堂山古墳群 (磐田市)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/03 02:37 UTC 版)
堂山古墳群(どうやまこふんぐん)は、静岡県磐田市東貝塚にある古墳群。1号墳(堂山古墳)出土遺物は静岡県指定有形文化財に指定されている。
概要
静岡県西部、天竜川東岸の磐田原台地南縁東半部に営造された古墳群である。前方後円墳1基(1号墳)・円墳3基・方墳3基の計7基から構成される。
古墳群のうち唯一の前方後円墳である1号墳(堂山古墳:「薬師堂の山」の呼称に由来)は、明治期の土取りによって大部分が消滅しているが、墳丘長約110メートルを測った静岡県内最大級の大型前方後円墳である[1]。墳丘表面では葺石・埴輪(円筒埴輪・形象埴輪)が認められ、埴輪棺も検出された[1]。副葬品としては、明治期に鏡・玉類・刀・金銅製帯金具などが出土している[1]。築造時期は古墳時代中期の5世紀中葉頃と推定される[1]。2号墳は直径17.5メートルを測る円墳であり、形象埴輪(船形・水鳥形・家形埴輪)などが検出され、1号墳と同時期の築造と推定される[1]。3号墳は一辺約24メートルの方墳で、葺石・埴輪が検出されており、1号墳と同時期の築造と推定される[1]。そのほか4・7号墳は方墳、5・6号墳は円墳と推定されるが、未調査のため詳らかでない[1]。
1号墳(堂山古墳)の出土遺物は1996年(平成8年)に静岡県指定有形文化財に指定されている[2]。
一覧
古墳名 | 形状 | 規模 | 出土品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1号墳 (堂山古墳) |
前方後円墳 | 墳丘長110m | 銅鏡・玉類・刀・金銅製帯金具 | 静岡県最大級の規模 1892年中心部土取り、遺物出土 1956-1957年発掘調査 1984年度以降確認調査 出土遺物は静岡県指定有形文化財 |
2号墳 | 円墳 | 直径17.5m | 埴輪 | 1980年発掘調査 |
3号墳 | 方墳 | 一辺約24m | 1999年発掘調査 墳丘は復元整備 | |
4号墳 | 方墳 | 未調査 | ||
5号墳 | 円墳 | 未調査 | ||
6号墳 | 円墳 | 未調査 | ||
7号墳 | 方墳 | 一辺約20m | 2010年度発掘調査 |
文化財
静岡県指定文化財
脚注
参考文献
(記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(磐田市教育委員会文化財課、2020年設置)
- 「堂山古墳出土遺物」 『磐田の文化財』磐田市教育委員会、2009年。
- 「堂山古墳」 『日本歴史地名大系 22 静岡県の地名』平凡社、2000年。ISBN 4582490220。
関連文献
(記事執筆に使用していない関連文献)
- 磐田市立郷土館 編 『堂山古墳 昭和59年度 -周堀確認調査報告書-』磐田市教育委員会、1986年。
- 磐田市埋蔵文化財センター 編 『堂山古墳 昭和61年度 -後円部・周堀発掘調査報告書-』磐田市教育委員会、1987年。
- 磐田市埋蔵文化財センター 編 『堂山古墳 平成2年度 -後円部発掘調査報告書-』磐田市教育委員会、1991年。
- 原秀三郎 編 『遠江堂山古墳』磐田市教育委員会、1995年。
- 磐田市埋蔵文化財センター 編 『堂山2号墳・堂山古墳発掘調査報告書』磐田市教育委員会、1999年。
- 磐田市埋蔵文化財センター 編「堂山古墳群 第22次」 『静岡県磐田市市内遺跡発掘調査報告書 -平成30年度国庫及び県費補助事業に伴う市内遺跡発掘調査等事業-』磐田市教育委員会、1999年。
関連項目
外部リンク
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