ヴェブレン階層とヴェブレン関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 21:46 UTC 版)
「ヴェブレン階層」の記事における「ヴェブレン階層とヴェブレン関数」の解説
ヴェブレン関数 φ は、可算な順序数の上に定義される二変数関数で、最小の非可算な順序数を Ω で表すとき、ヴェブレン関数の値からなる Ω × Ω の超限次元の行列を特にヴェブレン階層と呼ぶ。ヴェブレン階層の α 行目、β 列目の値を φα(β) と書く。ここでは、概略的な説明にとどめる。 まず、ヴェブレン階層の 0 行目に additive principal な順序数を小さいものから順番に置く。(すなわち、 φ0(α) = ωα)次に、1 行目には、 φ0(α) = α をみたすような α を小さいものから順番に置く。これらの順序数 φ1(α) を、特に εα と書く。例えば、 ε0 は、 ω α = α {\displaystyle \omega ^{\alpha }=\alpha } となる最小の順序数 α {\displaystyle \alpha } で、直感的には ω ω ω … {\displaystyle \omega ^{\omega ^{\omega ^{\dots }}}} の値である。ただし、ε0ω = ε0 ではないことに注意せねばならない。従来の羃の表記よりは、右上から左下にかけて小さく書かれている方が、意味的には正しい。ε1 は、ε0 より大きく ωα = α であるような最小の数 α で、 ϵ 0 + 1 , ω ϵ 0 + 1 , ω ω ϵ 0 + 1 {\displaystyle \epsilon _{0}+1,\ \omega ^{\epsilon _{0}+1},\ \omega ^{\omega ^{\epsilon _{0}+1}}} の極限として与えられる。一般に、後続順序数 α + 1 に対して、ヴェブレン階層の α+1 列目は φα(β) = β となるような β が順番に置かれ、極限順序数 λ に対しては、それより上のすべての行に現れる順序数が順番に置かれる。 このように構成されたヴェブレン階層の値は、次のように比較することができる:次のいずれかが成り立つ場合、 φα(β) < φγ(δ)。 α = γ かつ β < δ α < γ かつ β < φγ(δ) α > γ かつ φα(β) < δ
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