年2月22日閲覧。
- ^ a b 大比良瑞希(インタビュアー:Fuhito Kitahara)「7月6日に1stアルバム『TRUE ROMANCE』をリリースした大比良瑞希とプロデューサーの伊藤修平氏にインタビュー」『UROROS』、2016年8月16日 。2025年2月22日閲覧。
- ^ a b 大比良瑞希(インタビュアー:中村拓海)「大比良瑞希が語る、音楽への向き合い方の変化と"波乱の1年" 「身近な人に孤独を感じてほしくない」」『Real Sound』、blueprint、2017年10月26日 。2025年2月21日閲覧。
- ^ a b “大比良瑞希の2ndアルバム詳細発表、七尾旅人迎えた「ムーンライト」MV公開”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年4月8日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ 大比良瑞希(インタビュアー:カワムラユキ)「アルバム『IN ANY WAY』には“次に進もう”の思いを込めて」『block.fm』、2020年6月19日 。2025年2月23日閲覧。
- ^ 大比良瑞希(インタビュアー:天野史彬)「大比良瑞希が考える、音楽の本質と自身の居場所」『Be independent!』、SKIYAKI、2021年9月24日 。2025年2月23日閲覧。
- ^ a b c 大比良瑞希(インタビュアー:カワムラユキ)「カワムラユキに語る、アルバム『Little Woman』で示す現在地」『block.fm』、2022年1月12日 。2025年2月21日閲覧。
- ^ 大比良瑞希(インタビュアー:松永良平)『Real Sound』、blueprint、2023年10月24日。https://realsound.jp/2023/10/post-1467274.html。2025年2月23日閲覧。
- ^ a b “大比良瑞希が1年半ぶりニューアルバム本日配信 岡田拓郎、1Co.INR、山本連、井上惇志ら参加”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2025年2月19日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ a b c “大比良瑞希が、エレキギターのリフを中心にUKガラージポップのテイストを取り入れた意欲作『LOVEBIRDS』を配信!アートワークにも注目!”. PR TIMES. 2023年6月28日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、7インチ・アナログ盤を3ヶ月連続リリース ライブ会場で先行販売も”. SPICE. イープラス (2018年9月29日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希がフィッシュマンズカバーしたMV公開、ラヴァーズロックコンピ第7弾発売”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年11月28日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、tofubeatsプロデュースの新曲「無重力」MV公開&音源配信開始”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2019年10月25日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、来春発売アルバムから先行配信第二弾をデジタルリリース”. BARKS (2019年12月25日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、新アルバムから七尾旅人とのデュエットソング「ムーンライト」を先行配信”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年3月25日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希『ムーンライト feat.七尾旅人』が7インチ・リリース!”. HMV&BOOKS online. ローソンエンタテインメント (2020年11月18日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、Shin Sakiuraをプロデューサーに迎えた新曲「遠回り」をリリース”. block.fm. Block FM (2021年2月3日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希がOriginal Love「ヴィーナス」をラヴァーズ・レゲエでカバー HONEYコンピより先行配信”. Spincoaster. スピンコースター (2021年6月28日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、新曲「TRUE ROMANCE」をリリース&アートワークも公開”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2022年11月18日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希、カーネーション 直枝政広が楽曲提供・プロデュースした新シングル「Jam」リリース”. Real Sound. blueprint (2023年4月12日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ 大比良瑞希(インタビュアー:松永良平)「大比良瑞希×butaji、曲作りを通して知る新しい自分 生活や社会と向き合うことで音楽に落とし込まれる“希望”とは?」『Real Sound』、blueprint、2023年6月28日 。2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希が4thアルバムリリース、CHICO CARLITOとの新曲を先行配信”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2023年8月30日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ 大比良瑞希 [@mimimizukin] (2015年1月31日). "2015.3.1.sun Solo 1st EP "LIP NOISE" リリース&ワンマンライブします!…". X(旧Twitter)より2025年2月22日閲覧。
- ^ “大比良瑞希「unify」より新MV公開、リリパにマイカ・ルブテと小林うてな”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年9月5日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “注目のシンガー大比良瑞希を迎えたCUBEDEMの2ndシングル『Gather the light』がリリース”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2018年1月18日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “蔦谷好位置KERENMIの1stアルバムにミセス大森、髭男藤原、Chara、SANABA高岩、奇妙ら”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年1月26日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “ドラマ『電影少女 2019』主題歌、KERENMI「からまる feat.大比良瑞希」MV公開”. Real Sound. blueprint (2019年6月20日). 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b “尾崎裕哉の1stアルバムにKREVA、布袋寅泰、大比良瑞希、トオミヨウ、SUNNY BOYら参加”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年9月15日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “DJ HASEBE、大比良瑞希 & KEISUKE SAITO迎えた新曲配信 4週連続リリース作のMV一挙公開”. Spincoaster. スピンコースター (2020年12月3日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “am8、新作「Scala ft. 大比良瑞希 + KIKI TAM」リリース”. BARKS (2021年9月29日). 2025年2月23日閲覧。
- ^ “七尾旅人、大比良瑞希迎えたデュエット曲「ドンセイグッバイ」MVを公開”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2022年10月14日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “大比良瑞希参加したSlowlyの最新曲「Drippin' Summer feat. Mizuki Ohira」リリース バンドセットワンマン開催も”. Real Sound. blueprint (2023年6月7日). 2025年2月21日閲覧。
外部リンク
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