交響曲第36番 (モーツァルト)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 交響曲第36番 (モーツァルト)の意味・解説 

交響曲第36番 (モーツァルト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 06:04 UTC 版)

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
20140503 PET 1-3: Mozart Symphony No.36 "Linz" Cam1 - 土屋邦雄指揮フィルハーモニア・アンサンブル東京による演奏。フィルハーモニア・アンサンブル東京公式YouTube。

交響曲第36番 ハ長調 K. 425は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト1783年に作曲した交響曲

概要

モーツァルトはその年の10月から11月に掛けてのリンツ滞在中に、伯爵であったトゥーン・ホーエンシュタインの予約演奏会のため、この曲を4日間という速さで作曲した。そのような経歴からこの交響曲は『リンツ』という愛称で呼ばれている。この優れた作品が4日という短期間で書かれたことは驚異的であり、モーツァルトが天才であることを証明する具体例のひとつとされる。

また曲の完成度も第38番「プラハ」や、第39番第40番第41番「ジュピター」(いわゆる三大交響曲)に次ぐウィーン古典派交響曲の傑作であり、演奏の機会・録音とも多い。

モーツァルトの生前から自筆スコアは行方不明である。1991年クリフ・アイゼン校訂のペータース版スコア、2024年ヘンリク・ヴィーゼ校訂のブライトコプフ・ウント・ヘルテル社版は、食い違いのある複数の筆写パート譜を典拠に新版を構成している。後者は2001年に西川尚生(慶應義塾大学)が発見したモーツァルトの遺品と思われるパート譜資料に基づく。

楽器編成

曲の構成

演奏時間は約26〜37分(テンポや反復の有無により差異が大きい)。

  • 第1楽章 アダージョ - アレグロ・スピリトーソ
    ハ長調、4分の3拍子 - 4分の4拍子、序奏付ソナタ形式
    
\relative c' {
  \tempo "Adagio"
  \time 3/4
  c8\f[ r16. c32] e8[ r16. e32] a8[ r16. a32] |
  b,8[ r16. d''32] d4^\markup { \italic ten. } r8 r16. b,,32 |
  bes8[ r16. <e' c'>32] q4^\markup { \italic ten. } r |
}
    モーツァルトが、自身の交響曲で初めて緩やかな序奏を置いた。「生き生きと」と指示された主部はシンプルであるが、湧き上がる美しさがある。第1主題の旋律は全音符で伸ばされた音が印象的であり、旋律中のb音が彩を添えている。第2主題は激しい短調長調が交替する。全体的にオクターブの跳躍が目立つ。
  • 第2楽章 アンダンテ
    ヘ長調、8分の6拍子、ソナタ形式。
    当時の緩徐楽章にしては珍しく、トランペットとティンパニが用いられている。展開部で低弦とファゴットによって提示される、スタッカートのパッセージが印象的である。
  • 第3楽章 メヌエット
    ハ長調、4分の3拍子。
    飛び跳ねるようなリズムが印象的な主部と、オーボエとファゴットの美しい二重奏のトリオからなる。
  • 第4楽章 プレスト
    ハ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。
    両主題は4度跳躍を持ち、軽やかな第1主題とレガートな第2主題のあと、対旋律を伴ってドーシドの音型が模倣され、展開されていく。その後も7度跳躍の印象的なパッセージが現れ、コデッタも充実している。展開部はアルペッジョの旋律が展開される。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「交響曲第36番 (モーツァルト)」の関連用語

交響曲第36番 (モーツァルト)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



交響曲第36番 (モーツァルト)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの交響曲第36番 (モーツァルト) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS