ヴァテライトとは? わかりやすく解説

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ヴァテライト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 07:18 UTC 版)

ヴァテライト
Vaterite from San Vito quarry, San Vito, Monte Somma, Somma-Vesuvius Complex, Italy
分類 炭酸塩鉱物
シュツルンツ分類 05.AB.20
化学式 CaCO3
結晶系 六方晶系
対称 Hexagonal dihexagonal dipyramidal
ヘルマン・モーガン記号: 6/mmm (6/m 2/m 2/m)
空間群: P63/mmc {P63/m 2/m 2/c}
単位格子 a = 4.13 Å, c = 8.49 Å; Z = 6
晶癖 Fine fibrous crystals, typically less than 0.1 mm, in spherulitic aggregates.
断口 凸凹で割れやすい
粘靱性 脆い
モース硬度 3
光沢 ややガラス質でロウ状
無色
透明度 透明または半透明
比重 2.54
光学性 一軸性(+)
屈折率 nω = 1.550 nε = 1.650
複屈折 δ = 0.100
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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ヴァテライト(vaterite)は炭酸カルシウム(CaCO3)の多形の一つ。弱塩基性の溶液中で安定相の方解石に先んじて晶出する。他の二つの多形である、方解石アラレ石に比べ高い溶解度を持ち、溶液中では速やかにこれらの相に液相を媒介して相転移する。バテライト、ファーテル石とも言われる。

ドイツの鉱物学者ハインリッヒ・アウグスト・ファーターにちなみ命名された。

溶液中で合成すると、放射状の球晶として形成する。また、合成条件により、多彩なモルフォロジーを示す。

リン酸イオンの存在によって、その形成が強力に抑制されるが[4]、リン酸イオン存在下では溶解過程も抑制され、安定化するということが知られている[5]結晶構造は、カルシウムイオンの六員環構造が層状に積み重なっており、この隙間に炭酸イオンが存在している構造をなしている。炭酸イオンの位置や、配列により、複数の結晶構造が存在するということが知られている[6]。また、CaとCO3の比率はかなり変動し、安定性の低いものの方がCO3比が大きい。

出典

  1. ^ Mindat.org
  2. ^ Handbook of Mineralogy
  3. ^ Webmineral data
  4. ^ Y. Sugiura K. Onuma Y. Kimura K. Tsukamoto A. Yamazaki, 2013, Am Min, 98, 262-270.
  5. ^ Y. Sugiura K. Onuma Y. Nagao M. Momma K. Kimura K. Tsukamoto A. Yamazaki, 2014, J Cera Soc Jpn, 122, 679-687.
  6. ^ R. Demichelis, P. Raiteri, J.D. Gale, R. Dovesi, 2013, Cryst Growth Des, 13, 2247-2251.

関連項目




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