ヴァイオリンソナタ第1番 (メンデルスゾーン)とは? わかりやすく解説

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ヴァイオリンソナタ第1番 (メンデルスゾーン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 13:34 UTC 版)

ヴァイオリンソナタ第1番 ヘ長調 MWV Q7は、フェリックス・メンデルスゾーンが11歳であった1820年に作曲したヴァイオリンソナタ

概要

メンデルスゾーンは10歳になる1819年5月にヴァイオリンを習い始め、その才能は父のアブラハムを驚かせていた[1]。楽曲は彼が作曲を学んでいたカール・フリードリヒ・ツェルターの保守的な教えに背くような内容となっている。

最初の出版は1977年に行われた。

楽曲構成

3つの楽章で構成される。演奏時間は約15分。

第1楽章

Allegro 4/4拍子 ヘ長調

この楽章は主題をひとつしか有しておらず、その曲調にはC.P.E.バッハの影響が感じられる[1]。主題を譜例1に示す。

譜例1


\relative c'' \new Staff {
 \key f \major \time 4/4 \set Score.tempoHideNote = ##t \tempo "Allegro." 4=145
 f4.^\markup (Vn.) c16 a f4 
 << { <d' a>^\markup (Pf.) <b g> <c g> } \\ { f, f e } >> r2
 es'4.^\markup (Vn.) c16 g es4
 << { <c' g>^\markup (Pf.) <a f> <bes f> } \\ { es, es d } >> r2
}

提示部に繰り返しが指定されているほか、再現部の終わりにも繰り返しと1番括弧、2番括弧が設けられており、2番括弧からは華やかなコーダとなって楽章を結ぶ。

第2楽章

Andante 3/8拍子 ヘ短調

主題と4つの変奏で構成される変奏曲[1]。ヴァイオリンが主題を奏する(譜例2)。

譜例2


\relative c' \new Staff {
 \key f \minor \time 3/8 \set Score.tempoHideNote = ##t \tempo "Andante." 4=65 \partial 8
 c8 f aes e f4 c8 f aes e f4 c8 f aes e f g aes es8. f16 d8 c4 \bar ":|."
}

第1変奏はヘ長調となり、主題のリズムに変化を加える。第2変奏はヘ短調に戻り、主題を16分音符の音型に崩して紡いでいく。第3変奏は再びヘ長調に転じ、ピアノはスタッカート、ヴァイオリンはピッツィカートの指定で軽やかに進む。第4変奏ではヘ短調に回帰して自由な変奏が繰り広げられる。

第3楽章

Presto 4/4拍子 ヘ長調

この楽章も第1楽章同様に主題をひとつしか持っておらず、ハイドン交響曲第102番の終楽章を範としたものと思われる[1]。冒頭からヴァイオリンが勢いよく主題を出す(譜例3)。

譜例3


\relative c'' \new Staff {
 \key f \major \time 4/4 \set Score.tempoHideNote = ##t \tempo "Presto." 4=285 \partial 4
 c8 c a' g f e g f e d c f e f e d c b
 c d e c d e f d f e d c b c d e
}

対位法的な技術により手際よく展開させ、主題を再現する。第1楽章同様に楽章後半のリピートに2つの括弧が用意されており、主題を用いてまとめられて全曲が閉じられる。

出典

  1. ^ a b c d Todd, R Larry (2022年). “Mendelssohn: Violin Sonatas”. Hyperion records. 2024年8月13日閲覧。

参考文献

外部リンク




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