会則を受け取る聖ブルーノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/04 20:26 UTC 版)
イタリア語: San Bruno riceve la Regola 英語: Saint Bruno Receiving the Rule |
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作者 | ホセ・デ・リベーラ |
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製作年 | 1643年 |
素材 | 銅板上に油彩 |
寸法 | 38 cm × 27 cm (15 in × 11 in) |
所蔵 | サン・マルティーノ美術館、ナポリ |
『会則を受け取る聖ブルーノ』(かいそくをうけとるせいブルーノ、伊: San Bruno riceve la Regola、英: Saint Bruno Receiving the Rule)は、17世紀スペイン・バロック期の画家ホセ・デ・リベーラが銅板上に油彩で描いた絵画である。画面下部右側の石の上に「Jusepe de Ribera español / F. 1651 (スペイン人フセぺ・デ・リベーラ/1643年制作)」という画家の署名と制作年が記されている。作品は現在、ナポリのサン・マルティーノ美術館に所蔵されている[1]
作品
1638年ごろ、リベーラは、サン・マルティーノ修道院・教会の大がかりな改修の一部をなす一連の作品の依頼を受けた[2]。ジョヴァンニ・バッティスタ・ピザンテ (Giovanni Battista Pisante) の治める修道院で、リベーラは大規模な装飾を任されるべき最も重要なナポリの画家の1人であった。すでに1637年に、彼は教会の聖具室用に豪勢な『ピエタ』 (サン・マルティーノ美術館) の祭壇画を制作していた (この作品は17世紀末に新宝物室に移され、現在もそこに展示されている)[2]。
リベーラの関心を引いた委嘱は、預言者を表す14点の連作を制作することであった。それらは教会の身廊に沿って配置されることになっていたもので、1638-1643年の間に制作された[3]。やはり1643年に制作された本作『会則を受け取る聖ブルーノ』 (カポディモンテ美術館、ナポリ) と呼ばれる小さな銅板画とほかの3点のキャンバス画は、1643年からリベーラが患った病気のために1651年になってようやく納められた。これら3点のうち、大きな『使徒たちの聖体拝領』は教会の聖歌隊席の側壁に、ほかの2点である『聖セバスティアヌス』と『聖ヒエロニムス』は修道院の個室のために意図された。 これら3点と『会則を受け取る聖ブルーノ』には、合計100ドゥカートが支払われた[4]。
本作は小さなサイズであるが、1630年代からリベーラの絵画に影響を与えた様式的変貌の過程を証だてており、それは明るく豊かな色彩により特徴づけられる[5]。
本作中のカルトジオ会の創始者ケルンのブルーノは、リベーラが過去に描いたブルーノの人物像を用いている。すなわち、ベルリン絵画館蔵の『聖母子と聖ブルーノ』とカポディモンテ美術館 (ナポリ) 蔵の『地上の三位一体』に登場するブルーノと同じである。
ギャラリー
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『地上の三位一体』 ( 部分) カポディモンテ美術館、ナポリ
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『聖母子と聖ブルーノ』絵画館 (ベルリン)
脚注
- ^ Spinosa, Nicola (2003) (イタリア語). Ribera. L'opera completa. Nápoles: Electa. p. 362
- ^ a b Spinosa, Nicola (2003) (イタリア語). Ribera. L'opera completa. Nápoles: Electa. pp. 179-185
- ^ Morales y Marín, José Luis (1991) (イタリア語). Barocco e rococò. Novara, De Agostini. p. 278. ISBN 88-402-9217-9
- ^ Spinosa, Nicola (1992) (イタリア語). Jusepe de Ribera. Milán: Giunti Editore. pp. 24-38
- ^ N. Spinosa (1978). L'opera completa del Ribera. Rizzoli Editore. p. 120
参考文献
- N. Spinosa (2003) (イタリア語). Ribera. L'opera completa. Electa
- N. Spinosa (1992) (イタリア語). Jusepe de Ribera. Giunti Editore
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